タイガー、世界ランク1位陥落

http://www.golfdigest.co.jp/tour/new_topic/2004/200409/040907_01.asp?car=605
http://www.golfdigest.co.jp/gdo/column/america/040907.asp
ついにタイガーが世界ランクの1位から陥落。ただ、私の個人的な感想から言えば、むしろ遅すぎたか、という気もしますね。タイガーはコーチだったブッチ・ハーモンと別れてからずっと不調が続いています。メンタル面云々は、私は興味ないのだけれども、技術的な面から見ると、やはりハーモンという「チェック屋」がいなくなったことが大きいのではないかと。タイガーのスイングで一番気になるのは、腰が回りすぎているところ。特にバックスイングで腰が以前より回りすぎていて、トップが緩んでしまっている。だから、ダウンでプレーンより下にクラブが入って、プッシュ。それを手先で調整しようとして、ヒッカケ。そしてアイアンは距離感が合わない、という状況になっているのだと思います。すべては「腕」じゃなく、「体の回転」で打ってしまっているから。体の体幹は、そんなに敏感な動きはできないのに、体幹の回転で距離感を出そうとしてるからでしょうね。パターの不調もそこに行き着くと思います。
タイガーの不調は、周囲の飛距離が伸びたから、という言い方をする向きもあるが、他の選手がクラブの進歩に合わせているのだから、タイガーがそれに合わせられていないとすれば、それはタイガーが時代遅れだということ。クラブ技術の進歩を規制すべきだ、という意見もあるけれど、それはPar72のコースで54が連発で出るようになってから考えればよいと思う。メジャー大会なら、未だにイーブンの争いを作れるのだから、まだまだゴルフは死んでません。
とにかく、タイガーは早くスイングをチェックしてくれる有能なコーチを探すこと。これさえできれば、彼はまた世界のトップに君臨できる。彼も、自分の意識の中では「体を回転させて」と思っているんだろうけど、これが間違いの元。ただ、アメリカのコーチの中に、日本で言うと後藤修や若林貞男のような「非回転系」の理論を持っている人間がいるかどうか。ただ、少なくともチェックする人は必要ですね。親友のオメーラのコーチである、キーニーでも別に良い。どうしろ、じゃなくて、こうなってる、と指摘できる人間が必要ですな。あと、もっと試合に出ること。彼は、ビジェイ・シンの2/3程度しか試合に出ていない。同じ数の試合をこなせば、勝つチャンスも増えて、自ずからトップに立てるでしょう。
ゴルフ界のためにも、タイガーは復活してくれなければ困る。今週はデュバルが13位に入って復活の兆しを見せてることでもあるし。タイガーもここで終わったら「技術の進歩についていけなかった選手」として葬り去られてしまう。ニクラウスのように、20代、30代、40代のそれぞれでメジャーを取る大選手になれる素質を持っているのだから、是非、復活を期待したいところです。