ほぼ予想通りの決着

「「竹島」で日韓合意 日本、海洋調査先送り」
http://www.sankei.co.jp/news/060423/sei003.htm

竹島近海で日本が計画中の海洋調査をめぐる日韓の対立は22日、日韓次官級会談で、(1)韓国が6月の国際会議で竹島周辺の海底地形の韓国名表記提案を行わない(2)日本は今回予定していた海洋調査を中止する(3)両国は日韓の排他的経済水域EEZ)境界画定協議を5月中にも再開する−の3点で合意した。2日間にわたった協議でぎりぎりの妥協が図られ、両国は危惧(きぐ)された海上での物理的な衝突の危機を回避した。

まあ、調査を実施していたら、間違いなく現場での衝突は避けられないところだったでしょう。ここで利害が一致したのは、現場での死傷者を出したくない日本政府と、拿捕などの強硬手段を取ることによって国際紛争扱いになってしまうことを恐れた南朝鮮外交通商部でしょう。
南朝鮮は、大統領府・海上警備部門・軍は、非常に勇ましかったわけですが、こういう紛争が起きた場合、実際に解決するのは外交部門の仕事です。日本、南朝鮮の両方の外交部門は、同じ官僚として無駄な仕事を増やしてくれるな、と思っていたことでしょう。まして、南朝鮮の外交部門としても、竹島問題が国際的な場で公に議論されると、非常に苦しい立場であることはわかっていたということでしょうね。南朝鮮の外交部門の担当者レベルには、まだ国際的な常識をある程度理解できる人間がいる、ということは今回分かりました。このラインを上手く使えるかが、今後の竹島問題解決の一つの糸口かも知れません。
で、日本側として強く出れないのは、どちらかと言えば、外交問題というよりも、国内問題だと私は思います。相手に遠慮とかではなく、人が「争いごと」で死傷することを日本人は極端に恐れる民族であることが、ここでも影響していると思います。これは日本人の考え方としては非常にリーズナブルですが、外国ではあまり常識として通用しない。警備隊、軍隊などの組織に対して、外国では、命を懸ける職業だという認識もあり、その分、敬意も受ける。しかし、日本では国民の側にそういう意識が希薄だと思います。海保、自衛隊に勤務されている方々は命を張っている、と思っておられることでしょう。しかし、それを「使役」する立場の国民は、そう思っていない。だから、自衛隊や海保の方々に死傷者が出たらどうするんだ、という話になるわけですね。外国なら、それはそのときに然るべき立場の人間が責任を取る、ということになっているだけなんですが。
しかし、今回の合意の3番目を引き出せたのはいいことかと思います。で、この交渉内容は逐一公開し、マスコミも大きく報道しなければなりません。日本と南朝鮮が、どのような主張をしているのかを、国民だけじゃなく、世界中に発信して、どっちに理があるのかを示すべきでしょう。
また、今回の一連の騒動で、日本が引き出せた大きなポイントがあります。
「日本の戦略の凄さ!・・・韓国に「海洋条約拒否宣言書」を提出させる事だった!! 」
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=teconomy&nid=2142511

韓国が「海洋条約拒否宣言書」を提出した事により日本は、
「国際海洋法」より拘束力のある「国際連合憲章」を持ち出す事が出来るようになった。
韓国は日本の策略にはまって、竹島紛争を「国際海洋法」より上の「国際連合憲章」のレベルに押し上げちゃったんだよ。

下手したら安保理付託というところまで来ているということなんですね。このエンコリの記事のように、日本の「戦略」なのか、それとも南朝鮮の「自爆」なのか、たまたま偶然なのかよくわかりませんが、こういうところをきちんと突いていくことが大事だと思います。