日本のメディア、評論家が絶対にしない見方

ほとんどの日本のメディアが「独裁の恐れ」を懸念していますよね。でもね、私の記憶では1997年にイギリスで労働党が大勝したときに「労働党の独裁」を懸念するような論調は、一切なかったと思うんです。イギリスの政治は信用できて、日本の政治は信用できませんか、日本のメディア、評論家諸兄。
その中で、一貫して小泉首相に一定の評価を与えてきた唯一の全国紙が産経新聞(地方紙を入れても、静岡新聞北國新聞くらいではないかと)。その産経新聞の本日付から。
「【小泉圧勝 私はこう見る】デービッド・アッシャー氏」
http://www.sankei.co.jp/databox/election2005/0509/050914m_pol_58_1.htm

自信取り戻した国民 改革信任
今回の選挙は一九二〇年代の大正デモクラシー以来の最重要な選挙だったといえる。郵政民営化だけが争点とみるのは間違いであり、実は官製の「日本株式会社」の民営化が問われたのだ。旧式の重工業と地方依存の政治家と既得権保持の官僚とが握る権力カルテルを打破して、よりオープンなシステム、より普通な国家を形成するための基本的な改革の推進だといえる。この点で小泉首相吉田茂以来、最重要な日本の首相となるだろう。小泉首相が進める郵政改革は実は強いイデオロギーと合理性とに裏打ちされた日本国の改革であり、その改革への国民多数派の信託を得たからだ。
有権者の多数が小泉改革を支持したのは単にその新たな開国的な改革への賛同だけでなく、小泉首相が過去四年に実証してきた経済や金融の政策面での改革志向の対応への信頼のためだろう。小泉政権が誕生したころの日本はなおバブル破綻(はたん)の苦境から脱せられず、深刻な不良債権、不良資産、企業倒産に悩んでいた。だが小泉首相竹中平蔵氏の強力な助言により大胆な施策をとって、経済や金融をかなりの程度、立て直すことに成功した。
その結果、日本国民は自信を取り戻し、安心感を得た。今回の選挙で国民の多くが小泉首相への事実上の支持票を投じたのは、間違いなくこういう背景のせいでもあったと思う。

政権批判をすることが役目だと思っている日本のメディアには、こういう視点が欠けていると言えます。4年前と言えば、私が会社に入って2年目でしたが、その年は前年よりもボーナスが減額され、しかも一時帰休が7日もありました。マスコミはその不況期に、社員にどういう給料を払っていたのかは知りませんけどね。それから4年間、徐々にではあるけれど、経済が復調軌道に乗っていることは、自分の給料明細を見ればわかります。月給もそれなりに上がったし、ボーナスも上がった。しかし、今のメディアの上層部は、バブル期を体験した世代です。だから、この程度の「微々たる」成長を評価出来ないのでしょうね。しかし、同じ口で「持続可能な経済が必要」とも言うわけです。矛盾してますよね。
今後はメディアもその論調と、未来予測能力を問われることになると思います。これまでの在り来たりな「反権力」「権力の監視」などは通用しない時代に入ってきているんじゃないでしょうかね。
産経新聞は、今回緊急に全国紙の社説比較を掲載しています。どっちかというと、産経の自画自賛記事ではありますが、こういう検証を産経以外の新聞社もやるべきだと思いますね。
「【緊急社説検証】自民圧勝の衆院選
http://www.sankei.co.jp/databox/election2005/0509/050914m_pol_59_1.htm
http://www.sankei.co.jp/databox/election2005/0509/050914m_pol_60_1.htm