有能な大臣だが、宗教と憲法を知らぬとは

総理大臣の椅子が魅力的なのは分かるけどさ。
「「靖国無宗教・国立に」・麻生氏私案、神社側の判断前提」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060806AT3S0500P05082006.html

麻生太郎外相が8日にも公表する靖国問題の解決策を提言する私案が明らかになった。靖国神社が自主的に宗教法人を解散し、国が関与する特殊法人などに移行するのが柱。事実上、無宗教の国立追悼施設とするもので、名称から「神社」も外す。憲法政教分離原則に抵触せずに、天皇や首相が参拝しやすい環境を整える。A級戦犯分祀(ぶんし)にも道を開く狙いがある。

麻生さん、それじゃ祖父君がお嘆きになりますよ。
追悼や慰霊は、宗教的な行為です。ですから、「無宗教の国立追悼施設」は言葉の定義上、成立しません。「無宗教の国立顕彰施設」なら、まだ理解できますがね。つまり、「無宗教の国立追悼施設」は、この無能な日経記者が書いている「憲法政教分離原則に抵触せず」とは逆で、明らかに憲法20条に抵触するんです。
つまり、麻生さんの議論をするには、憲法改正を論じなければならない。憲法20条を削除するか、あるいは内容を変更するかでしょう。それを言うのなら、私は賛成はしないが、議論の姿勢は認めますよ。しかし、憲法論議をしないままで、やれ分祀しろだの、靖国に行くなだの、「無宗教の国立追悼施設」を作れだの、というのは、私の護憲精神が許しません。