朝日虚報事件 各紙の反応

産経は、この朝日の検証記事前に批判社説を書いたためか、社説では扱っていません。
次に読売。
「[NHK特番問題]「説得力に乏しい朝日の『検証』」」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050725ig91.htm

記事を読む限り、朝日報道の真実性を補完するような新事実は、ほとんど示されなかった、と言うしかない。1月の報道から半年。時間がかかった割には、期待はずれである。

この記事を受けて、朝日の社会部長は「幹部による修正指示を、番組制作スタッフの多くが『政治介入』と受け止めていたことが確認できた」「『政治家の圧力による番組改変』という構図がより明確になった」と“総括”している。
 その上で「問うたのは(中略)『公共放送と政治との距離』。今後も(中略)姿勢は変わりません」と結んでいる。
 朝日は、安倍氏らに報道を全面否定された直後から、「事の本質はNHKと政治との距離」と、論点をそらすような主張を繰り返してきた。社会部長の結語も、その延長線上の“自己完結”としか受け取れない。
 「取材・報道への指摘について」の記事の中でも、「呼び出し」や「中川氏の放送前日の面会」を裏付ける新たな情報やデータは得られなかったと、朝日自身が認めている。
 にもかかわらず、報道の前後に、安倍氏らが取材に語った内容が「相互に矛盾がない」などとして、記事の訂正の必要性を否定した。

昨日の私の解釈とほとんど変わりないと思います。事の本質を問題にするためには、事実ではないことを記事にすることも辞さない朝日の姿勢は、同業者である読売にとっては許せない、ということでしょう。

「第三者機関」による、朝日の検証記事の再検証が必要ではないか。

三者機関に「」が付いているところがミソ。朝日が立ち上げた委員会については、読売は「第三者機関じゃないよ」と仄めかしているってことですね。
日経は取り上げていませんでした。何でやろ? 
次に毎日。
「朝日VSNHK メディアには謙虚さが必要だ」
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20050726k0000m070169000c.html

ところが、半年以上経過して掲載された記事は拍子抜けするほど新事実に乏しく、国民が知りたかった点に真正面から応えているといえない内容である。

読売より表現が厳しいw。

確かに、改変問題は、その典型例となり得るケースだった。しかし、「政治介入を許した」というNHK番組担当者の内部告発情報をいち早く入手したことで、かえって「始めに結論ありき」の取材となって、詰めが甘くなったきらいがあるように思える。

同じ左系メディアとしては多少の手心を。でも、言ってることは間違ってない。

朝日側は「教訓としたい」と認めているが、なぜ当初、詰めなかったのか、「相手も否定しなかったから」というだけでは丁寧さを欠く。一方で、「多くの番組スタッフが『政治介入』と受け止めていたことが確認できた」点をもって、「政治家の圧力による番組改変という構図がより明確になった」と結論づけるのも、我田引水と言われても仕方なかろう。

今日の毎日の社説子はなかなか鋭いですな。

メディアは、もう少し批判に対して謙虚でありたい。自戒も込めて、そう考える。当然、朝日、NHKとも、これで幕引きとはいかない。

よろしくお願いします。ネットによるマスコミ批判は、全く謙虚さの見られない態度に向けられていることをお忘れなく(昨日、登場頂いたK氏などその典型ですね。批判されたら「侮辱」と受け取るんですから)。