評判の悪いコラム、評判通りだね

http://www.asahi.com/column/hayano/ja/TKY200408170201.html
朝日新聞の「ポリティカにっぽん」。評判が大変悪いので、読んでみたのですが、評判通りです。サヨクの寝言という内容もひどいけど、文体が妙な「話し言葉」になっていて、気色悪いったらありゃしない。ネットで我々文章の素人が書くブログならともかく、コラムニストなどという文章のプロが新聞に書く文章ではないよなぁ。ま、ともかく8.17付のコラムは内容もいつも以上にぶっ飛んでいました。
まず、のっけからおかしい。
「テレビはアテネ・オリンピックの日本選手の金メダルでわきかえっている。一方、イラクでは国民会議の近くに迫撃弾が落ちた。世界は平和なのか戦争なのか。」
アテネは差し当たり平和、イラクでは民主主義を妨害しようとする連中が暴れている。ただそれだけのこと。世界全体が平和だった時期など、世界史的に見て全く存在しない。それを知っていれば「世界は平和なのか戦争なのか」など問うこと自体がおかしい。
「黒服に身を包んだ福島瑞穂社民党党首は仙谷氏の次に立ってすかさず「残念ながら野党の中から武力行使を認める議論が出ている。背筋が寒くなる」と述べた。もっと落ち着いて、民主党!」
私は、他国から攻められる危険を放置し国民に「座して死ね」という議論に背筋が寒くなるんですけどね。で、何だ、この「もっと落ち着いて、民主党!」って。民主党の方針は、早野サンと違うんだから、早野サンとしては民主党を批判すべき。しかし、「落ち着け」って何よ。社民・共産が壊滅状態になってサヨクの拠り所はもはや民主党しかないってことが露骨に表れてる。こないだの参院選自民惨敗・民主大勝ではなくて、共産壊滅・自民現状維持・民主サヨク票吸収、という構造が、このコラムからも見て取れる。
「千鳥ケ淵から歩いて10分ほどの靖国神社に行く。右翼の宣伝車ががなりたて軍服まがいの姿の若者の一団が境内を闊歩(かっぽ)する。「中国の靖国干渉に抗議の声を」「許さない、福岡地裁靖国訴訟判決」などといったビラが配られている。それにしても、石原慎太郎東京都知事はこんな喧騒(けんそう)の靖国神社に「来年は天皇に参拝していただきたい」というのだろうか。」
陛下の行幸には、異論があるんだろうけれど、もし行幸されるとなれば、警備はもっと厳しくなって、こうした腐れ右翼は排除されるだろうから、陛下の参拝は喧騒とは無縁のものになるだろうね。それよりは、サヨクの「はんた〜い」の方が大きいんじゃないか。8.15の靖国神社の映像を見たけれど、確かに腐れ右翼はいた。だけれど、ごく普通の人たち、特に20、30代の人たちが参拝しているように見えたし、実際、参拝に行った方々のブログにもそう書かかれている。早野サンはそういう人たちを見なかったのか。見たのに、ここに書かないとすると、それはジャーナリストとして失格。ビラの内容は、どちらも間違ってない正当な内容ですわな。
で、最後に強烈なコジツケ。
「全7ページで論じ尽くしているのは、自由を守る「現状維持」こそ大事であって、「現状打破」はファシズムの台頭に他ならないとの警告である。すごいなぁ、大学3年でこんな予言を書くなんて。それにしても今の時世にもそのまま通じるのではないか。猫も杓子(しゃくし)も「改革」を唱えて10年、しかし「不戦」「非戦」の誓いまで揺るがせていいはずはない。」
東大教授丸山真男がナニモノなのか、私は全然知らない。彼が東大の学生時代に、ファシズムの台頭を予測していたことがすごい、ということらしいです。そうなの? 天下の東大生なんだから、一人くらいそういう予想をするヤツがいたっていいんじゃないの? しかも、これって1936年の政治を振り返るってあるから、1937年以降に書かれたんだよね。すでに二・二六事件が起きていて、日本がファシズムに傾斜している状況だから、予想も何も現状を書いただけのことじゃんか。予言でも何でもないじゃんか。しかも、ノートに書いていただけで、そのときに公表してないやん。このときに本にするなり、新聞社に売り込むなどして、公表していたら、日本が傾斜する流れを止められたかもしれない。それなら、この丸山っていう人は、勇気のある言論人だったと思えるけれど。しかし、これが「今の時世にもそのまま通じる」ってどういうことなんだろうね。あ、昔、軍部が言っていた「一億玉砕」とサヨクがいう「不戦非戦」は、どちらも国民に「死ね」と言っているという点で共通してるってことか。なるほど、それは危ないなあ。
でね、不戦=戦わず、ってのはまあわかるけどさ、非戦って「戦いに非ず」ってことですよね。「不戦」を誓うのは好きにしろって思うけれど、「戦いに非ず」を誓うって意味不明だよね。意味不明な言葉(非戦は、恐らく幸徳秋水内村鑑三の「非戦論」から来ていると思うけど、「非戦」自体は少なくとも大辞林に載ってないし)や難解な言葉を使って、自己陶酔に浸るのはサヨクがよくやってるよね。大江健三郎の「翠点(すいてん)」とか、田中康夫長野県知事の「カワード」とか。理屈で負けそうになると、意味不明・難解な言葉を使って煙に巻く。この早野サンもお仲間ってことですね。