憲法9条「護持」による矛盾

憲法9条が日本の平和にどう役に立ったのか、具体的に教えて欲しいものです。考えられるのは、ベトナム戦争に派兵せずに済んだ(その後、ベトナムではポト派による大虐殺が起きてしまった)こと、湾岸戦争でも派兵せずにお金だけ出した(でも、日本の貢献は全然評価されなかった)ことくらいでしょうか。
結局、憲法9条を金科玉条のごとく「護持」していくと、行き着く先は「単独平和主義」になるわけです。同盟国が戦争に巻き込まれても助けられない(戦争はすべての外交手段が破綻したときに発生するものだから、戦争を防ぐための外交努力をすればいい、というのは詭弁です)。いざというときに守ってくれない国を「同盟国」と認識してくれる国はありますまい。いや、経済的物質的に援助すれば、何ていうけれど、戦争状態の国にどうすれば、こうした援助ができますか? あまりにも非現実的でしょう。結局、どの国からも良く見て「敵ではないが仲間でもない」という扱いを受けるのが精一杯。その中で、どうやって「単独で平和」を維持できるのか。非武装で平和維持できない理由を説明するために、例えば台湾と北京政府が戦争を起こしたと仮定しましょう。両国の間で海戦が行われた結果、台湾海軍の軍艦が日本の領海に逃げ込んできたとします。このとき日本は、両国の戦争に加担しないためには、台湾海軍の軍艦を領海外に追い出さなくちゃならない。なぜなら、放置しておけば両国の戦争が日本国領内で行われることになるからです。また、台湾海軍を保護することもできない。何故かというと、戦争の当事者の安全を保証するということは、日本が台湾に味方となって戦争の当事者であることを認めることになるからです。少なくとも、この仮定の場合、北京政府はそう解釈するでしょう。しかし、相手は軍艦です。逃げてきただけで、戦闘能力の幾分も失ってなかった場合、日本はこの台湾海軍の艦艇をどうやって追い返すのか。台湾海軍が海保からの退去命令を大人しく聞くかどうか。逆に艦載砲でもって日本を脅してくるかも知れない。そういう状況を仮定すると、結局「単独平和」を維持するには武力を持っていなければ実現できないんです。ここで、憲法9条を「護持」することが平和には役立たないことがわかるわけです。
となると、護憲派の方々が考えているのは「日本を非武装化して、どこかの国に隷属させよう」ということではないかと。昔ソ連、今中国ですかね。確かに護憲派の方々には、妙に親中派が多いですからねぇ。これはある意味で「大東亜共栄圏」を作ろうっていう運動だったりして。