衆院選 自民単独絶対安定多数越え

「自民大勝、15年ぶり単独過半数 与党327」
http://www.sankei.co.jp/news/050911/sei050.htm

第44回衆院選は11日投票、即日開票された。自民党は296議席を獲得、歴史的大勝を果たした。公明党と合わせ与党は全議席の3分の2を超える327議席に達し、小泉純一郎首相は続投する。民主党は解散時の175議席を大幅に下回る113議席にとどまり、岡田克也代表は辞任を表明した。小泉首相が是非を問うた郵政民営化は支持を得た形で、首相は「国民は郵政民営化を正論と判断してくれた」と勝利宣言した。
衆院選での自民党単独過半数獲得は、1990年2月の選挙以来で、96年に小選挙区制が導入されてからは初めて。

ということで、小選挙区制の特徴が大きく出た選挙になりました。小選挙区制を取る他の国でも、こういうことは起きているそうで、今朝の読売紙面によると、
議席数劇的増減 「小選挙区」の特徴反映」

単純小選挙区制下の欧米諸国では、劇的な政権交代が起こりやすい。典型的な例がカナダの1993年10月の下院選(定数295)だ。与党の進歩保守党が解散時の154議席をわずか2議席に激減させる歴史的な大敗を喫し、党首のキャンベル首相も落選した。
(中略)
英国でも、ブレア労働党政権が誕生した97年5月の総選挙(定数659)で、与党・保守党が解散時の321議席からほぼ半減した。

今回の日本では与党が議席を伸ばしたとはいえ、こういう状況が起こりえるということで、緊張感のある良い選挙だったと思います。負けた民主党に慰めを申し上げるとすれば、この逆は十分ありえる、ということです。今までのように、何でもかんでも与党批判、という体質を改め、自分たちが考える政策を法案にまとめ審議に上げるという、立法府議員として当たり前のことをきちんとやることが大事です。当然、与党が圧倒的多数ですから否決されることが多いでしょう。それでもきちんと仕事はする。それが本当の意味で「真面目」な政治姿勢のはず。めったに笑わない党首を立てて「真面目」と言っていたから負けた、ということはしっかり認識して欲しいと思います。
さて、今回自公あわせて2/3議席以上を獲得したことで、一番恐怖を感じているのは、実は参院議員ではないでしょうか。今後の政権運営の中で、自公連携が可能な法案については、参院を基本的に無視できるという状況に、理論的にはなりました。参院の存在感を見せようとした郵政民営化法案否決が、衆院の解散を招き、そして自らの存在を埋没させてしまう、というブーメラン。参院不要論に拍車がかかることは否めないと思います。ちなみに、私は参院不要論者です。