景気対策って具体的には何だろう

さて、新聞などの世論調査を題材にした政府批判の記事を見ますと、押しなべてこんな意見になるようです。
「首相は政治課題の順序を間違えている。郵政民営化は、国民が期待している政治課題の順序として、極めて低い」
その代表例として、3/28付の読売新聞の社説を挙げておきます。
「[小泉『改革』]「政策の優先順位が違わないか」 」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050327ig90.htm
この社説を読みますと、社会保障制度改革・景気対策が優先課題である、と考えている国民が多い、ということですね。
しかしですよ、社会保障制度改革にしても景気対策にしても、非常に漠然としています。つまり「社会保障制度改革」「景気対策」がカバーする範囲が非常に広く、かつ漫然としていて具体的な方策が全然わからないような気がするんです。
例えば、社会保障制度改革とは、何を指すのか。具体策を挙げると、社会保険庁の廃止(または民営化)、年金の一元化(段階的なものも含む)、未払い者への罰則強化などなど、いろいろ具体策があるわけですが、これらを包括的に「社会保障制度改革」と言ってるわけですね。
ましてや景気対策となると、一体何が具体策なのか、全くわかりませんね。
で、その景気対策の最大のものが、郵政民営化だったらどうなんでしょうか。
それまで公共事業に回ってきた財政投融資の資金が、民間に還流する。それで日本の景気は回復する、というのが、政府の主張だと私は大雑把に理解しているつもりなんですが、これって景気対策の具体的方策の一つじゃないのかなと。ってことは「郵政民営化」と「景気対策」を同列に扱うのは、正直なところおかしいんじゃないかなと。
まあ、私は郵政民営化に賛成してる者なんですが、ついでにタイアップでやって欲しい改革があるんです。それは高速道路の料金体系の改革。言ってみれば、道路公団改革とも言えますけど。
緑ナンバーは無料。ただこれだけです。
これで、国内の流通経費が格段に安くなります。ですから、価格が維持されれば、各事業体(生産者、流通業者、販売者)における利益が上がります。消費者も結局、この三者のいずれかに入るわけですから、自分の所得が上がるということでもあるかと思うんですよね。流通輸送のトラックは、高速料金を削減するために一般国道を走っている、という話を聞きます。それじゃ何のために高速道路を作ったんだか、というわけです。私は高速道路は、自家用車のためにあるものじゃないと思っています。江戸時代、千石船が流通を担ったことによって、経済が発展し、文化が発展した(有閑階級が出現した)ように、現代において千石船と海の役割を果たすものは、トラックと高速道路。その流通を活発にすれば、国内の景気はもっと良くなるのではないかと考える次第です。
と、ここまで書いてきてなんですが、景気っていう言葉、実は外国語に訳せない日本語の代表格らしいですね。確かに、景気って何?と子供に聞かれたら、ちょっと答えに窮するような気がする。それをもって「政府にやって欲しいこと」の一番二番に挙げるってのも、自分も含めて日本人って変かも知れませんね。