教師が線を引かせりゃいいだけだろ

冥王星が惑星から除外されました。でも、冥王星が世の中から消えたわけでもないし、惑星であることが何かの格の高低を表すわけではありません。
惑星はPlanetの訳語として作られたものですが、訳語が見事にその本質を突いています。普通、夜空に見える星は、位置を季節によって変えますが、お互いの位置関係は変わりません。この位置関係が変わらないことに注目したのが、星座です。ところが、この星座の中を何か戸惑っているかのようにウロウロ動く星がある。それが惑星なのですね。惑星は、星座を構成する恒星に比べると、極端に近い位置にあり、かつ太陽の周りを公転しますから、このような「戸惑っているように動く星」になってしまうというわけです。
で、海王星までは何とかその辺の望遠鏡で見えますが、冥王星は専門的な天文観測装置がなければ見ることが出来ません。その意味でも、ほとんどの人にとっては「戸惑っているように動く星」として認識できないとも言えます。まあ、天王星海王星もそう簡単には見えるわけじゃないんですけどね。ですから、私個人としては、今回の冥王星を惑星とは呼ばない、ということには賛成です。
で、こんな議論が。
冥王星除外で「教科書、訂正必要か検討を」 文科相
http://www.sankei.co.jp/news/060825/sha075.htm

小坂憲次文部科学相は25日の記者会見で、国際天文学連合総会が太陽系の惑星から冥王星の除外を決めたことについて「教科書協会を通じ決定の事実関係を通知し、記述内容の訂正を必要とするかどうか検討してもらいたい」と述べ、教科書会社に理科教科書の惑星に関する記述内容の変更が必要か検討を求める考えを示した。
来春から使用する教科書に反映させるべきかについては言及しなかった。
小坂文科相は「『水金地火木土天海冥』と習ってきたので、変更は大変大きな出来事だ。国際的な基準が定まり、わが国の今後の教育に反映させることが必要」と強調。その上で「検定済み教科書は、客観的事情の変更などに伴って記載に誤りがあれば、発行者は文科相の承認を得て訂正を行わなければならない」と説明した。

アホか。次に印刷する教科書から冥王星を削ったら良いだけだろ。今の教科書は、教師が生徒に墨で線を引かせたら済むだけじゃねーか。何でそんなことを議論せにゃならんのかね。こういうのを聞くと、本当にアホだと思いますな。