中曽根の配慮は裏切られたまま

ご存知のように、日本国首相の靖国参拝が中止されたのは、中曽根首相以来なんですね。それまでは、全く問題視されてもいませんでした。で、中曽根氏の説明は、シナ共産党政府で当時指導的立場にあった胡耀邦氏の政治的苦境を救うため、と言っていました。その胡耀邦氏と続けてシナの民主化を図ろうとしたのが、趙紫陽氏。しかし、趙紫陽氏は天安門事件で解任されてしまいます。その趙氏が亡くなって一年だそうです。
趙紫陽氏、消えた再評価 17日1周忌 江沢民氏ら強く反対」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/15int001.htm

北京=伊藤正】一九八九年の天安門事件で解任された中国共産党趙紫陽・元総書記が死去して十七日で一年。この間、昨年十一月には、趙氏の前任者で、その死が天安門事件に先立つ民主化運動の口火になった胡耀邦氏の名誉回復が図られ、趙氏や天安門事件の再評価への期待が生まれたが、江沢民国家主席らの反対で、再評価への動きは消えた。
関係者によると、趙紫陽氏の一周忌には、北京市内の自宅に親族と一部の関係者だけが集まり、追悼する予定だ。死去直後には、遺体を安置した自宅への弔問が外国人を含め可能だったが、今回は警備当局が一般人の訪問は阻止する方針。今月八日には、私的な追悼会を計画した数人が身柄を拘束された。

胡錦濤国家主席は、趙氏の葬儀の後しばらくして、胡耀邦元総書記の生誕九十周年記念大会開催を提起した。八九年四月の追悼大会以来、初の胡氏に関する公式行事で、趙氏以上に民主化や政治改革に熱心で、国民の人気の高い胡耀邦氏の名誉回復が狙いだった。
 これが天安門事件の見直しにつながる動きとして注目されたのは、八七年に学生デモへの対応を理由に解任された胡氏の急死で始まった学生デモに、趙紫陽氏が同情し長老らと対立、事件に至った経緯から、胡、趙両氏への評価は切り離せない関係にあったからだ。
 中国筋によると、この動きには、天安門事件の再評価を警戒する江沢民氏らの強い反対があったという。九十周年記念集会は昨年十一月に北京の人民大会堂で行われ、曽慶紅政治局常務委員が胡氏の業績をたたえ、名誉回復を図ったが、当初計画より大幅に規模を縮小、胡主席も外遊中で出席しなかった。

結局、中曽根氏の(無意味な)配慮は、シナ共産党政府に全く通じることもなく、逆に妙な「言質」となって今日まで存在しているということなんですね。
んで、もう一つわかるのは、やはりシナ共産党政府も歴代の王朝と同じで「正史主義」が蔓延っている、ということ。江沢民が反対したから、ということになっていますが、これはどういうことかというと、江沢民を否定すれば、江沢民に選ばれたコキントーの正当性がない、ということになっちゃうからなんですね。シナ共産党政府は常に前任者のやった「業績」に縛られるわけですし、逆にその業績を否定しようとすると、その事実自体を抹殺するしかない。つまり、今、駐日大使の王氏のように「嘘」を吐いても屁でもないような顔をしてなくちゃならんわけです。
シナ共産党政府ってそういう国だってことなんですが、産経ですら、この程度の記述。ましてや日中記者交換協定に応じているマスコミ各社に期待できようはずもありませんね。