いじらずにはいられない!

そういや、先週、こんなニュースがあったんですね。拙日記ではかつてよくご登場いただいた、件のオジサマの日記の11.5付エントリ。
「中国前外相が太田大阪府知事に説明 外務省は否定したものの・・・」
http://d.hatena.ne.jp/katchan/20051105
で、要するに、後藤田が官房長官だった頃、つまり中曽根内閣のとき、シナ共産党政府と日本政府の間で、首相・外相・官房長官靖国神社に参拝しない、という約束をしたのだ、というお話です。
ちょっと前には、中曽根首相がこの密約を「否定」したんですけどね、またまた蒸し返してきました。
んで、後藤田は靖国参拝反対派です。小泉首相の参拝にも文句を言い続けてきた人です。しかし、その理由に「約束」を持ち出したことはありませんね。ですから、「岩日誌」のiwaさんのように
「■[政治][国際] 靖国で紳士協定「あった」 唐氏、首相の参拝批判 <共同>」
http://d.hatena.ne.jp/iwamototuka/20051104#p2

ならば何故、今年までご存命だった後藤田氏は生前それを持ち出して参拝批判をしなかったの?という。

と思うのが普通なんじゃないかと。
で、案の定、コメント欄には「名無しさん」氏がこんなことを書いておられる。

後藤田が約束していたのであれば、後藤田はこの「約束」を掲げて小泉を批判すればよかったはずだが、それをしなかったのは何故か、ということくらい、少し想像をたくましくすれば容易にわかることである。つまり「約束」はなかったか、あるいは後藤田が「個人的に交わした約束」であったかのどちらかである。貴兄にしたがって唐前外相の説明に嘘や誇張がないとすれば、後者になるわけだが、後藤田が後にこの「約束」に言及しなかったのは、立法府の専任事項である「外交条約」に匹敵する内容の約束と、一行政官が行ってしまったことを明かすことができなかったからである。

ちと長いんですが、要するに、国家を代表する政府間の「約束」は「条約」と言われます。これを承認するのは立法府、つまり国会の仕事ですから、もしこの「約束」を政府が勝手に取り決め、勝手にこれを行使してきたとなると、行政権による立法権の侵害になるわけなんですね。その通りだと思います。
これが明らかになれば、後藤田の政治生命は危うかったはずです。だから、後藤田はこの「約束」が有耶無耶のうちに、日本側の自発的な「自粛」によって日本政府の公論になるように仕向けた(あるいはそうするしかなかった)のだと思います。
もちろん、これは推理です。すでに亡くなってしまったので、本人は反論できません。ただ、ここで一つ思うのは、シナ共産党政府の人材は著しくレベルが落ちてきた、ということです。
後藤田はすでに死んだ。だから、彼の利用価値は終わった。むしろ彼が行った約束を公にすることで、日本に釘を刺してやれ。そう思ったのでしょう。
でもね、よく考えたら、日本は三権分立の立憲国家ですから、内閣(行政府)が勝手に外国と「約束」を結び、それで行政府を動かすことはできないんですよ。だから、いくら後藤田が約束したからといって、それが国会で公にされ承認されない限り、日本の行政府を縛る理由にはならないことくらい、中学生レベルの社会科の知識でわかるわけです。つまり、後藤田は日本の政治システムを無視した馬鹿者である、で終わり。
今、キャンプ・シュワブに移転するというヘリポート問題。これも、日本政府とアメリカ政府が合意はしたものの、実現するかどうかは、結局国会で予算審議が通らないと実現できませんでしょ。それと同じことなんですね。
で、今までのシナ共産党政府の連中は、もっと賢かった。自分たちの国は三権分立ではない一党独裁国家であること、そしてそれが日本をはじめとする諸外国とは違うことをよく知っていたんですよ、きっと。だから、後藤田に「約束」させた後も、決してシナ共産党政府側からこの事実を公表してこなかったんですね。もし公表すれば、後藤田の政治生命は終わりだし、またそういう「工作」が明るみに出ると、対シナ共産党政府強硬論が吹き上がるのは目に見えているわけです。だからこそ、後藤田との「約束」を双方で内密にし、約束の内容が規定路線になるように政府を動かしてきた、というわけなんです。私が、シナ共産党政府の対日工作担当者なら、この程度のシナリオは書きます。
ところが、今のシナ共産党政府はその余裕が全くない。それほどまでに追い詰められているんですね、彼らは。シナでは、民衆の蜂起が各地で発生しています。本来、共産主義というのは財産の共有と公平な分配が基礎のはずです。しかし、都市部では私有財産が認められ、財産の共有と公平な分配が嘘であることが露呈してしまったわけです。つまり、共産主義はすでに崩壊している。ならば、民主化して野党を作って、民衆の不満を吸収する政治勢力を作れば良いのですが、それはできない。彼らは、民衆を弾圧し、ひどい言葉で言えば殺戮してきたわけです。だから、野党(というか対立政党)が存在すれば、間違いなくその対立政党に政権が移り、自分たちの罪を問われることになるからでしょう。だから、是が非でも民衆を抑え込まなければならないわけです。
そのためなら、民衆を抑え込むためなら、使えるものは何でも使う。いや、使ってしまうと逆に自らの首を絞めるようなことでも、使ってしまう。この後藤田との「約束」は、決して公表してはならないカードだったんです。もし、周恩来訒小平だったら、今の状況では「後藤田との約束」は「使えないカード」として、捨てていたと思います。しかし、今のシナ共産党政府の指導者は、切ってはいけないカードを切ってしまったのです。今の指導者は、すでにシナ共産党政府の教育の下で育った世代。つまり、自国以外のことをほとんど知らない連中なんですね。だから、日本がシナ共産党政府とは異なる政治体制であることを知らずに、後藤田の「約束」というカードを切ってしまったのですね。どこをどう解釈しても、日本政府や日本国民の行動に掣肘を加えるものではないし、増してやシナ共産党政府が日本政府の要人に対してまで工作活動を行っていた、という闇の事実まで明らかになってしまったわけです。
さて、これが後藤田の「約束」報道に関する私の見解。で、件のオジサマの御シンパの方々には、恐らく「暴言」(「妄言」じゃないのが残念w)なのだろうと思いますが、もし暴言でないとするならば、後藤田の「約束」がどういう法的理由において、日本政府および日本国民の行動を制約するものになるかを説明して頂きたいと思います。
さて、その御シンパの方のPANDA氏の発言は、見事すぎました。曰く、

他の諸外国は積極的に賛同している訳ではありませんよ。当事国ではないからただ、波風をたてないように息を潜めて見守っているのでしょうが、内心は軽蔑していますよ。あのブッシュ政権ですらそうですから。

公式に参拝している国とその代表者は、内心軽蔑しているとのこと。ブッシュ政権もそうだ、とされているのですが、ブッシュ政権が軽蔑している、ということを示す情報源を私は見たい、知りたい。と思っていたら、案の定「名無しさん」氏がすかさず、次のように述べておられました。

靖国参拝を公式に行っている国が、実は内心軽蔑しているんだ、なんていうのは、公式に参拝した国やその代表者を「面従腹背」と罵っているようなもので、非常に失礼な話だと思いますわ。
例えば、PANDAさんが知り合い一家のお墓にお参りしたときに、その一家の方々から「PANDAさんは、内心は私たちの先祖を軽蔑してるのよ。でも、ウチはお金持ち出し、ウチと波風を立てるのはPANDAさんにとって得じゃないから、こうしてお参りしているのよ。PANDAさんは面従腹背なの」なんて言われたら、悲しくありませんこと?

うん、正鵠を得ていると思います。
自分たちの正しさを示そうとして、他者を持ち出して「実は彼らは敬意を払っていない」なんて言う。それが実は、参拝した国やその代表者のことを罵倒していることに気が付かないところが、素晴らしいですね。
さらに最後に登場したPetter氏も良いコメントでした。

katchanのブログはいい点に目を向けておられ、shojisato の感想も納得です。Pandaの見解は厳しくとも立派!名無しさん、あなたは性別も文章内容も玉石混交で、なんとか美辞麗句を並ばせて博識ぶりを披露しようと努力されているのは良く理解出来ましたが、肝心のインテリジェンスに欠けており、国際的な常識の目から大きく逸脱していると感じました。欧米のどこかに留学されて、国際政治学を勉強されたらいかがでしょうか。きっと将来のためになると思いますよ。

具体的にどこがどう「大きく逸脱している」のか、というご指摘がないのが面白いですね。これも、お隣の半島のお国の「妄言!」というスタンスによく似てますw。確か、国際政治の常識から考えると、他国の宗教観には口出ししないことが、大原則だったような気がします。アメリカもイラクを攻撃したけど、イスラム教を攻撃したわけじゃないし。今、フランスで起きている移民(によると思われる)暴動も、フランスにおける移民政策はフランスへの「同化」を要求する面があって、それに対する反感も混じっているんじゃないかと、私は考えています。日本国民の相当数が信仰する宗教に対し、他国がその宗教観に口を挟む行為は、国際政治の常識に反していると私は思うけどなぁ。だから、シナ共産党政府と南北朝鮮以外のどの国も、国際社会の常識として靖国神社に対して基本的に何も言わないし、また理解ある国は参拝下さっていると(もちろん、靖国に公式に参拝する方々の多くは、各国の軍人および軍関係者が多いのですけど。それはそれで、武人同士敬意を持ち合うということでは意味があると思います)。常識っていうのは、なかなか定義は難しいんですが、一般的により多くに受け入れられている考え方、を常識と定義すると、やっぱりおかしいのはシナ共産党政府と南北朝鮮になると思うんですが。つまり、シナ共産党政府や南北朝鮮の言うがままに、靖国参拝を見合わせるという考え方の方が、国際的には非常識であると。
もう弄るつもりはなかったんですが、阪神優勝関連のエントリにTBを寄越されて以来、ついつい電波浴として見てしまっていて、もう弄らずにはいられなくなってしまいました。ごめんね、オジサマ。もうしないから許してw。