安上がりな国防を考える

北朝鮮が核実験をやるかも知れない、と言っているらしい。となると、政治家やマスコミや、はたまたネットでは核武装を日本もすべきだ、いやすべきではない、と議論をしている。そんなことよりも、私は北朝鮮がどこで核実験をやるのかが果てしなく気にかかる。まさか、世界の国の中で、北朝鮮に実験場を貸してくれる国はあるまい。ということは、北朝鮮朝鮮半島内で核実験をするのだろう。となると、気になるのは、その技術レベルである。実態は不明だが、ともかくミサイルを狙ったところに運べない国である。どう見ても、世界で最貧国に近い国が、核実験である。私は、北朝鮮がトンデモナイ失敗をすることを恐れる。何せ、隣の国である。北朝鮮が核実験を失敗したら、一の被害者は南朝鮮としても、二の被害者は日本である。その方が私には怖い。金正日がそこまで考えて核実験をやる、というとなると、ある意味で彼は交渉術が上手いのかも知れないが。それなら、日本も逆手に取ったほうが良い。北朝鮮の技術で核実験は無理だ。失敗したら、お宅のお国の民族の方々も、憎き日帝の子孫とともに放射能の被害に遭う。そう言うしかあるまい。それでも金正日南朝鮮政府が何も反応しなければ、在日本の朝鮮民族の方々に、日本への帰化を政府が大々的にオススメすれば良い。朝鮮半島の責任政府は、アナタ方を見捨てましたよ。日本は見捨てませんよ。これほど人道的な扱いはあるまい。
さて、タイトルは国防である。核武装は安上がりかどうか、というのが根本的な問題である。日本の原子力技術と宇宙ロケットの技術とを考えれば、結構安上がりにできるものかも知れない。いや、国民が知らないだけで、実は日本が核兵器を持っている可能性だってある。まあ、日本ではそんなことはあり得ないか。確かに、近々の面だけで言えば、核武装は安く付くかも知れないし、今はどうか知らないが、アメリカもいずれは反対しない可能性だってある。日本が核を持てば、北朝鮮もシナ共産党政府も、日本を舐めなくなる。そういうロジックは成り立つように思える。
しかし、北朝鮮もシナ共産党政府も、人民、国民を飢えさせて何とも思わない政府だということを考えなければならないように思う。北朝鮮やシナ共産党政府は、「人民共和国」と名乗っているが、名乗っているから逆にウソなのであろう。普通、国とは人民を保護するためにあるのだから、人民共和国という名乗り自体が同義反復である。人民を保護する責任を放棄している国に、核兵器がどれほどの効果があるか。ソ連に効いたのは、単にアメリカとの「世界の王者」をかけたプライドだけである。アメリカももちろんプライドはあるが、アメリカの大統領や立法府員は、国民を保護できなければ、選挙で地位を奪われる。曲がりなりにも、人民・国民のことを保護しなければならない。シナ共産党政府、北朝鮮に「世界の王者」などというプライドがない。だから余計にややこしい。日本が核兵器を持っても、向こうは恐ろしいとも何とも思わない。日本の基準でモノを考えても、通用しない可能性がある。
また、核兵器なんぞ使えば間違いなく、地球が滅びて終わりである。都合よく日本人だけ、日本列島だけ消し去ることができればめでたいが、少なくともそんなことをしたら地球全体に放射能の影響が広がる。東京だけに打ってオシマイ。そうは行くまい。そうは行かないことは、他ならぬ日帝の被害者であると自称するシナ共産党政府や朝鮮半島の責任政府の方々がご存知のはずである。日本人は鬼である。第二次世界大戦の際も、日本は米英の言うなりに軍縮条件も飲み、シナ利権も処理しようとした。そこにハル・ノートである。日本人は、突然キレて、真珠湾攻撃をした。少なくとも欧米人は、当時、日本をそう理解した。今でも、日本人が東京に核を喰らって大人しくするような国民だとは、私は思わない。現に、現代の若者は「キレやすい」とマスコミが言う。マスコミの言うことが正しければ、核を落とされたら大いに「キレる」に違いない。キレたらキレたで、大戦争である。核兵器を使った大戦争がどうなるかといえば、地球の破滅だということは先に述べた。その程度の想像力は、誰にでもあろう。
ということは、裏を返せば、核兵器は持っていて意味のない兵器である。使ったら、結局、自分も死ぬ。自分が死ぬための兵器というのは、兵器の定義として成り立たない気がする。いや、お前を殺してオレも死ぬ。それでいい。そんなことはあるまい。核兵器によって地球が滅亡することになったら、人間だけが死ぬのではないのである。地球という、数え切れない生命を乗っけた星が壊滅するのである。今のところ、地球以外の星に生命は見つかっていない。下手したら、地球だけに生命がいるかも知れない。ということは、この星は「かけがえのない」星であることは誰しも理解できよう。少なくとも、他に地球と同等レベルに多様な生命が存在する星を見つけてから、核戦争をしろ。私はそう思う。また、日本の核武装論においても、上の理由から私は不可と判断する。JAXAに巨額の予算をつぎ込んで、地球外生命体を探してから、核武装の議論をすべきである。
無論、通常兵器であったところで、人間以外の生物が死ぬ。戦争反対を唱えるなら、こちらの側面から言うべきであろう。地面のアリをやっつけるのに、ロケット弾は有効ではなかろう。しかし、核兵器ならほぼ全ての生物を打尽できる。その差は歴然としている。結局、失うモノが地球であることを考えれば、どう転んだところで、核兵器は全然安上がりではない。
被爆国だから、というのではない。ただ、人間が自然に囲まれなければ生きていけない存在であることを考えたら、地球という基盤を失うような兵器は、ほとんどギャグに等しいことは理解できるはずである。核兵器は人間以外の自然も根こそぎ破壊する。それが兵器として成り立つと思っているのか。日本は世界でそう発言しなければならないのである。人道的かどうかではない。核兵器の問題は、究極の環境問題なのである。その側面で考えたら、答えはすぐに出る。
では、一番安上がりな国防はどうすればいいのか。それは、戦後60年の日本そのものである。日米安保か。そうではない。日本が他の国にとって、なくてはならない国になることである。日本は他の国にモノを売って、その金でモノを買う。それも、相手にとって重要なモノを売買する。ようするに、それが経済である。経済とは、本来、経世済民である。今では政治の方が幅を利かせているように見えるし、経済人が政治に「口を出す」。それは実に惜しい話である。経済は、本来、民を収める方法の第一なのである。日本にモノを買ってもらえない、日本のモノを買えない。そうなると困る。そういう国を増やしてきたのが、戦後60年の歩みであろう。これがどれだけ国防に寄与したことか。当初、日本にとって最大の脅威だったソ連ですら、日本製および日本からの技術移管で製造した東南アジア製の電子製品の流入によって崩壊したのである。電卓一つ作れない共産主義政府は、信頼されない。だから、シナ共産党政府は共産主義を捨て、日本からの進出企業はすべて合弁会社であることを要請しているのであろう。この点でも、シナ共産党政府にとって日本は必要不可欠な窓u梃毆)在なのである。だから、経済人は自らのここまでの歩みは、日本を守る一翼を担ってきたのだ、と胸を張っていい。そう考えれば、一般的な意味での国防に携わる自衛隊員や海保隊員の労苦も、容易に理解できるはずである。
だから、シナ共産党政府が「靖国」だの「A級戦犯」だの言ってきても、経済人は誇りを持って、微笑で答えればよい。シナ共産党政府の要人が賢人なれば、その微笑の意味を理解するはずである。理解できないなら、早晩、シナ共産党政府は倒れるだけであろう。朝日新聞も本気でシナ共産党政府のことを思うなら、靖国なんかは問題にしない方がいい。これはお節介か。いや、朝日新聞の社是である「民主主義」が本物で、今、報道ステーションとやらいう番組で解説をしている加藤某という記者が、靖国問題を煽ったのが、実は共産党政府を長年かけて崩壊させるために行ったのであれば、壮大な話である。
結局のところ、安上がりな国防とは、環境問題と経世済民から考えたら答が出るのである。私は別に自衛隊の規模を小さくしろ、とかそういうことが言いたいのではない。現実問題として、シナ共産党政府とか北朝鮮のように、人民を飢えさせている政府がいる。それに対抗するには、彼らの手法を使えばいいのである。彼らこそ、人民と政府が乖離しているのである。だから、自衛隊の戦力増強の理由は素直に「紫禁城に巣食う連中を狙ってます」とか「平壌将軍様を狙ってるだけ」と言えば良いのである。核兵器を持たない理由にも「人民の皆さんは我々の敵じゃないですし、核戦争なんかしたら世界が終わりですから」と説明できる。それでオシマイ。あとは粛々と、日本は世界を相手に経世済民を続ければよいのである。