風が吹けば桶屋が儲かる−朝日の社説

本日は、各紙とも通常ならば2本立てのところを、「テポドン」のみの1本立てにしておりました。全文は、リンク先でお読み頂くとして、基本的に各紙とも、北朝鮮の「瀬戸際外交」のあり方については、ほとんど差はないように感じます。しかし、今後の解決策の方法、特に南鮮、シナ共産党政府への姿勢について違いがありました。
「[「北」ミサイル発射]「国際社会への重大な挑戦だ」」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060705ig90.htm

【包囲網を強化せよ】
盧武鉉大統領の下で北朝鮮に融和政策を取っている韓国も、対「北」包囲網を構築する上で、最も脆弱(ぜいじゃく)な部分となりかねない。
折しも、日本海では、韓国の海洋調査船が、日本の再三の中止要請を振り切って竹島近海の海流調査を強行した。調査海域は、日本も排他的経済水域EEZ)と主張している係争海域だ。竹島の日本領海にも入った。
韓国の強硬姿勢は、盧大統領の「反日」政策によるものだ。
大統領の姿勢には、韓国内でも疑問視する声が少なくないようだ。韓国の有力紙は、「現実にはない日本の脅威を誇張し、実際に脅威がある北朝鮮は無条件にかばおうとする」と指摘している。
北朝鮮は今回、韓国を射程に収めるスカッド・ミサイルも発射した。真の“脅威”の所在を直視すべきではないか。韓国には、日米と結束して、対「北」包囲網の強力な一角となってもらいたい。
関係国の利害や立場が必ずしも一致しているわけではない。容易ではないが、日本も米国と協力しつつ、今後、国連安保理だけでなく、主要国首脳会議(サミット)など、あらゆる機会を通じて、国際社会の結束を固めることに全力を尽くさねばならない。

読売は南鮮に対しても、日米側に立って欲しいと希望し、特にノムたんの姿勢が南鮮国内でも支持されているわけではないことを指摘しています。
「社説 北朝鮮のミサイル発射に強く抗議する(7/6)」(日経新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20060705MS3M0500205072006.html

盧政権のこれまでの姿勢は、問題を話し合いで解決しようとする日本を敵視する。一方、6カ国協議という話し合いの場に出ることさえ拒否し、核・ミサイル・拉致問題を解決するそぶりすら見せない北朝鮮には融和政策をとる。北朝鮮によるミサイル発射は融和政策が国際的に通じない事実の証明となった。
北朝鮮が平和愛好国に生まれ変われば北東アジアにおける安全保障上の懸念がひとつ消える。日本や米国だけでなく、韓国や中国、ロシアにとっても利益であり、なかでも韓国にとっての利益が最も大きい。そのために必要なのは国際的な協調によって北朝鮮に変化を迫る体制の構築だろう。
こうした議論に対し韓国、中国はこれまで「北朝鮮を追いつめるのはまずい」と反論してきた。国際社会とりわけ6カ国協議に参加する諸国が連携するのは静かにものを説く作業のためであり、北朝鮮を追いつめるためではない。しかし話し合いの場にも出てこようとせず、警告を無視してミサイルを発射する国に対する抗議の意思表示として強い姿勢を具体的に示すことは必要だろう。それによって話し合いが始まる歴史の実例は少なくない。

普段はシナ共産党政府に甘い日経新聞も、経済活動の基礎が「平和」にあること、そして「平和」を築くためには強硬手段が必要であるということも、正しく認識した社説です。
「■【主張】貧窮国家の「花火」嗤(わら)う 愚かな国の脅威にどう対応」(産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/060706/morning/editoria.htm

≪頼りは日米同盟≫
日本のミサイル防衛はまだ機能していない。空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備は今年度末であり、海自のイージス艦海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が備え付けられるのは来年度末からだ。それまでの間、日本の平和と安全は米国の抑止力に頼るしかない。ホワイトハウスが「米国と同盟国を守るため、今後もあらゆる必要な措置を取る」との声明を発表したのは心強い。
米海軍は横須賀基地配属のイージス艦2隻を日本海に展開することに加え、迎撃も可能な艦艇を派遣するとしている。日米同盟関係の強化が日本の命綱である現実を見据えたい。一方でミサイル防衛の前倒しなど、日本の防衛力を万全にするよう政府は最大限の努力を続けてほしい。
小泉首相安全保障会議で「国内の治安に万全の態勢を取るように」と沓掛哲男国家公安委員長に指示した。北のあらゆる行動に備え、国民も警戒を強め、自らの国を守ることに傍観者であってはならない。

産経新聞は、南鮮・シナ共産党政府に対する文章は一切なし。彼らに期待せず、まずはアメリカとの同盟を堅持し、さらに日本自身の国防力の強化を訴えています。
この3紙では、対策案としての立場はほぼ同じと見て良いと思います。まして、この件と「靖国問題」をからめるつもりは全くない。
ええ、こう書けばお分かりいただけると思います。やはり朝日は朝日なのです。
北朝鮮ミサイル発射 無謀な行動に抗議する」(朝日新聞
http://www.asahi.com/paper/editorial20060706.html

日中韓連携を強めよ
重要なのは国際社会の一致した行動だ。日本政府は国際協調を率先して追求してもらいたい。北朝鮮の出方を見つつ、段階的に対応する構えが大事だ。
北朝鮮の問題を解決するにはやはり米国の存在が大きい。だが、イラクやイランへの対応に追われ、危機感をもって向き合ってこなかった面は否めない。
ミサイルの脅威を肌で感ずるのは日本と韓国だ。緊張の高まりには中国も安閑としてはいられまい。なのにこの3カ国の協調が何とも心もとない。
ミサイル発射と時を同じくして、韓国の海洋調査船竹島周辺の、日本が主張する排他的経済水域EEZ)に入った。日本の抗議は無視された。この問題では双方が突っ張り合い、感情的なもつれを増幅させるばかりだ。
底流には、盧武鉉大統領の民族感情をあおる強硬姿勢とともに、小泉首相靖国神社参拝も大きく響いている。靖国問題は、日中でも首脳の相互訪問をもう5年も閉ざしている。だが、平穏な環境をつくることこそが3カ国の利益が共通する最重要の課題ではないのか。日中韓の政治指導者は優先順位を間違ってきたとしか思えない。
米国の関与を促すと同時に、北朝鮮の暴発を防ぎ、危機の水準を下げるために3カ国の協調を早急に立て直すべきだ。

靖国参拝をしていなければ、北鮮がまともな国家になったとでも言いたげな社説ですが、通常の脳みそをお持ちの方なら、因果関係が全くないことはお分かり頂けると思うのですけれどね。こういうのを「風が吹けば桶屋が儲かる」っていうんじゃないのかな。ともかく、朝日新聞としては靖国参拝を是が非でも中止させなければならない、という必死さだけは伝わってきました。でも、朝日さん、それってアナタ方が大好きな「日本国憲法」に違反してますからね。
で、朝日だけはシナ共産党政府・南鮮と連携を強めよ、と主張しています。しかし、私も昨日のエントリで書いたように、南鮮は完全にグルです。で、さらに、もっと「偶然」は重なっているんだそうです。それを指摘されているのが、「恐怖!猫屋敷」さんの、次のエントリ。
「少し補足」
http://www.himeharu.org/2006/0607052306.html

この「ありえない」拉致被害者家族再会劇を、韓国政府が何故許したか、なんだけど、恐らくは北鮮との密約があったんじゃないかと。韓国は日本の竹島への侵攻を常々目論んでいたんだけど、(北鮮による)統一を念頭に考えれば北鮮にもメリットがある。そこで北鮮がミサイルで陽動、注目が逸れたところで韓国がEEZを侵犯した。
だいたい、日本海にミサイルが飛びまくってる状況で、その時間帯にあわせて韓国船がEEZに居座るなんて異様だ。着弾点を把握していたからに他ならない。
一連の行動がよりによって米国の独立記念日に行われたのは、勿論北鮮の意図による。但し、韓国がこの日を容認したのは「米国を敵に廻してもかまわない」という理由による。
整理すると、
・北鮮は、少なくとも韓国との間の拉致問題清算する
・同時に、日米に対し一気にデモンストレーションを行う
・韓国は、自衛隊在日米軍がミサイル問題に裂かれている間にEEZを侵犯する
拉致問題清算は、統一を目論む韓国にとっても思惑通り
で、韓国が米国を敵にまわすことを厭わなかったのは、恐らく中国が背後にいる、という密約があったのではないか、と推測する。勿論尖閣諸島を奪う意図、海洋資源を奪う意図があるんだけど、それ以上に、このタイミングで日本の野党第一党の代表+幹部の計4名を抱え込んでいる。
更にこの民主党の代表+幹部連中、事前にミサイルが飛んでくる可能性を指摘されていたにも関わらず、おめでたい事にそろって外遊をしている。しかも、実際にミサイルが発射されたにも関わらず帰国せず、中国で会談し、中国で談話を発表した。
本来であれば、国難とあれば即刻帰国し、与野党で速やかに合意形成を行わねばならない。まがいなりにも「ネクストキャビネット」を自認するのであれば、自らが政権与党であるという想定で動かなければならない。それを行わないのは何故か?北鮮のミサイルが、日本本土には着弾しない事を把握していたのではないか?
まあ状況証拠からの推測に過ぎないけど、こんなにもあらゆる条件が揃うなんて事があるもんかね?

(太字、フォントサイズ等の変更は引用者による)
民主党はやや買い被りという気もする(そこまで情報に精通してるなら、ここまでアホな行動は取らないような)。むしろ、後付で、このような理由を持ち出す可能性はあると思います。いわゆる「後出しジャンケン」ね。
しかし、南鮮・シナ共産党政府が北鮮と共同歩調を取っていた、というのは十分あり得る話だと思いますね。