民主党の体質

自民党にはいろんな人たちがいて、わかりにくい。小泉総裁になってからは、いわゆるタカ派と言われるグループが主流になっているが、派内にはハト派と言われる人たちもまだまだ多い。しかし、それ以上に民主党は寄り合い所帯である。ことさらここで論うことではないと思うが、これこそが民主党が常に「騒いでいる」原因である。もともと民主党は右と左、水と油ほどに異なる政見を持つ人間が集まっている。政治家というのは、そもそも自己顕示欲の強い人間である(そうでないと議員にならないだろうし、そうでないと勤まらない職務である)。その集団は、政局もない状況に置かれるとどうなるだろう。自民党の例で言えば「勉強会」と称する派閥を作って、何かと活動をアピールするわけである。当然、民主党も同じように「勉強会」「研究会」と称するグループを作って活動をアピールするわけである。同じことをしているのであるが、自民党はいろんな人がいると言っても、自衛隊違憲であるとか、象徴天皇制反対であるとか、あるいは社会主義国家が理想であるとか、というような集団が入っていない。結果、派閥の活動は次の大臣、党内役職を得るための裏工作だったり、選挙区への利益誘導のための活動であったりするわけで、そういう意味で非常に暗い。これが自民党バッシングの一番の対象であろう。
それに対して、民主党は非常に派手である。あるグループはもともと社会主義革命を夢想してきた党からの転籍組であったりするし、日米同盟はけしからんというグループであったりする。つまり、政権を取った場合に、その運営の根幹となる部分の考え方が大きく違っているのである。政局がなく、静かな状態であると、民主党内でこうしたグループが活動していることが報道され、党内の政見の相違が目立ってきてしまう。そうなると、有権者は「民主党が政権を取ると危ないな」と感じてしまう可能性がある。これは民主党にとっては痛い。それを防ぐために、民主党は常に騒いで、何かの理由で政局を作らなければならないのである。政局になれば、マスコミはニュースのネタがネギを背負ってやってきたようなものであり、またまたそれを煽るようになる。民主党は、そういう意味でマスコミと利害関係が一致しているとは言える。今回は、そのマスコミが極度に暴走し、民主党の2枚看板をともに破壊してしまうという愚挙を犯してしまったが。