面白い企画ですな

産経の新聞週間企画「社説検証」。これは日中関係についての記述。
http://www.sankei.co.jp/news/041015/sei072.htm
http://www.sankei.co.jp/news/041015/sei073.htm
うまくまとまっていて面白いですな。やはり朝日の「中国万歳」ぶりには笑ってしまいます。私の側から産経や読売に対してツッコミどころはありません。大事なことは両紙ともきちんと書いてます。
産経「看過できないのは温首相が小泉純一郎首相の靖国神社参拝に関し、「日本の指導者が大局を重んじ、参拝しないよう求めてきた」と述べたことだ。昭和五十三年の日中平和友好条約第一条「内政に対する相互不干渉」を踏みにじるものだ。日本人の心の問題に外国の介入は許されない。」
読売「日本国内には、「靖国」をめぐり、ことさら中国に迎合する有力全国紙もある。こうした日本国内の状況が、中国に「靖国」問題が対日外交カードになる、と思わせる一因ともなっている。」
毎日がもっと変てこな意見を言ってるのかな、と思ってましたが、案外まともでした。ツッコミどころはこの程度か。
毎日「中国政府の「冷たい対応」は尖閣諸島問題のせいばかりではない。直接の原因が靖国神社参拝に絡む小泉純一郎首相の発言があったからだろう。 小泉首相は「おれなんか行かなくても日中友好はどんどん進んでいる」と述べたが、その認識は間違いだ。日中関係は経済の分野で太いパイプが築かれているが、首脳同士の交流がなくては真の友好国とはいえない。」
小泉首相の「日中友好はどんどん進んでいる」という認識は間違いだと思う。でも、尖閣諸島で領土領海侵犯を行い、靖国参拝という日本人の行動に掣肘を加えようとする内政干渉国家と友好関係を築く必要が果たしてあるのかな。
毎日「スポーツに政治を持ち込むことが国際マナーに反していることを、中国人も知らないはずはない。もし中国チームが外国で観衆からチベットを独立させろとか、人権抑圧をやめろとかで、ブーイングの嵐を浴びたら、中国政府は黙っていないだろう。国歌をブーイングで侮辱されて笑っている中国選手もいないだろう。」
国際社会が中国にやたら甘いと思うのは、この点。かつてアパルトヘイトを国策としていた南アフリカは、スポーツの世界から完全に閉め出されていた。南ア国籍を持っていることは、世界の舞台に立てないことを意味していた。ゴルフで現在世界ランク2位のアーニー・エルスはデビュー当時は、ジンバブエ人と称していた。一世代前の名選手、ゲーリー・プレーヤーは南ア国籍を維持しながら、人種差別政策をことあるごとに批判していたゆえに、プレーすることを認められていた事実がある。ラグビーは世界最強を謳われながら、第1回、第2回のワールドカップには出場すらしていなかった。今、中国はチベットを侵略し、人権抑圧も甚だしい。差別せずに抑圧してるから問題ないのか? 本来なら中国は南アと同じ理由でスポーツ界から締め出しを食らって良いはずなのに、4年後には五輪開催とはねぇ。
最後に朝日。産経が拾ったがゆえに、朝日の電波っぷりが炸裂しています。
朝日「上陸の違法性は明らかだ。逮捕という手段がとられたのは初めてだが、長時間滞在した事実を考えれば、当然と言うべきだろう。 深刻なのは、中国の活動家にやすやすと上陸を許してしまった危機管理のお粗末さだ。 「我々の世代の人間は知恵が足りない。次の世代はもっと知恵があろう」。故トウ小平氏が尖閣問題を語った言葉だ。いい知恵を出すためにも、双方が冷静に語り合える環境を守っていかねばならない。」
違法性が明らか → 危機管理もお粗末 → 双方が冷静に語り合える環境を守る、という文脈は意味不明。ロジックが成り立っていません。そして、中国によるガス田盗掘計画発覚の際には、
朝日「頭ごなしに断らず、中国側の提案内容をじっくり聞いてみてはどうか。」
と、中国のスポークスマンと化してました。靖国問題についても、
朝日「「政冷」の元は小泉首相靖国神社参拝だ。首相は参拝のたびに「いずれは理解してもらえる」と言うが、日中間に何の変化の兆しもない。事態を改善しようという努力のあともみられない。」
まず靖国参拝に文句を言っているのは、中国・朝鮮半島の二国・日本国内のヒダリ巻きだけ。他の世界のほとんどの国から何の文句も言われないどころか、各国の高官・武官は参拝までしている。世界常識から見て、事態改善の努力をすべきはどっちでしょう。
そしてアジアカップでの反日騒動については、
朝日「重慶や済南での「反日騒動」には、むろん日本の中国侵略という歴史的な背景がある。とくに重慶は、日本軍機の無差別爆撃によって膨大な数の市民が犠牲となった。日本の若者たちも、この事実を知っているかいないかで、騒動への見方が変わってくるだろう。」
日本はアメリカに原爆を落とされた。イギリスはナチスに無差別に空爆を受けた。しかし、アメリカのスポーツチームの来日を日本人は歓迎し、イギリス人はドイツのスポーツチームにスタジアム全体で「ヒトラーの息子は出て行け!」なんてことは絶対にやらない。朝日が大好きな中国は日本のスポーツチームに大ブーイングを行い、韓国はドイツ代表サッカーチームに「ヒトラーの息子は出て行け!」との横断幕を掲げている。朝日が毛嫌いする「偏狭な愛国心」を持っているのは、どっちやねんって話です。
こうして比べてみると、朝日は中国共産党の機関紙ですね。産経のまとめが皮肉が利いてて面白いです。
「全体として、朝日は中国の主張に最も理解を示し、読売と産経は日本政府に強い姿勢を求め、毎日はその中間に位置している。」