大学紛争と実は同じ構図なんじゃないですかね

フランスでの学生デモですが、元はと言えば、就職がらみの話だそうです。
「仏学生デモ、一部暴徒化 50万人、ゼネスト協議も」
http://www.sankei.co.jp/news/060319/kok062.htm

フランス政府の若者雇用促進策は雇用を不安定にするとして、撤回を求める労働団体や学生らが18日に各地で行ったデモの参加者は警察集計で約50万人、労働団体の集計では約150万人に達し、一連のデモで最大規模となった。パリでは若者の一部が暴徒化して治安部隊と衝突、治安部隊の34人と若者ら18人の計52人が負傷した。

どこかで聞いたことがある話だと思ったら、日本の大学紛争と同じ話じゃないですか。養老孟司先生の著作を読めば、その辺がわかります。案外、欧州全体に拡大するかも知れませんね。日本でも、団塊の世代の扱いをどうするかっていう話が問題になってますが、下手をすれば、フランスのように若者の就労機会を奪うような方策を取りかねない。
まあ、若造が何を言う、というお叱りを承知で言わせてもらえば、日本人もフランス人も引退・隠居の仕方が上手くないってことなんじゃないでしょうか。
ウチの親父は、団塊の世代の一つ前の世代で、今年で62歳。しかし、7年前に54歳で会社を退職。早期退職者に与えられた退職金上積みもしっかりもらい、自宅を現金一回払いという凄まじい行為で購入。当然、現在ローンゼロ。悠々自適の隠居生活をしております。もちろん、母が昨年、くも膜下出血で倒れてからは、母がすでにほぼ健常者の生活を送っているにもかかわらず、家事のほとんど(洗濯だけは母がやるらしい)を父がこなしている。今の楽しみは、晴れていれば庭木の剪定、花の栽培、池の鯉の世話。雨が降れば読書。まさに晴耕雨読。そして、何より、姉や私の子供、すなわち孫の成長を眺めること。実子の私から見ても羨ましい隠居生活です。先日電話で話したときには「団塊の世代ってのは困った連中だ。この期に及んでまだ働きたいだなんて、若い頃に相当働かなかったから言うのだ。お前も年取ってから、まだ働きたい、と言わずに済むよう、今のうちに嫌というほど働け」と申しておりました。また、その父にかれこれ40年弱連れ合っている母に言わせると「家に居場所がないんでしょうね。かわいそうな人たちだわ」となります。隠居しようにも、隠居場所がないっていうのもなかなか辛いところですね。
ともかく、これを「若者」の問題とだけ考えていると、問題の解決にはならない。上手に、年寄りに隠居して頂く方法も考えないといけないと思います。