自分を批判されることは許さぬ新聞社

これは昨日の産経の社説です。
「【主張】新聞の特殊指定 言論選択の自由に不可欠」
http://www.sankei.co.jp/news/060315/morning/editoria.htm
結構すごいことを言っていますw。

特殊指定とは、学校教材用など特例を除き、同じ新聞なら地域や読者によって価格を変えて販売してはならないという規定である。
これが廃止されれば、新聞界は激烈な値引き競争の波に呑(の)まれ、結果的に山間部や離島など配達コストの高いところは宅配制度の恩恵から遠ざけられかねない。
一方で資本力のある新聞社による寡占が進み、民主主義社会の礎ともいえる多様な言論を選択する自由そのものが脅かされる恐れすらある。イエロージャーナリズムの台頭も予想されるであろう。

もうここだけでお腹一杯です。いくら普段は正論を言う産経も、こればかりはトチ狂っているとしか思えません。
特殊指定を外されても、地域で価格を変えなければいいだけの話じゃありませんか。それを社会的使命と感じてやればいいんですよ。競争になったら、価格を下げなくちゃ勝てない、と思うのがそもそもの間違いでしょう。コンビニのおにぎりは、同じ系列店なら概ね、日本各地都会も田舎も同じ価格でしょう。それと同じことです。
しかも、新聞の宅配こそが多様な言論の礎、と勝手に自称しているところもすごいw。なかなか言えたモンじゃありません。また、系列にスポーツ新聞やテレビ局という、どう考えてもイエロージャーナリズムを抱えておいて、その台頭を憂うってどういうことなんですかね。
私は本質的には宅配制度は反対なんです。宅配制度によって、新聞は基本的に市場原理から抜け出ている。そもそも新聞なんかどこも同じだと思っている人は、ネットに親しんでいない人にとっては、新聞を変更することすらないでしょうしね。かといって、田舎住まいをしていると、宅配されなければ新聞を買うことすらできないこともあり得ます。
だから、宅配制度は認めるとして、その代わり、新聞社に提案したいことがあります。
1日遅れで構わないから、毎日、全国紙5紙(読売、朝日、日経、毎日、産経)+地域の新聞社(拙宅のある滋賀県の場合なら、京都新聞)の社説の抜粋を配布しろとね。何なら、1週間ごとで1週間分をまとめたものでも結構です。
多様な言論の礎であることを自称するのであれば、その多様さを我々の前に、新聞協会として提示して下さっても構わないのではないかと思います。