週末雑感

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台風一過で、久々に青空を見ました。週末は、琵琶湖岸にあるカミサンの実家に遊びに行ってました。と言っても、毎週のように遊びに行ってるんですけどね。
で、日曜日にテレビを見てたら、「たかじん委員会」をやってました。昔はちょいちょい見てたんですが、今は見ない。誰も、田舎者の代弁をする人がいませんからね。聞いたって、意味がないですわ。だって、ここ(カミサンの実家界隈)にいる限りは、食いっぱぐれしませんからね。だって、金とも何も関係がなく、目の前で米と魚と野菜が取れるんですから。
ま、参院選、せいぜい頑張って欲しいところですね。もう、私は期日前投票済ませましたし。
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要するに、テレビやマスコミってのは、都会にしか用事のない仕事なんですよ。そもそも、田舎じゃだいたい無事平穏ですからな。何も起きないように努めるのが、田舎者の仕事の仕方ですよ。変革、変わらなくちゃ、改革。そんなもの、都会の人間の考えることです。田舎者は、ひたすら昨日と同じようにやっていく。相手は、お天道様ですからね。お天道様相手に、改革だ!と叫んだところで、お天道様は聞き入れてくれませんからね。お天道様のいない、空調のよく効いたスタジオで政治や社会問題を語ったところで、それが田舎者の役に立つわけがない。
選挙のたびに、一票の格差が問題になって、憲法に違反しないかが争われてますが、そんなこと問題にするくらいなら、田舎に住みゃいいんです。憲法が認める居住の自由ってのは、そういうことじゃないんですかね。普通科高校出て、大学に進学して、会社勤めしたり、公務員になったりする私たちは、実は社会に対して、その程度の価値しかないってことですよ。なくても良いモノを作ってる。だから、経営戦略だとか、販売戦略だとか、挙句には政府に対し経済政策何とかしろ、とか言うんですよ。どうしても必要なものだったら、黙ってたって需給の関係は成り立つはずです。今の世の中は、ある意味、無理やりモノを売ってるんですよ。悪いとは言わないけど、農林水産業という「飯の種」を作る商売の人と比較して、社会的な価値の上下で言えば、明らかじゃないですか。それが分からんのだったら、相当、重症だと思って下さい。
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だから、シナ産の食品問題なんでしょ。先に政治的な話から言うと、これほど実は民主党自民党を追い込めるネタもない。何故なら、輸入品に関する検疫というのは、行政の仕事じゃないですか。行政は、立法府の与党によって運営されるのが、議院内閣制でしょ。ってことは、本来、安全だって言っていたはずのシナ産食品から、これだけの不適格品が出てくるってのは、検疫担当の省庁(農水省なのか厚労省なのか知りませんが)の問題じゃないですか。片や事務所費、片や「産む機械」「年金」ですが、そんなことよりももっと重要な問題で、そこを追求する方がよっぽど票にもつながるはずでしょ。でも、民主党はやらない。日中友好なんでしょ、そこは。それが欺瞞だし、それをマスコミも政府の責任とも言わないし、野党に追及しろとも言わない。それはもっと欺瞞ですよ。安全性確保とかじゃないだろ。普通なら全面禁輸ですよ。だけど、誰もそこは言わない。何でかって言うと、そんだけシナの金で食ってる、議員やマスコミって多いんでしょ。私は性格が悪いから、そう考えます。
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じゃ、お前、シナ産のモノは食わんのか。誰が好き好んで食べんのさ。でもね、私は給与所得者ですし、いくら田舎住まいとは言え、食べるモノの半分以上は近所のスーパーや商店で買いますわ。そこで、原産地表示でシナと書いてないモノを買いますけど、それが嘘かも知れませんわな。それが嘘ならしゃあないな。本気でそう思ってますよ。もし騙されたなら、別に処罰しろとまでは言わないけど、二度とその商店には行かないだけ。都会人として暮らすことのリスクは、こういう生活をしている以上、仕方ないことなんです。だから、カミサンの実家から野菜だの食糧をもらうときは、大量にもらいますな。これなら、目の前のモノですからね。
で、こうしてシナ産だの外国産の食糧が山のようにあるんですけど、都会の人は、その分、田舎の人が食えなくなってしまったことを考えたことがあんのかと。私の父の郷里の集落は、島根県の山奥も山奥ですが、父が離れた頃と比べて、人口が1/3になってる。2軒に1軒は空家ですよ。父の実家が持っていた田んぼは、祖父が痴呆症で働けなくなってからの10年間、休耕田のままです。これを使えるようにするには、相当の手間と労力が必要でしょうな。実際、こういうところが増えてんでしょ。国産の食品は高い。だから、買わない。何だよ、それ。私なんか、牛肉が輸入自由化されて相当経ちますけど、拙宅も私の実家もカミサンの実家も、当たり前のように輸入牛肉なんか買いません。味も悪いってのもあるけど、何で国産品があるのに、わざわざ輸入肉なんだって思うからね。こうして、日本の農業をボロボロにしておいて、輸入食品危ない、どうしよう。バカじゃないんですかね。人件費安いから値段安いってのは、だいたい普通に考えて搾取じゃないですか。これでシナ大陸や南米が、日本への輸出で経済が上昇して、人件費が上がったらどうすんですかね。アフリカでも行きますか? そんな商売のどこに普遍性があるんだと言いたい。
別に輸入をゼロにしろって言ってるんじゃないんですよ。例えば、日本では手に入らないような食品とか、日本とは旬の季節が違う南半球で栽培するなんてのは、都会人の趣味から見ても合うと思うし、まだ理屈はわかりますよ。そういう形での輸入は、別に構わない。それで、外国と経済交流が出来るんなら、それはそれでいいことですよ。だけど、日本で普通に作れて、食べられるモノまで輸入ってどうなんですかね。カボチャとか生姜とか、椎茸とかさ。椎茸はともかく、カボチャとか生姜なんて、カミサンの実家の近所で作っとるわ。
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数年前は、天候不順でレタスとかキャベツとか、青野菜がすんごく値上がりしたことがあったでしょ。そのときだって、別にそれならレタスとかキャベツとか食べなかったらいいだけじゃないですか。お天道様には勝てないんだから。冬になれば白菜が出るから、もう少し辛抱やな。それですむ話じゃないですか。だけど、キャベツがそれなりの値段で必要だからって、当時はキャベツもレタスもシナから輸入したモノがスーパーに並んでましたな。
じゃ、何でこういうことを候補者も政党もマスコミも言わないの? 意地悪く言えば、シナの金が回ってるんだろうけど、都会人の方も問題ですな。説明が長いと、都会人は聞かないんだもん。本来、本当の都会人は、都会における唯一の自然の存在である、他人に対しては我慢できなくちゃダメなんじゃないですか。だけど、今の都会人は、他人の話を聞かない。長いとダメ。小泉さんは「ワンフレーズポリティクス」とか言って批判されてましたけど、長い言葉をきちんと要約して伝えられないのは、これまた都会人の代表者のマスコミでしょ。で、今のマスコミは、何かあったら「説明責任」だもんな。そんな責任、どこにも誰にもありません。説明した方が、誤解を受けないというメリットがあるだけのことで、責任なんかない。本来、説明が足りないと思ったら、その背景と真相を突き止める取材をするのがマスコミの仕事だったはずでしょ。それをしない。しかも、相手の言葉を正確に要約できない。できてないことは、「産む機械」発言がそうでした。あの会見を聞いた、タレントの眞鍋かをり嬢は「全部聞いたら、何が問題なのか。周りがおかしい」という意味の発言してましたな。彼女は確か、愛媛でしょ。田舎者なんですよ。だから、わかる。全部聞くし、発言の意図のいわゆる「行間を読む」ことができる。そういう気遣いができないと、田舎の世間じゃやってけない。都会は、田舎からあぶれた連中も多いでしょうからね。だから、行間を読まない。読まずに批判して金儲けするのがマスコミですからね。いい加減にしろ、と思いますよ。
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まあ、ホントに養老さんが言ってるみたいに、一年のうち、三ヶ月くらいは農業で「強制労働」させる参勤交代制が必要なんでしょうな。そうすりゃ、自分の食ってるものがどういう苦労の元で、自分の口まで入ってくるか、流石の都会人も理解できるでしょ。そうすりゃ、もうちょっと真面目に他人のこと、社会のことも考えるようになると思いますよ。まあ、だいたい、自分が食ってる牛肉、豚肉、鶏肉が、屠殺される現場を見たことがない人がほとんどでしょうからね。お前はどうなんだよ? 書いてる以上、見たことがあるに決まってるでしょ。しかも、鶏に至っては自分で絞めたことすらありますわ。それ見て、気分が悪くなるようなら、そういうものを食う資格はないと、私は思ってますからね。まあ、そういうの見て気分悪くなるような私だったら、今頃、菜食主義者になっていて、ダイエットとかで悩むこともなかったんでしょうけど。
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