日本側がカードを持ったことになる

首相の靖国参拝が問題だ。
シナとか韓国とか朝日新聞が、まるで時候の挨拶みたいに使う言葉ですが、靖国参拝「問題」は今、どちらにとって有効なカードとなっているのでしょうか。
本日の産経新聞より。
「日中きょうにも首脳会談 「デモ」「靖国」物別れも 互いに言及確実」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/22iti001.htm

小泉純一郎首相と、中国の胡錦濤国家主席が二十二日、訪問先のインドネシアジャカルタ市内で首脳会談を行うことで最終調整が進んでいる。首相は反日デモで険悪な状態が続く日中関係について、「友好発展の重要性」(首相)を強調し、事態打開の糸口を見つけたい考え。しかし、胡主席があくまで靖国神社への参拝中止などを求めれば、会談は“物別れ”に終わる可能性さえある。日中関係がこのまま冷え込むのか、それとも改善に向かうのか、今回の首脳会談が大きな節目となりそうだ。
(中略)
ただ、首相が謝罪を求めても、中国側がこれに応じるという見方は日本政府サイドにほとんどない。逆に、胡主席反日感情が強い国内世論を背景にする以上、「靖国参拝中止を求めてくるのは確実」(日中外交筋)。それだけに、首相周辺は、今の時期に首脳会談を開くことに懸念を隠さない。
 胡主席は昨年十一月の小泉首相との会談で靖国参拝を「日中間の障害だ」と厳しく批判。首相は不戦の決意のあらわれであるとし、「誠意を持って受け止める」と返答するのが精いっぱいだった。
 靖国参拝は首相の公約であり、中国からの圧力で中止するわけにいかない。胡主席から靖国参拝中止を求められても、首相は参拝中止の言質を与えず、「慎重に対応する考えをにじませる」(首相周辺)ことで対応する考えだ。
 あくまで中国側が「反日デモの原因は、日本の歴史認識にある」という論理を振りかざせば、会談がすれ違いに終わるのは必至。そうなれば政治や経済面ばかりか、日中のあらゆる分野に影響を及ぼす可能性さえある。
 どちらかというと外交で得点を稼いできた小泉首相だが、今回は厳しい局面に立たされそうだ。

ということで、靖国参拝賛成派である産経新聞ですら、靖国参拝はシナ(南朝鮮)にとって有効なカードであると思っているようですね。この記事にあるように、首相周辺だとか外交筋だとかの連中まで同じように考えているとしたら、全く頓珍漢な外交センスと言わざるを得ません。
これまで、特に中曽根氏以来、シナ北京政府は首相・閣僚に対する靖国参拝に文句を付けてきました。そして、その文句によって日本の首相・閣僚は「私的参拝」だとか言ってみたり、はたまた参拝しなかったりとしてきました。無論、参拝しない理由が「私は神道の信仰者ではないから」というものなら、私も別に文句を言う気もありませんが、外交関係を配慮して止めた、などというのは自ら信教の自由を捨てるようなもの。まあ、それはおいといて。ともかく、シナ北京政府としては支配しているシナ人民への示しが付くわけです。日本人はあれだけ裕福な生活をしているが、我が共産党の一声で靖国参拝を中止できるのだ、というわけです。そもそも「革命」によって成立しているシナ共産党政府としては、自らの拠り所をシナ悠久4000年の歴史に求められない。したがって、人民を支配する原理としては、自らの抗日の歴史でしかないし、日本より強い、あるいは日本を屈服させることのできる存在であることを示さないと、自らの存在意義がなくなってしまうわけです。
ところが、小泉首相はしれっと靖国に参拝してしまった。シナ北京政府は必死になって、靖国参拝に文句を言うけれど、参拝をする。
これじゃシナ共産党は人民に対して示しがつきません。
そこで、今回起こしてみたのが、「官製」デモだったわけです。靖国参拝をカードとして再利用するためにも、「人民すら怒っている」としようと画策した。
ところが、あろうことか、人民大暴走。日本大使館を始め、日本関連の施設・商店に被害を出してしまった。
もとは官製デモです。自分で起こしたデモで、しかも日本に謝罪を求めるデモをやったのに、日本から謝罪どころか賠償まで要求される羽目になってしまいました。しかし、人民への示しをつけるためにも「日本が悪い。謝罪も賠償も責任はない」と言わざるを得なくなったわけです。
ここで、欧米のマスコミが一切にシナ北京政府批判に転じました。挙句に、シナこそ歴史歪曲の教科書を使っている、とまで暴露される始末。
結局、靖国参拝に文句を言い続けたシナ北京政府が、小泉首相に参拝を止めさせようと、手を尽くした結果、靖国参拝のカードは日本の手に渡ってしまった、ということになります。
日本にとって、靖国参拝は大きなカードになりました。なぜなら、日本が直接シナ北京政府に言いにくかったことを、海外のマスコミが取り上げて、全世界に報道してくれたからです。この辺りは「アジアの真実」さんが詳しく取り上げて下さってますので、そちらをご覧下さい。
http://blog.livedoor.jp/lancer1/archives/2005-04.html#20050419
靖国に参拝するよ、というと人民が暴れる。もう勘弁してください、というのが実はシナ北京政府の本音だろうと思います。暴れれば、暴れた背景をまたまた海外のマスコミに暴かれる。しかし、日本としてはこんな美味しいカードはありません。靖国参拝するよ、するよ、いや〜、2日ほど前倒ししちゃった〜、とかすると、もう北京政府ついていけないわけです。大国気取りだった国が、小鼠に引っ張り回されてるのが、今の日本とシナの状況。
で、面白いのは、シナの歴史歪曲教科書が欧米マスコミに暴かれた途端、最近シナに事大気味だった南朝鮮では、反日デモが全く起こらなくなってることです。多少は学習能力はあると見た。
ま、今日の日中首脳会談でどういう話になるのか知りませんけどね。妙な妥協をすれば、小泉首相もそこまでだけどね。でも、靖国参拝は特別なことでも何でもないのに、北東アジアのマヌケ国家のおかげで、便利な外交カードになった。その幸運を、強運の人・小泉純一郎が見逃すとは思えませんけどね。