民主党のマニフェストを産経が分析

「【民主のマニフェスト検証】」
http://www.sankei.co.jp/news/050817/sei009.htm
こういうことを新聞は積極的にやって欲しいと思います。朝日も民主党マニフェストを紹介しています(http://www.asahi.com/politics/update/0816/015.html)が、検証・批判の記事がありません。読売は社説でちょこっとだけ触れていましたが、分量としては物足りませんでした。新聞各紙もイオンマネーとか、創価学会系出版社からの広告料など、いろいろしがらみはあるでしょうけど、マスコミとしての役目はきちんとやって欲しいですな。
では、産経の検証記事を見てみます。

≪郵政 「民営化」触れず 足並み乱れ≫
(中略)
民主党は当初、郵政問題を重点項目から外す考えだったのは確かだ。郵政民営化をめぐる自民党の内紛に有権者の関心が集まる中、党内で「郵政問題は無視できない」との不安が広がり、執行部が急ぎ「郵政改革」の項目をつくったという事情がある。
(中略)
例えば、数値目標を設定して「郵便貯金の預入限度額の縮小」を打ち出しながら、「民営化」には触れず、従来の見解から踏み込んでいない。党幹部は「小泉政権への対抗上、『民営化』の言葉は使わない」と説明するが、支持層の労組への配慮があったとみられる。

郵政改革など不要じゃ!と大声で叫べばいいのにw。

≪外交・安保 対米関係揺らぐ恐れ≫
民主党マニフェストイラク南部サマワで復興支援活動を展開する自衛隊を12月までに撤退させることを明記した。民主党政権が誕生した場合に対米関係が大きく揺らぐ可能性がある。
(中略)
マニフェストの対外政策では、二国間関係として、日米関係は日中、日韓の次に置かれた。そして、その日米関係では、日米同盟はアジア・太平洋地域の安定の要であるとしつつ、必要な場合には米国に自制を促すことが、アジア・太平洋地域の公共財としての日米同盟の価値を高めることになるとしている。
 こうした内容について、政府関係者には、民主党政権下では、日本外交の基軸である日米関係よりも対中や対韓などのアジア外交を優先させるとも受け取れ、「米国が警戒感を抱くかもしれない」との見方もある。

こりゃ大きく外交方針が変わりそうですね。アメリカよりもシナ・南朝鮮を信頼しようという姿勢ですか。東アジア大陸との(政治的)関係を持たなかった時代が日本の繁栄の時代と重なることをよく勉強して頂きたいと思います。

≪財政健全化 将来の増税には"含み"≫
(中略)
官公労を支持母体とする民主党にとって、公務員の人件費削減への取り組みは注目点のひとつ。歳出削減の1項目に掲げた国家公務員人件費の2割減は、職員の自然減などに頼る部分が大きい。国家公務員よりも高待遇とされる地方公務員への連動も想定しているが、対応は「自治体の経営判断」(大塚耕平・政調副会長)とやや心もとなく、マニフェストには盛り込まれなかった。

小泉政権が基本的に増税路線を志向しているところが、実は民主党にとって一番好都合なはずなんですよね。労組が支持母体なのだから、減税を主張すべきだと思う。少なくとも、所得税減税と消費税率UPをバーター条件に提示すべき。しかし、その一方で郵政民営化に反対して、方向性が統一できてない。民主党としては、郵政民営化には真っ向賛成した上で、減税を主張すべきだと思うんです。なぜ減税路線に踏み切れないかというと、民主党は右から左までいろんな人たちがいます。つまり、やろうとしてることが総花的で、何でもやります的なマニフェストになっているわけです。これを実現しようとすると、どうしても歳入ができるだけ多くないと困る。だから、歳入減につながる減税路線は踏めない、ということでもあるわけですね。

社会保障 年金目的税率明示できず≫
(中略)
しかし、肝心の年金目的税の税率は明示できなかった。古川元久政調会長代理は16日の会見で、「3%」と漏らした後、「削減できる無駄がどの程度になるか、(政権交代後に発足させる)行政刷新会議を見ないとわからない」と述べるにとどまった。
(中略)
ただ、高齢者を中心とした医療費の自然増に関しては、抑制目標額を示さず、患者負担増の有無にも触れていないのが現状だ。税金と社会保険料を合わせた具体的な国民負担についても具体像を示し切れていない。

これもある意味、空手形ですね。衆院解散になったから慌ててマニフェストを作ったことがバレバレ。そもそも年金問題は、民主党最大のテーマと掲げていたのに、この体たらく。最大のテーマであれば、明日にでも法案が上程できる状況にしてなくちゃおかしいのですから。
これで政権担当能力がある、と自称できる神経に感心しますね。