次期会長は立派な方ですな

奥田氏時代よりも期待が持てそうです。
「「倫理なき経済は破滅」 経団連次期会長が会見」
http://www.sankei.co.jp/news/060123/kei078.htm

5月に日本経団連の次期会長への就任が内定している御手洗冨士夫(みたらい・ふじお)副会長(キヤノン社長)が23日、内定後初めて記者会見し、証券取引法違反容疑で強制捜査を受けたライブドアについて「倫理なき自由経済は破滅に向かう。企業倫理をそれぞれの会社に構築してもらうように繰り返し訴える」と述べ、会長就任後に企業倫理確立に取り組む意向を示した。
 御手洗氏は「一定程度は個人や企業で不祥事が起こるものだ。現実問題ではゼロにするのは不可能と思うが」としながらも、「自由主義経済では倫理観が非常に大事だ」と強調した。

これまで経団連の会長と言えば、いわゆる「重厚長大」産業のトップが座る指定席のようなものでした。キャノンは確かに高収益企業ですが、トヨタに比べれば非常に小さな会社ですし、ましてや重厚長大産業の対極に位置する会社です。ちょっと古い記事ですが、こういうのを見つけました。
愛国心なき経済改革は失敗する 御手洗冨士夫(キャノン社長)」
http://www.globetown.net/~otsboo/photo1/can03612.html

「これまでの日本であれば、財政支出を増やして景気を回復することができた。しかし今は、たとえ財政支出を増やしてもそれは中国に工場が建ち、中国の人々の雇用を増やす構造になってしまっている。」

日本企業は中国へは、強いられて出て行ったのではない。「生き残りを懸け、あるいは事業の拡大を期して、自ら中国という国を選んだ。現在、日系現地法人は四千四百社、出資日本企業は二千四百社を越えている。」

安い労賃を求めて東南アジアを渡り歩いている、この流浪の民のようなやり方を、御手洗氏は「焼き畑農業経営」と呼んでいる。これでは日本は空洞化する。我々は定住を模索しなければならない。どうしたらいいか。

中国の工場はどうするかといえば、中国で作って中国で売る道を歩ませる。これまで、中国には一千億円以上を投資してきた。」

このあたりが、単純にコスト削減のためにシナ大陸に進出した企業と違うところかも知れません。
ですので、上記産経の記事の最後に、御手洗氏は次のように述べています。

日中、日韓関係の悪化など小泉内閣アジア外交については「必ずしも失敗ではない。長期的にはもめ事があることはよくある。民間の経済、文化交流を活発にする」として、民間交流推進で冷え込んだ関係を打開するきっかけにしたいとの考えを示した。

これは、実はシナ大陸に向けたメッセージとも言えます。つまり、経済活動に基本的に政治が介入するな、ということなんでしょう。まあ、実はこうした「政冷経熱」の風潮が続くことは、シナ共産党政府にとって一番恐ろしいのでしょう。だから、彼らは靖国という一番自分たちに実害のないところを政治問題にして、経済を人質にしようと思っているわけですね。
御手洗氏の考え方が、きちんと経営者に広がってくれることを期待したいものです。