ここまでわかってんのにねぇ

こんなエントリを見つけました。
「永田町、宮内庁にばら撒かれる女系天皇推進のパンフレット」(「日本大好き、好きです早稲田日記」さま)
http://plaza.rakuten.co.jp/goaheadgo/diary/200601310001/

通常国会開会に合わせて、永田町と宮内庁、官邸周辺に女性・女系天皇推進の小冊子がばら撒かれている。
 これが男女平等論やら、開かれた皇室論というのなら、それこそ「どうということはない」代物なのだが、名だたる大学教授の筆になるものだけに、保守系議員の中でも動揺が広がっている。
 冊子は「女帝・女系反対論に対する批判と私見 原則有識者会議報告に賛同し、政府案に要望す」と題されており、発行元は大阪の国民会館である。
 その贈呈文の一節にこうある。
 「永年、古事記日本書紀などの古典を研究され、日本の歴史研究の第一人者として評価の高い皇學館大学名誉教授の田中卓博士が、皇室の歴史、伝統からみて現状においては、男帝・男系にこだわらず、女帝・女系の容認こそ皇統護持のため必要であると、具体的な実例を挙げて明快に論じておられます」と、社団法人国民会館館長たる武藤治太氏の弁。
 執筆者は皇學館大学の学長を勤めたこともあり、神社界、歴史学会に一定の影響力を持つ田中卓氏だ。
 いちいち内容についてはここでは述べないが、目次の中から気になるところを挙げておく。
二 皇室の祖神、天照大神は女神
四 側室制度の廃止を決断されたのは、昭和天皇
五 男子を生まない女性は、皇太子妃の資格なしというのか
七 初めに結論(女帝)ありきが何故悪い
八 女帝は歴史上存在し、大宝令でも認めている
九 有識者会議を素人呼ばわりするのは失礼ではないか
十 皇族の御意見をというのなら、第一に天皇陛下の御叡慮こそを
十五 神武天皇以降の後胤の男系は数え切れず、中には反逆者もいた
十六 国家の最高祭祀(神宮)の祭主にも男女あり
十八 古代・上代における女帝・皇后の御活躍
二十 後醍醐天皇の御精神を仰ぐ
 となっている。
 一言で言ってしまえば、古代史・国史を知らない者が、知ったふりして「男系」だ「宮家復活」だというんじゃねえ、と啖呵をきって開き直り、改悪反対派を頑迷固陋の守旧派として糾弾する文書である。

この内容に対する反論は、リンク先でもされておりますので、私が重ねることはいたしません。ただ、この辺りを理由に挙げて、女系天皇で何が悪い、というのは、歴史研究の第一人者とは思えません。まあ、私のような「逆説の日本史」(井沢元彦著)ファンだと、歴史学者というものは胡散臭い、と思っていますのでね。
で、この田中某という歴史学者は「二 皇室の祖神、天照大神は女神」を女系天皇容認の理由にしているんですけど、これでよく歴史研究者が勤まるものだと思います。井沢氏は著作の中で、「日本の歴史学界は、宗教的側面を全然理解していないし、宗教的側面を排除することが科学的な態度だと思っている」という意味のことをよく書いています。この田中某という歴史学者もまさにその典型。女系で始まった家系が何故、3代目以降男系継承なのかを考えたことがない証拠です。天照大神が女神であったことを女系継承容認の理由にするなら、古代・上代に女帝や皇后が活躍されるほど「男尊女卑」じゃなかった当時でも、何故女系天皇は一度も出なかったんでしょうかね。その疑問に答えが出ません。自分で「古代・上代における女帝・皇后の御活躍」と書いてるんだから。
拙日記で、昨日も書いたし、去年の10.28にも書いた「女性・女系天皇は、天皇家の始祖の証」という説が、男系継承の決め手だということには、自信があります。しかも、この田中某という歴史学者が「天照大神は女神」を持ち出しながら、その本質を見抜けなかったことで、より確信を深めましたw。
まあ、女系賛成派の方々にもどんどん発言して欲しいと思います。サヨクと同じで、発言すればするほど、矛盾点が炙り出されて来ますので。