良好な日シ関係は、アジア諸国は望んでいないかも知れない

ちと、年頭ということで、一つ長文をば。
まず、このニュースを。
「ダムで干上がるメコン 中国乱造、下流は悲鳴」
http://www.sankei.co.jp/news/060108/kok025.htm

バンコク=岩田智雄】中国南部のメコン川上流に建設されている水力発電用ダムが、川の水位を低下させ、下流国での漁業や船舶の航行に深刻な影響を与えている。カンボジアでは東南アジア最大のトンレサップ湖の漁獲高が激減した。タイでは、中国との間を航行する貨物船が水位低下のために運航できない事態が発生し、上流での一方的な開発に反発が強まっている。

詳細はリンク先でお読み下さい。シナ共産党政府は、実際のところ、少なくとも周辺アジア諸国にとっては害悪国家なのですが、どうもそういう認識が日本には薄い。いや、少なくともマスコミには、そういう意識を持っている人はほとんど登場しませんね。産経新聞週刊新潮くらいでしょうか。こんなところにも、日中記者交換協定の影響が現れてるのだと言えるでしょう。
さて、このニュースはとりあえず枕。
昨年末、東アジア共同体構想をシナ共産党政府が立ち上げ、それに印豪を参加させた日本によって、シナ共産党政府が屈した、というニュースがありました。何故か日本の主要マスコミでは、これを「小泉首相靖国参拝が原因で日シ関係が悪化したため」、東アジア共同体構想は全然前進しなかった、と言っているわけですが。
無論、正しい解釈は前者なのですが、これは実は日本だけの独自の戦略ではないのではないか、と考えております。
年末年始、実家に帰省したのですが、今年は寒波が厳しく、実家の近所のゴルフ場が降雪クローズのため、時間を持て余してしまいました。で、父と時事ネタであれこれ話をしているときに、ふと思い付いたことでありまして。
シナ共産党政府は、ご存知のように年率二桁の成長率でもって軍事費を伸ばしています。当然のことながら、シナ共産党政府の実行支配地域と境を接する国は、脅威を感じていることでしょう。ことさら、脅威である、とも言わないのは、シナ共産党政府がとんでもないヤクザ政府であることを、特に東南アジア諸国は知っているからです。かつては、ベトナムに「懲庸」と言って攻め込んだことがあります。最近では、米軍がフィリピンから徹底した途端に、フィリピン領の島々を掠め取ったこともある。また、一秒たりとも領有したことがない台湾を「固有の領土」とし、「再統一」のためには武力攻撃も辞さない、という政府です。下手に刺激すれば「お仕置き」されかねませんし、インドを除けば、マンパワーの面で勝てるわけがありません。だから、脅威に感じても取り合えず、黙っておく。それが特亜以外のアジア諸国のシナ共産党政府への対応と言えます。
そんな中、シナ共産党政府が「東アジア共同体」なんかを言い始めた。
「おいおい、勘弁してくれよ」というのが、ASEAN諸国の本音。そもそも、ASEAN結成の意図が対共産主義だった側面もあるわけですから。
で、とりあえず日本がインド(東アジアじゃない。民主主義国家)とオーストラリア(東アジアじゃない。白人至上主義者がウヨウヨ)を招き入れて、シナ共産党政府の意図を挫いたわけですね。
で、最後の小泉首相の「ペンお借りします」パフォーマンスの際の、周囲の笑顔は、あのパフォーマンスだけじゃなく「とりあえず、会議が進展しなくてよかった」という笑みでもあったのではないかと思います。
もし、日本とシナ共産党政府との関係が良好だと、シナ人民解放軍の矛先は、日本に向かなくなります。となると、矛先の向かう先は、西と南になるわけです。アジア諸国は、これが一番怖い。
さて、そのシナ共産党政府は朝鮮半島二カ国を従え、声を大にして「靖国参拝批判」を行います。曰く、A級戦犯を祀るのはおかしい、と。しかし、ASEAN諸国は一切これに同意しません。何故か。タイは、第二次大戦中は同盟国ですし、そもそも日本では戦犯に相当する人物を、即時釈放して首相に再起用。連合国から領土を掠め取られることを防いだ国です。他の東南アジア諸国にとっては、日本は独立の恩人でもある。少なくとも、白人支配を終了させたという事実は消すことは出来ない。だから、靖国参拝を批判もしませんし、公式に参拝している国の方が圧倒的に多い。シナ共産党政府や南朝鮮政府の「靖国批判」に全く呼応しないのは、死者の墓を暴くような野蛮人と一緒にするな、というASEAN他のアジア諸国の意思の表れでもあるわけです。
で、靖国参拝を批判しない、というASEAN他、アジア諸国の声なき声は、一体何を望んでいるのでしょうか。
実は、日本とシナ共産党政府の関係、特に政治的な関係が、ほどほどに悪いことを望んでいるのではないでしょうか。
シナ共産党政府が、日本をどうにかして抑え込もうと、靖国だの何だのでゴチャゴチャ言う。これを日本政府がノラリクラリと交わしていく。シナ共産党政府がさらに歯がゆくなって、もっと日本に拘泥していく。そのうち、シナ共産党政府が世界から奇異の目で見られ、やがて自壊してくれる。それを期待しているのではないでしょうか。自壊までは言い過ぎとしても、日本との関係が政治的にも良好になれば、次のターゲットにされてしまいます。かといって、日本が圧倒的に強い立場になって、シナ共産党政府が「日本をあきらめる」ようなことになっても、これはこれで困る。今のように、日本がアメリカと同盟を組みつつ、日米があまりに強く出すぎず、かといって、言いなりになるでもなく、シナ共産党政府をあしらうような状況を維持してくれるのが、実はASEAN諸国が望んでいることではないかと思います。
そういう点で言えば、今の日本外交は結構やるもんだ、と思います。日本にいるシナご贔屓の政治家・知識人にも割合フリーに発言させ、常にシナ共産党政府の関心を日本に向けさせている。その分、ASEAN諸国は息が付けるわけですからね。
無論、こんな話は外交上表面化しませんでしょう。ですから、新聞報道されることもないと思います。
ただね、あと10年か20年くらい先に、確実に起きていると私は断言しますが、シナ共産党政府が崩壊したときには、こういう外交を日本は実はやっていた、なんてことが出てくるんじゃないかと思っている次第です。
そのときついでに、小泉政権がさりげなく、チベットやウィグルの独立派に資金援助とかしてましたよ、とかになると、なかなかやるもんだ、と思ってますけどね。