貴様に陛下のお気持ちはわからんやろ

昭和天皇、時期見て退位すべきだった…岡田代表
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050511ia29.htm

民主党岡田代表は11日、早稲田大学で講演し、菅前代表がテレビ番組で昭和天皇終戦時に退位すべきだったとの考えを示したことに関連し、「(終戦直後の混乱期は)退位すべきであったと思わないし、退位できない状況だったと思うが、落ち着いたところで、次に譲るということがあってもよかった」と述べた。

今、何のために「皇室典範」の議論がされているのか、コイツは全然理解できていない。皇室典範とは、皇室に関するルール。皇室であっても、ルールに従うことになっているわけです。皇室典範に従うと、皇位継承については、次の記述があります。
http://www.houko.com/00/01/S22/003.HTM

第4条 天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

つまり、陛下が譲位されることは、皇室典範に違反するのです。また、

第16条 天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
2 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。

こういう状況におなりになっても「退位」はできないようなルールになっているということです。これが陛下(現陛下はもちろん、昭和天皇陛下も)にとって、どれだけの重圧になっていたかは、想像に難くないと思いますが、そのレベルの想像力すらジャスコ岡田や菅直人にはないのかね。また、皇室典範の改正を行うのは、皇室典範に定めるところの「皇室会議」です。これには、次のような条文があります。

第29条 内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。
第33条 皇室会議は、議長が、これを招集する。

民意を受けた内閣総理大臣が招集しなければ、皇室会議は原則としては開かれない。皇室典範を改正するのは、結局のところ、民意の後押しがなければならないということです。つまり、陛下はご自身の進退に関しては、全く自由を保持されていないのです。
そこのところをしっかり考えてから、天皇陛下の戦争責任なりを論じて欲しいものです。
っていうかね、一昨日も書いたけど、行政責任を君主に押し付けるなんてことは、立憲君主制国家の政治家にはあるまじき行為です。極めて無責任。万年野党体質の民主党の本質が、こんなところにも現れていると私は思いますね。