報道する新聞社、報道しない新聞社

野田氏の質問主意書に関する続きです。
靖国問題で政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず 公式参拝であっても合憲」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/26pol002.htm

政府は二十五日の閣議で、さきの大戦後、連合国によって「戦犯」とされた軍人・軍属らが死刑や禁固刑などを受けたことについて、国内法上は戦犯は存在しないとの見解を明確にした答弁書を決定した。首相の靖国神社参拝に関しては「公式参拝」であっても、宗教上の目的ではないことが外観上も明らかな場合には、憲法に抵触しないとの見解を改めて示した。いずれも民主党野田佳彦国対委員長質問主意書に答えた。

この件につきましては、「mumurブログ」さんの次のエントリが秀逸です。
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50175895.html

これ、サヨクの非論理性をつつくいいネタになります。
教科書問題のときに、「政府は村山談話を踏襲しアジアに対するお詫びを表明しているではないか!!それに反する教科書はイクナイ」と叫んでいるサヨクがたくさんいました。
つまり「日本国民は政府見解に従え!!」と言ってたわけです。
しかし今回はサヨク陣営が絶対に受け入れられない政府見解。
「こんな政府見解は絶対に認められない」と、反発するはず。
そこで、mumurは一言。
「政府見解を常に受け入れるの、受け入れないの、どっちなの?」
彼らとしては「政府見解が正しい時は支持するし、間違っている時は支持しない」と言うでしょう。
ごもっとも。
しかし、「ならば政府見解が正しいかどうか検証しましょうよ」という、サヨクにとって都合の悪い方向に向かってしまうわけで、つまるところ自爆。
そもそも「中韓歴史認識」が捏造ばかりだということは、皆さん既にご存知の通り。それはサヨク陣営も自覚している。だからこそ、その真偽論争については深入りせずに「政府は認めているじゃないか!!」と逃げてきたわけです。「政府のいうことに楯突くとは何事だ!!」と、論争を拒否してきたわけです。
筋としては、二つに一つ。
サヨクが今回の「戦犯はもういない」という政府見解に大人しく従う(政府見解は常に正しいという立場)
・政府見解がどうかに関わらず、キチンとした議論を経て結論付ける(政府見解が必ずしも正しいとは限らないという立場)
本来なら後者が好ましいのですが、サヨクが前者を匂わせたのだから仕方がない。ダブルスタンダードを指摘して、反応を見るのが正しい楽しみ方です。

さて、この「野田氏の質問主意書」に関するニュースですが、全国紙のWEB版では日経のように以下のように伝えているだけなんですね。
「政府が首相の靖国参拝答弁書、公式でも宗教目的外は合憲」
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1E2500E%2025102005&g=P3&d=20051025

政府は25日の閣議で、首相の靖国神社参拝について仮に公式参拝であっても「神道儀式によることなく、追悼行為として宗教上の目的でないことが外観上も明らかである場合には、憲法の禁じる国の宗教的活動に当たることはない」との答弁書を決定した。
民主党野田佳彦国会対策委員長質問主意書への回答で、「二礼二拍手一礼」などの神道形式でなければ参拝は合憲とする中曽根内閣以降の政府見解を踏襲している。
首相が17日の靖国参拝にあたり「私的参拝」との立場を強調したこととの関連では「首相の地位にある者であっても、私人の立場で靖国神社に参拝することは憲法との関係で問題を生じることはない」と明示した。

これもむしろ肝心と思われる、国内における「戦犯」の扱いの部分を削っています。これは朝日もそうだし、読売もそうです。
他の全国紙が積極的に報道しない理由は何なんですかね。自分たちの主張に都合の悪いこと(朝日、毎日はもちろんのこと、最近では読売も)は隠して伝えない。これが「公正」「公平」「中立」な報道の正体です。笑わせますな。