華氏911、見るわけない

何をネタ遅れな、というところですね。
何だ、あの監督というか、ただ編集しただけのデブなオッサン、マイケル・ムーアっての? 彼はあれかね、影武者でもいるのかね。まあ、毎日毎日よく何か起こしてニュースになるもんだ。
華氏911? んなもん、私ゃ見るわけありません。逆にブッシュ礼賛の映画であっても見ませんが。そもそも、それほど私は映画を見るタチじゃありませんしね。ただね、何て言うのかな、作りが安直っぽい気がする。見てないのに何を言うか、というところでしょうけれど、ブッシュ大統領がアホっぽい行動を取ったところをかき集めたドキュメントっぽい宣伝してますでしょ。内容が100%そうなのかどうかは知りませんが、広告を見て見に行く立場の私としては、そんなもん見る必要ないわけで。例えば、ムーア氏がブッシュ大統領を模した主人公を立て、その主人公が自分の正義を振りかざしていったら、収拾がつかなくなって、さあ困った、というような別立てのストーリーで映画を作って、それがムーア氏の説明がなくても、観た人が「ああ、これはブッシュ大統領を批判してるんだな」とか「世の中には絶対の正義なんていうのはないんだな」とか思うような映画であれば、観に行く価値があろうかと思うのだけれども。そういう工夫がなくて、ワイドショー2時間ぶっ通しっぽい雰囲気が満載なので、観に行きません。作りが日本のテレビ局の報道番組に近いから、テレビ関係者ならびにテレビに担がれて党首をやっているジャスコ岡田なんかは絶賛してるのかなとか、勝手に思っています。まあ、だからこの映画、観る人はもともと反ブッシュだし、観ない人は例え見せられたところで考え方は変わらないんじゃないかと思う。要するに「反ブッシュ」というだけで、他に繋がっていく普遍性に欠くのではないかと。やっぱり優れた映画って言うのは、そのストーリーの中以外にも通用するような普遍性が込められているものだと思うわけです。そういう点で、観た人の批評にあった「典型的なプロパガンダ映画」ってのが一番当たってるんじゃないかと思いますし(観てないけど)、逆に我々日本人やアメリカ人の現世代は、プロパガンダ映画を観たことがない世代だし、そういう意味でプロパガンダに弱い、簡単に洗脳されちゃう世代と思われてるのか。そういう意図で、プロパガンダ作品を作って、これでケリー氏が大統領選挙で70-30くらいで圧勝したりした後に「ほれ見ろ、みんなオレに騙されやがった、わはは」みたいなことでも言えば、ムーア氏もすごいヤツですが、どうもそんな感じしませんね。多分、大統領選挙も頑張って55-45程度の勝負でしょうし、それなら、華氏911が世論に与えた影響なんて、もともと反ブッシュだった人が自己確認しました、程度のことだし。ましてや、ブッシュ氏が再選されちゃった場合、カンヌ国際映画祭の看板に傷が付くというモノです。
まあ、それにしてもマイケル・ムーア氏の大物気取り(まあ、いろんな意味で大物ですが)って、アメリカ人の中でも気分を害する人がいるんじゃないですか。日本だと、こういうフィクサー気取ってる田原総一郎みたいな感じに私には見えるんですけどね。