人権擁護法案について

お二方からコメント頂きました。ありがとうございます。
人権擁護法案というか、人権擁護の必要性はよく理解できます。ただ、人権擁護法案に提示された組織・体制は、非常に妙な気がします。
で、思想統制言論弾圧に繋がる、という主張に荒唐無稽な想像をする方もおられるのは承知しています。そこまでのものではないと思いますが、平たく読んでみて、これを悪意で運用すると、政治的ライバルの抹殺に「使えないこともない」わけです。
例えば、私(A.Yotti)が次期首相を狙える野党の大物であったとします。で、とある料亭で飲んでいたと。そこに若い美人の仲居さん登場して、思わず一言「キレイだねぇ。いくつ?」とでも聞いたとしましょうか。ところがこの仲居さん、実は反A.Yottiで、この「キレイだねぇ、いくつ?」発言を「A.Yottiからセクハラされた」と人権擁護委員に告発すると。人権委員会は「衆参両院の合意の下、内閣総理大臣によって指名」されているわけですから、与党側の人間である可能性もある。そうだった場合、私は人権委員会から「人権侵害の疑いあり」として告発されるわけです。日本では、告発されたり逮捕されたりした時点で、すでに「犯人」扱いされる風潮にあることも考えれば、この時点で私の政治生命は断たれたに等しいと。ホントにセクハラしてた場合は、知ったこっちゃありませんけどね。
要するに、思想統制言論弾圧というのは、直接的に行うもんじゃないんですよ。露骨にやらないからこそ危ないんです。本当は言論弾圧なのだけれど、表向きの理由は「人権侵害」とされる。しかも、人権侵害の範囲は明確に決められていませんでしょ。世の人、すべてが常識で判断・運用すれば、だいたいの法律は問題ないはずなんですが、まあ世の中には、法の抜け道、法の悪用をする人は多い。私のような法律のど素人でも、こうして悪用できる可能性を指摘できるくらいですから、この法案、趣旨の崇高さに比べると、杜撰だと思います。