清々しい気分になれましたよ

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昨日夜、放送されていた「時をかける少女」。確か、ずいぶん昔に原田知代が主演した映画があったと思うんですが、私は映画鑑賞は趣味じゃないもので、見てませんでした。昨日の放送分は、アニメです。
昨日の新聞で、放送されることは知っていたんですが、サッカーのアジア杯の日豪戦が入っているため、録画できなかったんですよ。私は、サッカー中継は民放の地上波を見ない主義で、録画機にBSチューナーが内蔵されちゃってたもので。しかも、私の敬愛するstonさんが、このように仰っていたもので、
「■[映画]「時をかける少女」(アニメ版)」
http://d.hatena.ne.jp/ston/20070502/p1

結論から言ってしまうとわしは「傑作」とまでは思わなかった。まあ「佳作」というところ。観ている間そこそこ楽しめるし、娯楽作品としてよくまとまっているとは思う。思うがそこまで

まあ、そこまで期待しないでいいし、つまらないと思ったら、全英OPとかツールとか見たらいいしなって思ってました。
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私も実は、筒井康隆氏の原作は読んだことがありませんし、上記に書いたように原田知代版の実写も見ていないので、私にとって「時をかける少女」は初モノということになるんですけどね。
ええ、正直言って、めっちゃ面白かったw。
いや、stonさんの言葉のマジックに騙されたw。傑作と思わないけど、佳作なんだよね。勝手に私の脳内で、「駄作」に変換されちゃってたんですよ。だから私自身が悪いわけ。
私は全然映画通じゃないので、映像の作りこみ、ストーリー展開の妙とかはよくわかりません。そもそもそういう観点で映画を見てませんし、見れません。2時間、テレビやスクリーンの前に私を引き付けたものなら、それは私にとっての「いい映画」になるんですが、そういう意味では久々に2時間、引き付けられました。サッカー日豪戦のPK戦をすっ飛ばすくらい、面白かったですよ。
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stonさんが評されていたこの部分。

イイ男と男受けする女(笑)が寄り添って、放課後にグラウンドを貸し切って野球遊び、あんなほとんど3人のためだけの世界なんてまったくリアリティが無いではないか

ここは確かにそんな気がするんだけれども、同じく

わしはこの物語は大人の記憶の中の「楽しい」学生時代を描いたのだと思う。学生時代が遠ざかり、記憶が薄れていくにしたがって、学生時代の思い出というのは親しい仲間との楽しかった思い出だけが抽出され強調されていく。だからこそあれだけ限定的な箱庭世界の話になってしまったのだろう。ある意味憧れる世界観ではあるのかもしれないが、この点がわしにとっては違和感にしかならなかった

って書かれてる。一晩明けて、stonさんの評を読むと、なるほどと説得力があります。でも、私はこの「違和感」は、すなわち「ノスタルジー」だと思うんです。この映画、そしてまだ読んでいないんだけれども原作も、この「時をかける少女」という作品の裏にあるものは、「ノスタルジー」なんじゃないかなと。stonさんが感じた「違和感」ってのは、私の場合、こういう風に考えてる。
私も、自分の学生時代、特に高校時代は楽しかった。熱中した部活があってインターハイまで行って、大した進学校でもなかったせいで成績が割合良い方で顔の割りには、モテた方だと思います。そして、校内では今風に言うとイケメンと呼ばれる男友達といつもつるんでて、私の彼女とこのイケメン友人と3人で学校ではいつも遊んでた。イケメン友人には、彼女がいたりしてたんですけどね。
だけど、私の記憶の中の私を含めた3人は、すでに美化されちゃっているのと、美化された以外の部分が削ぎ落とされちゃって、思い出して、他人に話しても、たぶん、伝わらないし、伝えられない。そこは、多分、今の自分が置かれた現実を是とする健康さなんであって、違和感を感じること自体が、ノスタルジーなんだろうな、と思うわけなんです。あれ? 自分でも何を書いてるのかわかんなくなってきたw
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しかし、ともかく、映像もキレイだったし、出てきた男子生徒の猫背気味なところとか、女子生徒が一様にペッタンコなところとかには、結構リアリティがあって面白かったですよ。それに、私は劇中のキャラクターに感情移入することよりも、自分の中にある「ノスタルジー」を呼び起こしてくれたという点で、評価したい映画だと思います。
2時間、カミサンとじっくり見て、とても清々しい気分になれました。そういう意味では、夏に年1回くらい、見てみたい映画かなと思いました。
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