予想通りの朝日の社説

あまりにも予想通りすぎて、ちょっと面白くないのですが。
竹島周辺調査 お互いに頭を冷やせ」
http://www.asahi.com/paper/editorial20060420.html
何故、お互い、なのかがよくわからんのです。というのも、この社説の中でこう書いている。

韓国もここ数年、同じような調査を続け、そのたびに日本は抗議した。この関係が逆になるだけではないのか。日本にも言い分があり、科学的な調査であることを理解してもらいたい。

つまり、頭を冷やすべきは南朝鮮の方だってことです。日本は、今回、国際的なルールに則っています。南朝鮮にも連絡している。なのに、お互いに、とはどういうことなんでしょうか。
そして、お決まりの台詞です。

一方で日本は、なぜ韓国があんなに反発するのか考えてみる必要もある。

で、朝日の社説子は次のように分析します。

1905年に日本は竹島島根県編入し、領土であることを内外に示した。だが、それは朝鮮半島を植民地化していく時期でもあった。
だから韓国の人たちは自然と、日本が竹島にからむ行動をとるとそういう被害の歴史につなげて見てしまいがちだ。それだけ心に深く根ざした問題なのだ。

はい、これダウト。
まず、1905年に日本が竹島編入したときは、まだ大韓帝国政府は独立していました。つまり、日本の管理下にはなかった。また、日露戦争朝鮮半島からロシアの影響力を排除する目的で戦った戦争でしたから、本来、大韓帝国がしっかりしてくれれば、日本としては併合する必要もなかった。ところが、肝心の大韓帝国は派閥争いでまともに国家として機能しない(そのように当時の米駐韓大使は本国に打電している)。そういう状況は、本来、列強としては付け入るスキになるはずなのですが、欧米列強の中で、朝鮮半島に利権を持とうという国が一つもなかったんですね。要するに、当時の旺盛な帝国主義の中にあっても、欧米が手をつけないほど、朝鮮半島経営は割が合わないと、列強は判断していたわけです。ところが、日本としては朝鮮半島が政治的にしっかりしていないと(それが例え、英国の管理下であっても構わない)、何のための日露戦争だったのか、という話になる。結局、日本が単独で朝鮮半島経営をすることになったのは、そういう背景があったんですけどね。
そもそも、南朝鮮竹島問題でこれだけ反発するのは、自分たちの領有について、国際社会における正当性がないことを理解しているからでしょう。
で、この後、社説子は靖国問題も絡めて、「棚上げ」論を主張しています。まあ、南朝鮮の時間稼ぎにお付き合いするのが、最善の策だとは私は思いませんがね。
で、最善の策は、キレイさっぱり、国際司法裁判所に決定してもらうことなんです。もともと、国際司法裁判所の決定が忠実に守られた例はない、とも聞きます。ですから、日本、南朝鮮のどちらに有利な判断となったとしても、これを両国が尊重し、遵守することができれば、国際司法裁判所の権威も上がるのです。これは、国際社会に対して、日本と南朝鮮ができる大きな貢献です。これぞ、災い転じて福となす、ではないかと思います。
また、朝日の社説は最後にこう書いているのですが、

北朝鮮の問題に限らず、東アジアの将来のために日韓は手を携えていかねばならない。

北朝鮮の問題」とは、拉致・核の問題のことでしょう。そのために、竹島南朝鮮に譲れとでも言いたげですね。ふざけているとしか思えません。
では、お口直しに、産経の社説をどうぞ。
「■【主張】竹島問題 挑発続けてきたのは誰か」
http://www.sankei.co.jp/news/060420/morning/editoria.htm

竹島問題でまた韓国が大騒ぎしている。海上保安庁が、日本の排他的経済水域EEZ)になっている周辺海域で予定している海底の水路調査に対し、韓国政府が「韓国の主権への挑発行為」などと非難し、「断固として対処」すると反発しているのだ。韓国マスコミは例によって「武力衝突も」などと刺激的な報道を続けている。
竹島問題での日本の基本的立場は「歴史的にも法的にも日本の固有の領土」というものだ。これに対し竹島を「独島」と言っている韓国は、同じように「独島は韓国固有の領土」と主張している。この対立は昨日今日のことではない。一九四五年に日本の敗戦で朝鮮半島が日本の統治から解放された後、一九五〇−六〇年代の国交正常化交渉時を含め今まで続いている。六五年の国交正常化でもケリがつかず、解決は棚上げされてきた。
しかし韓国は国交正常化前に、周辺海域にいわゆる「李承晩ライン」を一方的に設定して竹島を自国領として囲い込んだ。「李承晩ライン」撤廃後も武装警備隊を常駐させ、兵舎やレーダーサイト、ヘリポート、砲台などを設置し、近年は埠頭(ふとう)も建設して国民をしきりに往来させている。
島では官民挙げて各種行事がひんぱんに行われ、「独島切手」はもちろん、海軍艦艇にまで「独島」と命名し、島の上空には常時、空軍機を飛行させている。閣僚や国会議員の訪問もしょっちゅうで、島の環境汚染が話題になるほどである。
国際的な常識でいえば、領有権で対立している島に関する、一方の国のこうした遠慮なしのやり方こそが「挑発的」ではないだろうか。
韓国は半世紀にわたって島を実力支配しながら、駐韓日本大使が従来の日本の公式の立場を表明しただけで「妄言」などと猛烈に非難し、日本の教科書が日本の立場を記述するのも許せないという。盧武鉉大統領はこうした韓国の対応を「静かな外交」といい日本に対しては「国粋主義的傾向」と非難しているが、逆ではないのか。
島の領有権が確定していないため周辺海域のEEZも確定していないのが現実だ。領有権を主張しつつEEZの調整を図るのが外交的知恵である。まず韓国外交に冷静さを求めたい。