責任は誰に向けて?

政党なんてモノは、所詮私的な集団であるわけで、そういう意味で言えば、代表辞任とか辞退とかいうことは、決して国民に対して責任を取ったのではなくて「民主党員」に対して責任を取っただけのことである。
この状況で「民主党は(誰に対してかよくわからないが)責任の所在を明らかにしている。だから小泉首相は辞任すべきだ」というのは間違いで、正しくは「自民党総裁を辞めろ」というのであれば、レベルとして同じことになる。総理大臣を筆頭とする閣僚は公務員として官僚を統御し、行政を執行する責任者であるわけで、その権限を間接ながらも国民から負託されている存在である。たかだか私的集団の中の役職が持つ責任とは比較にならないものである。そして、自民党総裁を辞めるかどうかは、自民党員によって決められることであるから、民主党が首を突っ込む話でもないわけである。まして、首相以外の閣僚で自民党の役職を兼務している人間はいないので、この議論もまた空回りということになる。無論、批判することはできるとは思うが。