実はお家騒動なんじゃないですか?

基本的にここまでの小泉政権の基本スタンスには大筋で賛成してきましたが、これだけは賛成できません。当事者である皇族のご意見こそ、尊重されるべきでありましょう。
皇室典範改正に意欲 首相、施政方針で表明へ」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/19pol002.htm

小泉純一郎首相が、二十日の施政方針演説で、今国会での皇室典範改正に強い意欲を表明することが十八日、分かった。演説は十九日の臨時閣議で決定する予定だが、自民党内では「皇室典範に関する有識者会議」で女系天皇容認を打ち出したことなどへの反発が根強く、今後の政局の火だねとなりそうだ。

少なくとも、昭和天皇の弟宮のご家族(もちろん皇族であられる)は、「有識者会議」の結論に反対されているとのことです。
「女性・女系天皇三笠宮家も憂慮」 寛仁さま、雑誌でご発言」
http://www.sankei.co.jp/news/060119/sha035.htm
その中の「寛仁さま ご発言の要旨」を。

もしも、この平成の御代で歴史を変える覚悟を日本国民が持つならば、慎重の上にも慎重をなる審議の上行っていただきたい。失礼な言い方ですが、郵政民営化や財政改革などといった政治問題をはるかに超えた重要な問題だと思っています。
典範問題は単純な政治問題ではなく、日本国の歴史が変わるか否かという大事と理解しています。遠慮なく皆さんの前でも発言するべしと現在は思っていますが、ひとたび法案が国会にかかってしまえば、皇族は政治的発言を封じられてしまっているわけですから、私は何も話せません。
これは絶対にありえないと私は思いますが、いろいろな人に聞くと、「これは陛下のご意思である」と言っている人がいるそうですね。陛下のお立場でああせよ、こうせよとおっしゃるわけがない。(女系だとか長子優先だとか)具体的におっしゃるわけがないということは声を大にして言っておきたい。
本当は私が発言するよりも皇族の長老である父に口火を切ってもらいたかったわけです。母の話では、父は宮内庁次長を呼んで、あまり拙速な動きについてクレームをつけているということでした。これは去年の十月くらいの話です。それから「お袋は女帝・女系になったら大変なことになること、わかっているの」と聞いたら、「もちろん大変なこと」だと言っていました。その後、父が年末に来たときに、「いいことを言ってくれたね」と、一言いって、さらに「八人の女帝」(高木きよ子著)という単行本を「読んでおいてほしい」と持ってきて、それから月刊「文芸春秋」一月号に工藤美代子さんがお書きになった論文を、「私の意見はこれと同じである」と、娘の分までコピーして持ってきてくれました。三笠宮一族は、同じ考え方であるといえると思います。
本来、われわれ皇族は黙っていないといけないということだと思いますが、にもかかわらず私がこういうインタビューに応じたり、かなり積極的に発言したりしているのは国家の未曾有の大事件と思うので、あえて火中のクリを拾いに行っているようなきらいがあります。
やはり民主主義なるものは「民」が「主」と書くわけですから、国民一人ひとりがしっかりした、確固たる意見をもって、それが大多数を形成して議会政治として実を結ぶことが原点だろうと思います。ところが、あまりにも今、皇室、あるいは皇室典範に関する情報というものが、皆さんお分かりになっていなくて、女帝と女系の違いも分かっていないような方々が多い。
皆さんが考えに考え抜かれたうえで結論がAになろうがBになろうが、われわれはそれに反対する理由はありませんが、もし情報がゼロの中で○か×がとかやられたらたまりません。この記事はできるだけ広く読まれて欲しいし、真剣に(日本会議の)メンバーの皆さん方が考えてくださって、また周りの方々に広めて運動体にしていただいて、本当の世論を形成していただきたい。

さて、ここで怪しくなってくるのは、宮内庁の役人衆ですね。
ちょっと平たく考えてみます。有識者会議だの、女系容認だの、ちょっと小難しいキーワードが並んでいるので、わかりにくいんですけれど、一つのお家騒動としてみると案外見えてくることがあります。
まず、女系容認という点で私たちは目くらましをされていますが、この「女系容認」は明らかに愛子様天皇に、というお話ですよね。現典範では、皇太子殿下の次の皇位継承者は秋篠宮様です。でも「長子優先」「女系容認」という話になると、明らかに「秋篠宮外し」「他宮家外し」ということなんですね。
つまり、宮内庁の役人や有識者会議が寛仁さま(および三笠宮家、あるいは旧皇族の竹田家)の発言を忌み嫌っているのは、少なくともこの連中の意図が「東宮血統による皇統の独占」にある、ということなんじゃないでしょうか。
あまり皇室内のことを邪推したくはないのですが、雅子様はいろいろご病気を抱えておられる。その件に関連して、昨年だったか一昨年だったか、皇太子殿下が宮内庁の役人衆を公式に叱責されたこともありました。それに対し、秋篠宮様は皇太子殿下を批判するようなご発言をされていたと記憶しています。
ちょっと妙じゃないですか?
普通に考えれば、東宮家外し、秋篠宮家優遇、になって良さそうな話です。しかし、有識者会議が「女系容認」を打ち出し、宮内庁の役人が皇族のご発言を無視するような、この状況。
何か、怪しい。
実は、宮内庁はもともと秋篠宮家外しを狙っている。で、雅子様のご病気が皇居内に原因があることも事実。そこに、皇太子殿下が宮内庁を批判された。秋篠宮様は、宮内庁を味方にする好機と思われて、皇太子殿下をやや批判されるようなことを仰った。しかし、これでもまだ宮内庁秋篠宮家外しを画策しているということなんじゃないでしょうか。
そもそも、こういう「お家」の話を誤魔化すために、宮内庁なのか皇室の意図なのかはわかりませんが、話を大きくして議論させているのかも知れません。
ということは、ますますこのお話は、皇室内でご解決頂く話です。こんな「お家騒動」を国民に解決させないで下さい、ということです。天皇陛下のご一存で決めて頂いて結構だと思います。陛下がお示しになった決断が、著しく国民の負担を大きくするようなもの(例えば宮家を新たに100家近く作るだとか)でない限り、それが一番、国民の理解が得られるものになると思います。そもそも、陛下の普段のご発言を考えれば、陛下がそんなご無体なことを仰るとは思えませんしね。それに上記の引用を考えると、天皇陛下の叔父上に当たられる方が、女系継承に反対されていますから。