ラグビー大学選手権決勝

決勝らしくいいゲームでした。関東学院が逆転したときは、これまで法政と2回の接戦を体験してきていたこともあって、流れを掴むかなと思ったんですが、あれで逆に早稲田の闘争心に火を点けてしまいましたね。時間帯が少し早すぎたかなと。ただ、関東は小粒と言われながら、個々の選手の能力はやはりしっかりしてる。一つだけ、関東の今後に注文があるとすれば、これだけ能力・スキルの高い選手を揃えているので、是非、180cm以上の大型選手をSHにコンバートして欲しい。春口監督自身、小柄なSHとして活躍された方だし、関東は優秀なSHをたくさん抱えていることもわかります。でも、関東学院だからこそ、このコンバートが成功すると思うんです。それがジャパンのレベルを上げることにもなる。豪州のファージョーンズ、フランスのガルティエ、南アのファンデルベストハイゼン、皆、FW級のディフェンス力を持つSH。これがジャパンにも欲しい。早稲田や明治のように「伝統」に縛られない関東学院だからこそ生まれる可能性のある、ジャパン初の大型SHを期待したい。
で、勝った早稲田ですが、FWに拘りすぎ。ラックからモールで押そうとしすぎて、球をゆっくり動かしてました。関東も集散では劣ってなかったので、結局モールを押せなかった。もっとボールを速く動かしておけば、密集に入る関東の選手も少なくなり、楽にモールが押せたはず。社会人に勝つのが目標だそうですが、少なくともトップリーグ4強に対しては、まるで歯が立たないでしょう。
と、若干、文句を言いつつ、良かった点。FWは各所で褒められているから私は言及しないとして、12番の菊池が良かった。彼はパートナーの今村のような力強さはないけれど、タックルの芯を外してちょっとずつ前に出れるところがいい。だから、FWがフォローしやすい。それから、佐々木は恐らく日本では一番のNo.8。最近のトップリーグでは、No.8が概ね外国人なので単純に比較できないけど、最近のジャパンクラスの選手が嫌がってやらない密集に頭から入っていくプレーなんかは見事ですね。神鋼全盛期の大西を彷彿とさせるプレーでした。
来年は、立場が逆になりそうな予感。ただ、来年の決勝も同じ顔合わせになりそうですね。この予想を覆すチームが出てきて欲しいところです。