日本の周りは敵だらけ?

北方領土返還は2島…露大統領も共同宣言履行を強調」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041115id24.htm
「【モスクワ=五十嵐弘一】ロシアのプーチン大統領は15日、北方領土問題について、日露平和条約締結後に歯舞、色丹2島を引き渡すことを明記した1956年の日ソ共同宣言を履行する意思を改めて強調した。  だが一方で、「日本が宣言の義務を履行する範囲内で、我々も義務を履行する用意がある」として、2島返還が実現しないのは、日本が4島返還を要求し、平和条約の締結を拒んでいるからだとの考えを強く示唆した。」
中国による尖閣諸島問題、原潜領海侵犯、韓国による竹島不法占拠、そして北朝鮮による日本人拉致。よくもこれだけ周囲が敵だらけという状況で、戦争も起こさず耐えてきたものです。こうしてみると、平和憲法は日本国民のためではなく、周辺の敵国のためにあった、ということの証左のようですけど。
しかし、こうした東アジアの旧儒教国家群の不法行為も、実はロシア(ソ連)による北方領土占領とそれに軍事的な反抗をしない日本の姿勢を見透かしてのことじゃないのかと思う次第。で、何だ、この二島返還ってのはあれですか、1956年締結の「日ソ共同宣言」に明記されてるらしいとの記事ですね。ちと調べてみた。困ったときはWikipedia
「日ソ共同宣言」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E3%82%BD%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%AE%A3%E8%A8%80
・日ソ両国は戦争状態を終結し、外交関係を回復する。
・日ソ両国はそれぞれの自衛権を尊重し、相互不干渉を確認する。
ソビエトは日本の国際連合加盟を支持する。
ソビエト戦争犯罪容疑で有罪を宣告された日本人を釈放し、日本に帰還させる。
・日ソ両国は通商関係の交渉を開始する。(同日に通商航海条約を締結)
・日ソ両国は漁業分野での協力を行う。
・日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソビエトは日本へ歯舞諸島色丹島を引き渡す。
ほう、この最後の条文ですな。平和条約締結後に「歯舞諸島色丹島を引き渡す」と確かにある。では、平和条約を締結しなければどうなるんでしょう。まあ、いいや。確かにロシアがこの条文を盾に取っていることはわかりました。しかし、この条文の中では、ソ連(ロシア)が北方4島を領有(占領)していることについては、何も記載されていませんね。どういうことなんでしょうか。
さて、同じくWikipediaで「北方領土」を引くと、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F
日本の返還要求の根拠
1854年日露和親条約で日露の領土が確定した時、択捉島以南が日本領であった。
・1875年の樺太・千島交換条約樺太と千島列島とを交換した時の千島は択捉島以北であった。
ソ連は日ソ中立条約を無視し北方領土を含めた千島全島へ侵攻した。
・日本がポツダム宣言を受諾した後の、1945年8月28日から9月5日にかけてソ連軍が占領した。
ソ連が領有を主張する根拠のヤルタ協定は秘密会談であり日本は全く関知していない。
ヤルタ協定の当事者であるアメリカが戦後日本の領有を支持している。
ロシアの主張
・日本が放棄した千島の範囲は地理的に国後島までである。従って歯舞、色丹に関しては返還の用意がある。
ヤルタ会談ソ連の参戦は連合国に対し事前に承諾されている。
・日本は連合軍に対して無条件降伏している。
こんな感じになってますね。ロシアは日露和親条約樺太・千島交換条約を無視して「千島の範囲は地理的に国後島まで」と言ってますね。条約無視の態度が露骨に表れています。それから「日本は連合軍に対して無条件降伏している」というのが、北方4島占領の理由にしてますが、論理的におかしいですね。むしろ、降伏する前に戦闘を行った結果、占領した、という方がよっぽど「軍事占領」する理由になるはずですけどね。
ともかく、ロシアは条約を都合よく解釈しているし、自分が破った条約については、一切その履行責任を負わないという姿勢がよく出ています。この問題も国際司法裁判所に付託するのが良いかも知れませんな。