都会じゃ育児はできんって

雇用保険少子化対策、積立金1000億円活用」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060507i101.htm

政府は6日、2007年度予算の新たな少子化対策の財源として、特別会計雇用保険の積立金1000億円前後を活用する方向で検討に入った。
本来は失業手当の給付などの財源を別の事業に活用するのは異例の措置だが、小泉内閣の最重要課題の一つで、数千億円が必要とも言われる新たな少子化対策には、従来の予算の枠組みにとらわれずに財源を確保することが必要と判断した。

まあ、効果が上がるかどうか、やってみなければわからないところはあります。何も対策をしないよりマシ、という程度で見守るべきかと。
なかなか引退しない老人衆、仕事に就かないニート。これは、すでに社会に若者の需要がないことを意味しているとも言えます。老人衆がきちんと引退すれば、若者の仕事は出てくる側面もあるわけですけどね。日本は豊かなので、結局、若者が働かずに食えるのでニートになった。景気の悪いフランスとか、まだ十分には豊かだと都会の若者が思っていないタイでは、それが暴動みたいな動きになった。暴動にならない分だけは、日本は豊かだということなんでしょう。80を過ぎても国会議員にしがみつこうとしたり、70を目前に日本で一番忙しい総理大臣になろうなんていう人がいる、というのがニート問題の背景にあると思うんですね。
で、若者の需要がないのだから、当たり前のことですが、若者予備軍の子供だって需要がないということでしょ。それが少子化なんじゃないんですかね。
それが証拠に、大人たちが作ってきた「都市」の中のどこに子供のことが考慮されてるんでしょうかね。私は通勤で毎日滋賀の片田舎から、大阪のど真ん中まで出ているのですけれど、30階建てを超えるような高層マンションがデーンと立ったりしてるんです。で、地面はというとすべてが舗装されている。タンポポやらシロツメクサなんかが生える場所がないわけでしょ。それでどうやって小学校に上がるまでの子供を育てられるんですかね。
つまり、都市ってのは、子供を排除することで成り立っているわけで、その都市の住人が考える少子化対策ってのは、あまり効果を期待できないのではないかと思います。
私が考える少子化対策は、むしろ年金の給付をしっかりさせることじゃないかと思います。老人が安心して引退できるようにすること。そうすれば、若者に仕事の順番が回ってきます。その代わり、ご老人の方々も年金でニコニコ生活して欲しいものです。
そして、都会からの強制移住くらいでしょうかね。養老さんは「参勤交代」と言ってましたけど、私なら強制移住ですな。で、国土保全のために山林のいわゆる「手入れ」を行う。コンクリートで固める保全じゃなくて、里山の下草を刈り、杉の下枝を打ち、河原や海岸のゴミを拾う。こういう仕事をボランティアにさせないで、きちんと公がお金を出して行う。ボランティアなんかにするから雇用が生まれないわけです。また、これは身体を動かす仕事ですから、若者じゃないとできません。人口の都市集中も避けられるし、国土の保全、美化もできる。都会ではなくて、土の地面があれば、子供を放っておけます。目を離すという意味じゃありませんよ。遊ばせといて、それをこっちは見てるだけでいい。土+雑草の地面さえあれば、子供はずっと遊んでいますからね。わざわざ大人が遊び相手にならなくてもいい。そんな環境が、大人にとっても本当は一番育児が楽な環境なんじゃないかと思います。育児が楽な環境になれば、子供を作ろうという気持ちにもなるでしょう。まあ、田舎だと育児でもしないと暇っていう側面もありますし。
まあ、こういう意見は田舎モノの戯言として片付けられるんでしょうけどね。