朝日社是「不偏不党」は嘘らしいですな

さて、批判を一身に浴びている朝日ですが、本日付のWEB版に「本社の取材・報道の詳細」と称した特集を組みました。しかし、何でこんなツッコミどころ満載の記事を出したんだろうか。
「NHK番組改変問題、本社の取材・報道の詳細」
http://www.asahi.com/national/update/0118/004.html
まず時系列の一番目から笑えます。(以下、太字は引用者です)

NHK幹部の一人は、番組放送前日の01年1月29日にNHK側が中川昭一安倍晋三衆院議員と相次いで会ったことを認めていた。

はい。いきなり実名ではない人物登場。すでにこの時点で捏造を疑われるっていう話ですが。

この幹部によると、NHK側のメンバーは当時の松尾武・放送総局長と国会担当の野島直樹・担当局長ら数人。
 面会した日について「29日だけですか」との質問に、この幹部は「そのときです。それ1回きりです」と明確に答えていた。
 幹部によると、当日は車で国会周辺をまわった。まず議員会館に中川氏を訪ね、「途中どなたかにお会いしてから、自民党本部だったか、ちょっと広い応接室で安倍氏に会った」という。

頻出する「この幹部」。はっきり言うと、これは「この幹部」を「本社の取材」に置き換えるべき。伝聞形にすることの狙いは、(1)信憑性を高める(朝日は自社に信用がないことは理解しているのかも知れない)(2)誤報だった(その可能性は高いが)場合、「この幹部」が嘘を吐いた、という逃げ道にしておく、の2点ではないかと。
そして高まる脳内妄想。

この幹部は一貫して「自民党に呼ばれた」との認識を示し、これを「圧力と感じた」と証言した。「もし呼ばれて行かないとどうなるか?」との質問にも「3、4倍の圧力(がかかる)。放送中止になったかもしれない」と答えた。

はっきり言って、亡霊と話をしているような印象ですね。

面会では、一方的な報道をするなという内容の話が出たという。それができないなら中止すべきだという趣旨の発言も、議員の中にはあったと、この幹部は話した。

それは放送法の第3条の2の第2項「政治的に公平であること」、および第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTMより抜粋)に抵触している可能性が高い、という指摘ですね。守れないなら中止すべきだ、と国民から選ばれた国会議員が意見を具申したことは、法律上何の問題もありません。それでいて、圧力を感じた、ということは「この幹部」が、放送法に抵触している番組であることを認識していた証ですわな。

中川氏の話しぶりについては、「注意しろ、見ているぞという示唆を与えられた」と幹部は受け止めた。

めでたく視聴者一人を獲得したわけですがw。ちなみに、中川氏は放送後に会見したと主張してますけどね。
そして、非常に正論に落ち着いている。

議員らの発言の影響について、この幹部は「ただの脅しとは思ったけど、より公平性、中立性、そういうものを責任持って作らねばならないという気持ちを持った。つけいるすきを与えてはいけないとの緊張感が出てきた」と説明した。

よかったじゃんか、両氏と会見して。放送人としての良識を取り戻せた、安倍氏と中川氏には感謝しなくちゃいけませんね。
で、後は番組内容の編集についてですが、一つ上で「より公平性、中立性、そういうものを責任持って作らねばならないという気持ちを持っ」て編集したわけですから、朝日の論旨はここで矛盾します。すなわち、朝日は報道機関に課せられた義務でもあり、また自社の社是でもある「不偏不党」に真っ向反対の立場を明確にした、ということです。NHKの「この幹部」の証言によると、番組をより公平・中立なもの(すなわち放送法を守ったもの)にしようとした。しかし、朝日はこれが気に入らない。
ということで、これも自爆記事ですな。自分で「自社は報道における公平性、中立性は守らないし、社是の不偏不党も嘘ですよ」と宣言したようなもんですからね。