また一年が待ち遠しい

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いや、実は昨日は、RVVを見てから寝たのである。だから、結局3時間半しか寝ていない。通勤の電車で寝ようと思っていたが、またも青春18きっぷババアの存在で、眠れなかった。この青春18きっぷ、今日までが春先の使用期限であったらしい。明日から、安心して電車に乗れる。
それにしても、このオバハンどもももう少し考えた行動は取れないものか。通勤時間帯真っ只中の電車に乗り込んで「エライ混んでるなぁ」と言い合っているのである。アホか、混んでるのは、普段乗らんお前らが乗り込んできてるからじゃ、ボケ。しかも、大きなリュックを背中に抱えたままで乗りやがって。そういうリュックは、網棚に乗せるか、座席に座っている仲間に持たせるのが、マナーだろうが。そもそも、遊びの貧乏旅行なら、通勤時間帯を外せよ、ボケ。全く困った奴らである。今日の団体様ご一行、草津駅から終点の姫路駅まで行くそうである。京都から新幹線に乗れ。こだまならガラガラである。JR西日本さん、お願いだから、老害60きっぷで格安でこだまだけに乗車できるきっぷを販売し、青春18きっぷは名前の通り、18歳以下限定にして下さい。
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さて、マスターズである。タイガーはすごい。優勝しなかったけど2位である。敗因は特に見当たらない。優勝したザック・ジョンソンの方が運が良かったということである。特に、16番Par3では、恐らく二人のボールの位置は50cmも変わらなかったと思うのである。わずかだが、タイガーの方が50cmに満たないほど、右にあった。その分、タイガーのラインは傾斜にかかった。一方のジョンソンのラインはほぼストレートだった。50cmが運の分かれ目であったということであろう。
それにしても、ジョンソンはいいゴルファーである。通常、プロレベルになると、終盤で疲労や緊張がピークになると、大概、ショットは左に行くものなのである。オーガスタの10番から18番までのコースレイアウトは、明らかに疲労した者が負ける設定になっている。ほとんどのホールで、左は即死というレイアウトになっている。ミケルソンやウィアーという左利きが最近強いのは、疲れてきたときに右利きなら左に行くショットが、左利きだと右に行くからだろうと、私は推測している。特に最終日の18番のピン位置(オーガスタのピン位置は、だいたい日によって固定されている。たまに異なることもあるが)は、4日間、身も心も疲れ果てたプレーヤをさらに追い込む。すでに、疲れで下半身が動かぬ状況で、18番のティはフェードを要求するのである。左のバンカーはニクラウス、タイガーの登場で改造が加えられ、あの位置から容易にピンは狙えない。奇跡を起こしたのは、サンディ・ライルくらいである。フェードは下半身が止まると、引っかかる。しかも、距離長く、こすったスライスではセカンドの距離が残りすぎる。
そのセカンドも、本来の18番のピン位置である2段グリーン(本当は3段だが、手前の段にはボールが止まることはないので、事実上2段)の左手前を狙う。左は頓死である。右に大きなバンカーが構えるが、実は右手前が寄せやすい位置である。左にピンが切ってあるときは、ドローで狙うのが定石である。ティショットでなけなしの力でフェードを打った選手に、今度は打上げの高いドローを要求するのである。何とサディスティックなことか。
ジョンソンは、ドローは掛け損なったが、左には出さなかった。手は動きにくくなっていたが、体は動いたことの証であろうと思う。マーク・オメーラも右に打ち(しかも、彼は打った直後に「Stay right!(左に行くな!)」とボールに叫んだ)、グリーン右からのパットをねじ込んで優勝した。ジョンソンはグリーンを外したが、幸運にも50cm程度の差でバンカーを免れた。そこから、絶妙のランニングアプローチでパーを拾い、タイガーを振り切ったのである。あそこでジョンソンが左に打たず、つまり、フェードでグリーンを狙うという守りに入らず、右抜けを覚悟でドローを打ったことが、彼の栄冠に繋がったのであろう。ジョンソンがいいゴルファーだというのは、最後まで力を振り絞って、ボビー・ジョーンズの意図に挑戦したからである。昨年は念願のライダーカップのメンバーにも選ばれているらしい。今後が楽しみな選手である。
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結局、マスターズを見て思うのは、世界の一流選手は、正確なショットを打つが、決して「機械」ではない、ということである。それが、世界の一流と片山某という日本のトップ選手との差である。片山は、セットアップからラインを出したりして、とにかく正確なスイングをするように心掛けていたように思う。しかし、それでは勝てない。相手が人間だからである。ミケルソンやシンは、期待を大きく裏切ったが、彼らが時に見せるトラブルショットは機械ではできない。球を上げる技術、球を低く抑える技術、そして技術を使うタイミングの適切さ。マスターズを見る楽しみとは、これに尽きる。ただ、このレベルに達した日本人が一人もいないというのは、正直悲しいところである。
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さて、負けたタイガーに一つ苦言。何番だったか失念したが、クラブをへし折って回避したトラブルショットは、頂けない。まず、クラブを大事にするという気持ちがない。タイガーはすでにアマチュアの手本なのである。クラブはラウンド後に補充すればいい、という考え方はあまり好ましくないと思う。また、このようなショットは怪我の元である。自分自身も怪我をするが、下手をするとギャラリーに怪我をさせる可能性もあるからである。実際、私の知り合いは、林の中で、どうみてもアンプレという状況から、無理して打ち、木にへし折られたクラブが自分に跳ね返ってきて、左手に打撲と裂傷という大怪我をした。私は、あのプレーだけは納得ができない。あの状況なら、アンプレヤブルにするか、左打ちすべきである。タイガーは、すでに全世界のゴルファーの手本なのである。勝負事だけでなく、そういう部分にもタイガーは気を遣って欲しいのである。タイガーは、恐らく、いずれは記録ではニクラウスを抜くであろうとは思う。しかし、このままのタイガーでは、ニクラウスやパーマー、ゲーリー・プレーヤーが持つような尊敬を得られないのではないかと思う。スポンサー最優先の試合出場。そして、何より、試合で見せる必要以上のガッツポーズは、タイガーが愛するゴルフというスポーツには似合わない。いずれ、タイガーは7枚目のグリーンジャケットは手にする。そのときのタイガーのことを私は思うのである。
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