で、前日の質問への答え

恐らく「義理」とか「仁」だというような精神的概念でお答えしてもご理解頂けないと思いますので、より現実的な話から。
日本がなぜ「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための戦争に、なぜ日本人が、中東に憎まれながら、協力しなければならないのか」ということをアメリカと日本の関係から考えてみましょう。まず、日本はアメリカに国防を依存している国です。北朝鮮、中国という驚異的な軍事国家(かつてはソ連までいた)を近隣に抱えている状況では、アメリカの軍事的抑止力によって日本が守られている状況ですね。確かに自衛隊は持っているけれど「専守防衛」に徹しなければならないし、軍隊としての地位を認められていない。自前で国防ができてない国であると。アメリカが勝手に始めた戦争に、後始末であっても協力しなければならない事情は、これで理解頂けるのではないかと。韓国がイラクに国軍を派遣している状況も同様だと思います。
と、これが「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための戦争」に協力せざるを得ない理由です。政治は「現状で最も良いと思われるモノ」を選択することだから、今の政府の判断はこれで良いと、私は思っています。今後もこれで良いとは私は思わないけどね。アメリカに何もかも引きずられないためにはどうすればいいかというと、今の状況の裏返しを考えればいい。つまり、アメリカに国防も経済も過度に依存する体勢を改善するということです。その解答はいくつかあります。一つは、アメリカの敵国との共存関係を構築すること。簡単に言うと、例としては中国と仲良くする、という方法。しかし、私はこれは良いアイデアだと思わない。というのは、アメリカが中国に変わるだけだから。これが中国じゃなくてフランスでもロシアでも良いんだけれども、それでも依存先が変わるだけで本質的な解決にはなっていないと。で、別の解答として私が考えるのは、まず憲法を改正して自衛隊をきちんとした「国軍」とすること。そして、自前で国防体制が立てられる国になることが一番重要だと考えます。法律上「存在が違憲だ」とする人が多数いる状況では、国防に自衛隊を活用しようというのは本質的に無理がある。だからアメリカに守ってもらう方が、法制上問題がないという現状を打破するには、それしかないでしょう。
で、ホントに一番大事な問題は、私は食料だと思ってます。日本は小麦やら大豆やらアメリカからたくさんの食料を買って(輸入)してます。アメリカから「日本には食い物を売らん」と言われた瞬間に日本は干上がる。だから、アメリカに頭を下げざるを得ないのだと思います。これは対中国問題でも同じことだと思いますけどね。今、日本の食糧自給率って40%そこそこ。ということは、何かの拍子に世界を敵に回すことがあった場合、全国民が今の食料消費を現在の40%に減らさないと暮らせない、という状況だってことです。日本は実は国防だけじゃなくて、食料生産でも全然自立できてない。だから、食料供給国であるアメリカや中国に頭を下げなくちゃならないし、国防でも世話になっているアメリカの言うことには付いて行かざるを得ない。
以上が私の考えです。日本が自前で国防軍を持ち、食料自給率70%程度は維持できるようになれば、アメリカの言うなりにならなくてすむと思います。