靖国参拝を批判する小沢氏を批判する

民主党の新代表になった小沢サン。こんなご発言。
「小沢代表「A級戦犯分祀を」 首相の靖国参拝を批判」
http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20060410/eve_____sei_____006.shtml

民主党小沢一郎代表は9日、NHKと民放のテレビ番組に相次いで出演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「小泉氏の(参拝)は駄目だ」と批判した。その理由として「A級戦犯といわれる人たちは戦争で死んだわけではない。日本の国民に戦争を指導した大きな責任があり、祭られるべきではない」と述べ、A級戦犯が合祀(ごうし)されていることを指摘した。
靖国神社については「たまたま神社の形を取っているが、戦没者の慰霊のためのものだ。戦争で亡くなった人のみ霊を祭る本来の姿に戻して、天皇も首相も堂々と行ける靖国神社にすればいい」と述べた。具体的な方法について、小沢氏は記者団に「政権を取ったらすぐやります」と述べるにとどめた。

まず、日本の国会議員という職業の方々は、先人がどのような仕事をしたのか、ということに敬意を全く払わないようです。私のような研究員だと、自分の仕事の位置づけを明確にするためにも、先人たちの仕事を調べる、すなわち文献集めが最初です。国会議員なら、よろしく過去の議事録を、少なくとも自分がしゃべるテーマについては読んでおくべきです。
日本に「戦犯」なる人はいません。過去にはいたが、日本は国会の決議に基づいて、戦犯の名誉回復を行いました。そして、その法律は廃案になっていない。だから、A級戦犯など、現在にはいません。
また、靖国神社が「過去にA級戦犯だった人」を祀っているのは、靖国神社の勝手です。過去はどうあれ、今の靖国神社は一民間宗教団体です。そこで祀るものを、政府が介入するのは、明らかに信教の自由の侵害です。
確かに、小沢氏は過去に戦犯とされた人たちが、公職に復帰したことを批判しておられる。それは小沢氏の意見として拝聴はする。しかし、それはあくまで小沢氏の私見であって、日本の国権の定めるところによって戦犯とされた人の名誉を回復したという事実は尊重すべきです。それが嫌なら、名誉回復を行った国会決議を廃案にするよう運動し、国会の決議にかけなければなりません。それが立法府の構成員たる、国会議員の仕事の仕方であるはずです。
まあ、それがわかっているのなら、民主党なんかにいないでしょうけど。