安倍さん、和気清麻呂になってみませんか

和気清麻呂と言えば、道鏡皇位簒奪計画を頓挫させた功績者の一人とされます。「逆説の日本史」ファンの私は、道鏡は「皇位簒奪」ではなく「帝位禅譲」を受ける側だった、という井沢説を支持しているのですが、それはともかく、清麻呂が宇佐八幡からご神託を持ち帰り、道鏡の即位を阻止したことは事実です。
それを踏まえて。
皇室典範改正 首相意欲/慎重論は拡大 安倍氏、板挟み」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/03pol002.htm

小泉純一郎首相が今国会成立を目指す女系天皇容認の皇室典範改正に対し、自民党では二日、各派総会などで「国論が分裂するのは避けたい」などの意見が相次ぎ、慎重論の拡大が鮮明になった。官邸サイドでも「党でよく議論を」と慎重な言い回しに終始する安倍晋三官房長官と、積極的な首相の間に改正問題が微妙な影を落としている。党内からは「国会提出を強行すれば政権が揺らぎかねない」(津島派幹部)との声さえ出始めた。

改革ファシズムだとは思いませんが、小泉首相は典範改正反対派に、郵政改革反対派が含まれていることが気に食わないのではないかと思います。ここまでの外交政策(特にシナ大陸に対して)や経済政策については概ね賛成しますし、先日の「悪平等を排す」という旨の発言は、私は支持します。しかし、この問題については、全く賛成できない。
ここで、一つの解決策を考えてみます。
今、閣僚の中で典範改正に反対・慎重な立場を明確にしている人は、安倍官房長官だけ。普段の言動から、麻生外相にもそんな感じは見受けられますが、具体的な発言はしていないように思います。そこで、安倍官房長官に提案したい。
官房長官を辞職してはいかがかと。
政府内の防波堤となる役でもあるかも知れません。しかし、この状況では首相が翻意するとも考えられません。また、マスコミもこの女系継承については明確に説明している様子はありません。
しかし、官房長官が辞職するということになれば、マスコミも問題を扱わないわけにはいきません。また、安倍氏が何故辞職したか、という点について、説明もすることになるわけですね。
確かに、上策とは自分でも思えません。政治問題にしてしまっている点は否めません。しかし、改正側が当事者である皇族の方々のご意見を一切無視し、皇室典範を政治の場で改正しようとする以上、その土俵から降りるわけにも参りますまい。
また、私は小泉内閣の支持率の半分くらいは、安倍官房長官に依存しているように思うのですね。つまり、辞職する、ということは、小泉内閣にとって大きな痛手になるわけですし、今、日和見している議員たちに与える影響は、大きいと思います。
清麻呂は、いわば処刑を覚悟の上で、宇佐八幡のご神託を持ち帰った。実際、彼は称徳女帝から名前も別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と改名させられた上に、島流しにもされました。しかし、彼は後に名誉回復され、桓武帝の下で重職を歴任しています。
安倍さん、ここは自らの進退をかけてもいいところだと思いますが、いかがでしょうか。