なぜトリミングするんだろう?

昨日、goriさんのIrregular Expressionで拝見したニュース。
「リチャードギアって熱いな」
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000498.html
ここでサンスポの記事が引用されてるんですが、孫引きで申し訳ありませんが、こんな感じ。

ハリウッド版「Shall we Dance?」(4月23日公開)に主演する米俳優、リチャード・ギア(55)が28日、都内で来日会見を行った。ギアは日本のオリジナル版を「パーフェクトだった。あれと同じものを作ることはできない」と大絶賛。29日には、日本生まれの同映画を世界に広めたとして、首相官邸を表敬訪問。“そっくり”と報じられた小泉純一郎首相(63)とご対面する。(中略)
★熱心な仏教徒
 熱心な仏教徒でも知られ、以前からチベットを支援して、中国のチベット政策を「文化的弾圧」と批判してきたギアはこの日、台湾が中国から分離した場合に向けて武力行使を容認するとしている「反国家分裂法案」に対して、言及。会見終了間際の写真撮影の際に、突然司会席のマイクを使い、「中国で反国家分裂法案が制定されることに絶対反対します。小泉首相に賛同し、中国に武器が輸入されることを絶対に反対します」と、声を荒らげた。
SANSPO.COM 2005/3/29)

で、意味のあるニュースであるのは、当然、後半ですよね。前半はアメリカハリウッドの人気俳優が日本の首相を表敬訪問しますよって話だけですから。で、サンスポが報じてくれたので、リチャード・ギアの政治的な信条がわかったわけです。goriさんの言うように、リチャード・ギアって熱い男だと思うし、ハリウッドをはじめ、世界の芸能界に蔓延るエセ平和主義者とは一線を画す男だと期待できますね。
さて、日本の新聞はこれをどう扱ったかというと、まず産経新聞は共同配信をそのまま垂れ流しで、こんな感じ。
「首相、リチャード・ギアさんと「シャル・ウィ・ダンス?」 」
http://www.sankei.co.jp/news/050329/sei092.htm

首相は会うなり、両手を取って2人でダンスの振り付けで写真撮影に応じるサービスぶり。ギア氏は、首相のポスターを見た娘が「日本のリチャード・ギアだ」と言ったエピソードを披露。ヘアスタイルも「同じような銀髪だ」とも。首相は「ハンサムな俳優に似てると言われて光栄だ」と応じていた。(共同)

そして、天下のクオリティペーパー・朝日新聞に至っては、
抵抗勢力との踊り方は? R・ギアさん首相と面会」
http://www.asahi.com/politics/update/0329/008.html

ギアさんは面会後、記者団に「首相に、野党や自民党抵抗勢力とうまくダンスを踊るアドバイスを」と求められると、「相手の言うことに耳を貸すこと。本当に耳を傾けるには忍耐がいる。相手の言うことを心から聞いてあげることが一番だと思います」。しばしば野党から「聞く耳を持たない」と批判される首相には、耳の痛いアドバイスを語った。

とか書いて、完全にギアの対中声明はすっ飛ばしてます。
ちなみに朝日の名誉のために言っておきますと、読売の紙面は、ほぼ朝日と同じ内容でした。結局、マスコミも政府批判をしたいだけってことですな。そして、もっと大事な民主主義や本当の意味で人権を守ることに対しては、全く関心がないということですね。これでマスコミを信頼しろとか、よくヌケヌケと言えたもんだ。