自民党憲法調査会試案

集団的自衛権の行使容認、自民が憲法改正大綱原案」
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20041117it01.htm
基本路線としては、賛成です、私は。ただ、相変わらず「言葉遊び」の部分があるのが気になります。
憲法9条に代わり、「平和主義」の章で、戦争放棄と非核3原則を盛り込み、「国家緊急事態及び自衛軍」で、具体的に〈1〉個別的、集団的自衛権を行使するための必要最小限度の戦力を保持する自衛軍を設置する〈2〉自衛軍は、国際貢献のため、武力行使を伴う活動をも任務とする――と定めている。」
戦争放棄なんて別にする必要はないと思うんですが。つまり、日本が他国から仕掛けられた「戦争」まで放棄するのか、ということ。これは「国防」であって「戦争」じゃない、というレトリックは国際的に見て通用しないと思う。第三者からみたら「戦争」なんですから。また、上にも書いたように、独善的独裁国家から民主主義国家が戦争を仕掛けられたとき、日本は「戦争放棄」を理由に傍観するのか、ということ。この自民党案は、だいぶ積極的ではあると思うけれど、結局護憲派(党内にもいるんだろうけど)にも都合よく解釈できそうな余地を残している点がよろしくない。そういう「余地」を残すことがいかに危険なことかは、昭和初期に経験してますでしょ。詳しくは、司馬遼太郎さんの「この国のかたち」第4巻にある「統帥権」の項をご覧頂きたく。