エコロジーじゃねーかw

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いやね、私は普段、野菜をカミサンの実家からもらったり、あるいは地元の直売所で買うんですが(直売所では作った人の名前が書いてる。基本的に知り合いのを買う)、近江地方は農業の本場ってこともあって、野菜が旨い。で、今年は特にナスが旨いと思うのですよ。なんか、みずみずしさが今までにないというか。私は、漬物が苦手で、ナスの浅漬けも食べられないのですが(ナス好きの人は、漬物こそ最高と仰るのでしょうけどw)、焼ナスにしても、天ぷらにしても、煮物にしても、マーボーナスにしても、とにかく旨い。カミサンはもともとあまりナスが得意ではなかったのですが、今年は味が一際良いので、カミサンも満足。毎晩の食卓にナスが上っている次第です。今晩も多分、ナスが出るはず。
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それはさておき、こんなニュースだそうで。
「20代の暮らしぶり地味、貯蓄意欲は高め・日経調査」
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070821AT1C2100D21082007.html

車を買わず、酒もあまり飲まない。休日は自宅で過ごす。無駄な支出を嫌い、貯蓄意欲は高い――。日本経済新聞社が首都圏に住む20代の若者を対象に実施したアンケート調査の結果、予想以上に堅実でつましい暮らしぶりが浮き彫りになった。消費を喚起するにはかなり手ごわい相手といえそうだ。(詳細を22日付日本経済新聞日経MJに掲載)
調査は6月下旬から7月上旬、JR東京駅から30キロ圏内に住む20代、30代の男女(日経リサーチの消費者モニター)を対象にインターネットで実施。20代1207人、30代530人から回答を得た。
意識の大きな変化がみられたのは車への関心。乗用車を「持っている」人は20代で13.0%。2000年に質問紙に記入してもらう方法で実施した同様の調査では20代の所有率が23.6%だったのに比べ、10ポイント以上低下した。

これ、要するに若者を中心に「エコライフ」が流行してるんでしょ? 良いことじゃないですか。「JR東京駅から30キロ圏内に住む20代、30代」でしょ? 私も結婚するまで、19〜28歳の10年間、神戸と大阪という大都会に暮らしましたが、車、不要ですよ。移動はバイクか電車で十分でしょ。神戸だと坂の街だし、南北の交通手段がないので、まあ車が必要なのかも知れないけど、東京なんか絶対に要らないよね。私が大学に進学した年に、両親が仕事の都合で、広島から東京・中野に転居しましたが、都合5年間、車ナシで暮らしてましたよ。私も思うけど、要らないよ、東京で車なんか。っていうか、私が都知事だったら、環境問題も考えて、都内では白ナンバーは認めない。ま、そりゃ極端ですけどね。
確かに、私が20代を過ごした時代の前半は、バブル後期ですからね。テレビでは石田純一ダブル浅野(w)ですよ。よく考えたら、どっかしゃれたレストランで飯食って、車で女の子を家まで送るってシーンがよくあったような気がするんだけど、普通に飲酒運転じゃねーかw。それでも、レストランでは酒飲まんってか。
そもそも、東京という大都会におけるインフラ整備の原点は、公共交通機関の強化だと思うんですよ。特に環境問題華やかなこのご時世で、ガソリンも値上がりするし、税金も高い車を誰が持つかっての。むしろ、こういう生活が都会人が実践できる環境問題対応なわけで、私はいいことだと思いますよ。消費喚起には手ごわい、と言うけど、若者に何が必要なんですかね。
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まあ、車は買わず、はさておくとしても「酒もあまり飲まない。休日は自宅で過ごす。無駄な支出を嫌い、貯蓄意欲は高い」なんて、めちゃくちゃ理想的じゃないですか。特に、女性の結婚相手としては理想じゃないんですかね。私の場合、「酒」はNGですが、後はだいたい当てはまってますけどね。まあ、貯蓄意欲は高い、ってのは、これだけマスコミ報道で年金云々言われたら、そりゃ嫌でも貯蓄するって話ですよ。
私は、こういうニュースを聞くと、今の若者はむしろしっかりしてるし、戦後の日本が求めた道を究めたなあと思いますよ。ついでに言えば、ニートの問題だって同じことじゃないですか。養老孟司さんの「壁」シリーズのどれだったか忘れちゃいましたけど、「憧れのニート」って項があるんですよ。つまり、働かずに食えるというのが、戦後日本の理想だったんだろってこと。働けど働けど我が暮らし楽にならず、戦にも破れたのが、1945年8月までの日本でしょ。その目指した社会が実現したんだけど、働かずして食えるのが、自分じゃなくて、自分の子ってところだけが、ちょっと誤算だったんでしょ。東京という、当時は日本でほぼ一つの大都会を戦争で失ったから、とにかく東京は世界一の大都会にしてやる。そして、東京のコピーを地方にも作ろう。日本全国総都会化を目指してきた結果が、東京に関して言えば、あの鉄道網ですよ。たまに仕事で品川に行ったりしますけど、品川駅とか東京駅とか、一体、どうなってんだと思いますもの。で、東京は公共交通機関の発達世界一、と喜んでいたら、若者がその恩恵にどっぷり浸かってる。要するに、その果実を享受した人間が、自分じゃなくて若者でしたってのが、悔しいんでしょ。そういうところが、こうした記事には滲み出てるように思います。むしろ、自分たちがここまでやったんだから、こんなに環境に優しい暮らしができるようになったのだ、と大人たちが胸を張っていいところです。なのに、若者は消費しない。だから経済が冷え込む、なんて言ってるから、時代遅れだって言われちゃうんです。何でも経済、つまりカネで計るんじゃねーよってことです。
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マスコミにも、個性だの価値観だのの多様化を叫んでるなら、もっと尺度をたくさん持てよと言いたい。結局、マスコミは「経済効果」でしょ。阪神が優勝したら「経済効果」、オリンピックが東京で開催されたら「経済効果」。アホか。本当に阪神が好きなヤツとか、五輪が好きなヤツは、経済効果も何もねーよ。結局、最近流行の「国益」だって、結局、カネ換算でしょ。いい加減にしてくれって思います。私は、多弁だからこういうところでも書くし、田舎者なんだけど、東京の若者の気持ちはよく分かる。消費する力、つまりカネだけがオレたちを計る尺じゃねーだろっていう抵抗だと思いますよ。ある意味じゃ、理想的な都会人じゃありませんか。宵越しの金は持たない、なんてタンカ切っていた、江戸時代の職人みたいなもんですよ。そもそも、それが江戸から発展した東京のあるべき姿なんでしょ。だから、東京は多くの人を惹き付ける。
だからま、問題のあるニュースというよりは、いかに今の日本が素晴らしい国かってことを表しているんだと思うのですけどね。問題があるとすれば、若者にももうちょっと、自分の食うモノは、どこでどうやって作られ、運ばれて、自分の口に入るのかってことを考えるべきだってことでしょうな。いや、これは若者だけじゃなくて、大人も同じなんだけれどもね。
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