朝日が報道しない内容

以前、ある方から「記者は真実に基づいて取材をしているはずです」とコメントを頂きました。私もそう信じたい。しかし、真実をきちんと報道しない新聞社があるからこそ、私は困ると申し上げているわけです。
今日もそんな一例を。
「日本の常任理入りを支持 クロアチア外相」
http://www.sankei.co.jp/news/050411/sei127.htm

町村信孝外相は11日、クロアチアのグラバルキタロビッチ外相と外務省で会談し、グラバルキタロビッチ氏は国連安全保障理事会の理事国を増やす改革案とともに、日本の常任理事国入りに支持を表明した。
 町村氏は、クロアチアが旧ユーゴ紛争の戦乱を克服して平和定着の努力を進めていることを評価し、取り組みを支持する考えを表明。同時に、投資環境の整備が重要だと指摘した。(共同)(04/11 22:50)

産経は日本の常任理事国入りに賛成の立場を取っています。ですから、こういう記事は当然だと思われるでしょう。しかし、産経は次の記事も載せている。
安保理拡大 「早急な改革反対」 会合に119カ国・機関」
http://www.sankei.co.jp/news/evening/13int001.htm

【ニューヨーク=長戸雅子】国連安全保障理事会常任理事国拡大に反対するイタリア、パキスタン、韓国など反対派九カ国は十一日午後、「関心国会合」をニューヨーク市内のホテルで開いた。常任理事国の米中露をはじめ北朝鮮など百十九カ国・機関の代表が参加した。
会合には、常任理事国入りを目指して共闘する日本、ドイツ、ブラジル、インドの四カ国グループ(G4)は招待されなかった。
(中略)
G4は三月三十一日、支持拡大を目指した会合を開催し、約百三十カ国が参加した。

国連に加盟している国の総数は191ヵ国ですから、両方の会議に出席して「国益」に適う選択を模索している国が多いことを伺わせますが、どちらにせよ、支持する国もあれば、支持しない国もある、ということが産経を見ていればわかりますね。
ところが、朝日新聞見てみると、
「投票決着「反対派」119カ国が会合 国連安保理拡大」
http://www.asahi.com/international/update/0412/004.html?t

日本やドイツの国連安保理常任理事国入りを阻止しようと活動を続けているイタリアやパキスタン、韓国、メキシコなどが11日、ニューヨーク市内で「コンセンサス(全員合意)連合」と銘打って会合を開き、主催者側の発表で119カ国を集めた。安保理拡大を投票で決着することに反対を訴える主催者側に同調する国も多かったといい、アナン事務総長や日本などの求める方針への反対勢力の勢いを示した。
119カ国は国連加盟191カ国の半数をはるかに超える。安保理改革をめぐって投票になった場合、改革実現には3分の2の賛成が必要で、出席者数だけをとれば投票で常任理事国入りを目指す日本にとって「危険な数字」。ただ、一方では常任理事国入りを目指す側の日本、ドイツ、ブラジル、インドの4カ国が3月31日にニューヨーク市内で意見交換を名目に開いた会合「改革’05」にも少なくとも131カ国が参加し、両方に出席した国が多い。安保理改革をめぐっては加盟国の多くが双方の間で態度を決めかねている現実を映し出してもいる。

と、ほぼ産経と同じ内容。しかし、クロアチア外相が町村外相と会談したニュースは、WEB版には掲載されていません。サイト内を「クロアチア」で検索しても出てきません。つまり「クロアチアの外相が日本の安保理常任理事国入りを支持した」という真実は、朝日は報道していないわけです。日本の常任理事国入りに反対する朝日は、自社に都合の良い真実だけをニュースとして取り上げ、都合の悪い真実は報道しないのです。
これだけでも、産経と朝日、どっちが信頼できるのか、どっちがより中立な新聞なのか、よくわかると思うのですけれどね。