6ヶ国協議から離脱せよ

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世では6ヶ国協議というものをやっていたらしい。らしい、というのは、現場を見に行ったわけではないからである。しかし、この協議、周囲が言うほどのものかどうか、私は根本的にそこを疑っている。何故なら、出席している人間はすべて「役人」「官僚」である。日本だけではない。各国がそうである。つまり、政治的な責任を背負って交渉に臨んでいるメンバーが誰もいない、ということであろう。それなら、大した進展がなくて当然のような気がする。これまでの拉致問題を見てもそうだが、首相が直接訪問して結果が出ており、次官級だろうが役人が出て行って、何らかの進展があった験しがない。ということは、そもそもこの6ヶ国協議に過剰な期待をかける方がおかしいとも言える。
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だから私は、この6ヶ国協議の枠組みから日本はとっとと撤退してもいいと思うのである。核問題について言えば、日本も核武装を検討します、とか、北朝鮮が核を持ったところで、こっちは監視もしますし、ミサイル基地を攻撃することは専守防衛の範囲です、と立法府の責任ある議員が誰でもいいから、発言すればいい。それに対し、もちろん、社民党とか共産党とか、当然、民主党からも反発はあろうと思う。ともかく、それを議論すればいいのである。技術的に、日本が出来る国であることは誰もが知っている。特に、この議論を嫌うのはシナ共産党政府であろう。今、北朝鮮の生命線を握っているのが、シナ共産党である、という報道を信じるならば、シナ共産党に嫌がることをやっておくことが、そのまま、この問題の解決に繋がるはずである。要するに、核抑止力(核武装や核ミサイル基地への攻撃力保有とその行使)を議論することがまずは大事である。
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そこへ来ると、マスコミの報道は妙である。「国際的に日本は孤立」と報じた。私が習った地理の知識では、世界には6ヶ国以外にたくさん国があったはずである。たしか、国連に加盟している国だけでも130以上あったと記憶している。面倒だから、確認はしない。アメリカから見放されたら「孤立」か。確か、マスコミの多くは、日本政府の「親米」っぷりを嘲笑っていたはずである。それなら、今回の「孤立」は歓迎すべきことではないのかと、私は意地が悪いからそう思う。上に書いた核武装の議論は、恐らくアメリカも歓迎はすまい。しかし、議論ですから、と言えば、言論の自由の国、アメリカは黙らざるを得ないはずである。そもそも、アメリカほど世界で嫌われている国もない。先週行われたG7で、日本のマスコミは日本の円安が叩かれることを期待していたはずである。ところが、円安にはほとんど触れられず、人民元は安い、と袋叩きにあった。これには、純粋な経済学としての見方もある。要するに、今の円安は、原油などの素材へ投資されていたカネが、高騰しすぎたため、今度は為替相場に戻ってきたためである、という説明である。これはこれで事実を表している。しかし、アメリカが主導する経済会議において、円安について何も述べられなかったのは、今、日本の機嫌を損ねたら、アメリカは本当に孤立するということを、彼らなりに恐れているということでもあろう。実は、アメリカとしては6ヶ国協議などはやりたくないはずである。しかし、昨今の嫌われぶりから考えれば、イラクのようなこともできないし、まして、イラクと違って北朝鮮は不毛の地である。アメリカにとっては、極東防衛は日本さえあればよい。ならば、日本が先頭を切って6ヶ国協議から離脱してくれれば、アメリカも「ある意味では一番の当事者の日本が抜けるのだから」という「大義名分」を得ることができるように思う。
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しかし、北朝鮮への制裁は、シナや南朝鮮、ロシアの協力がないと上手く進まぬ、ということもあろう。それならば、それら3ヶ国にも制裁を加えたらいいのである。シナからの輸入品を買わないとか、ロシアとの資本提携は反故にするとか、南朝鮮からのタレントにワーキャー言わないとか、いろいろある。これは、実はわざわざ政府が法律で縛らなくても可能なことなのである。日本国民が拉致問題を解決しようとする、一つの方法がこれなのである。企業としては、シナからの購入品を国内や他の国から調達したり、ロシアの進出については難癖をつけて、遅らせる。個人のレベルでは、シナ産、ロシア産、南朝鮮産、もちろん北朝鮮産の物産は買わない。一種の不買運動だが、そんなに大仰な狼煙を上げる必要もない。協力してくれるのなら、こっちも買えばいい。これは一種の薩長同盟である。しかも、この「経済」を使えば、これらの国々に対してはかなり有利になるはずである。経済同友会は、日本国首相が靖国神社に参拝することに対しては、よろしからず、と声明を出した。経済界として政治問題に発言することは、非常によいことである。ならば、拉致問題にも積極的に協力して欲しいものである。靖国神社に祀られている「戦犯」とやらよりは、よっぽど極悪非道な独裁者がいて、その独裁者を未だに擁護する勢力がいる。靖国を批判するなら、それ以上の強さで独裁者を糾弾すべきだと思うが、未だに彼らから発言がない。一体、どういう了見なのだろうか。