週末雑感

 ****
最近、業務多忙、若干の体調不良(要するに飲み過ぎ)、しかも長男がおたふく風邪などなどで、バタバタしていました。日記も日付を見るとほぼ一週間ぶりなんですね。
まあ、かれこれ3年ですか、日記だとかブログみたいなことをやっていると、そんなに言いたいこともなくなってくるというものです。前も言ったからね、という話の繰り返しに近いし、そもそも、そういう観点で新聞を読んでると、新聞の社説ってのも、まあ似たようなものだなと。それはそれで同じことを言い続けることも大事だけれど、まあ、こちとら金を取らない気楽な日記ですからね、前にも書いたことを同じように書くわけにもいかない。といいながら、結局、書いていることは似たようなものだったりしますけれど。
まあ、地上波テレビを見なければ、日々平穏に暮らせるということだけは、事実だと思いますね。
 ****
で、それに関して言えば、先日の全米OPの中継でもそうだったんですが、地上波の放送っていうのは、悲惨極まりないわけです。でね、ちょっと考えてみたんですよ。日本でテレビ中継の多いスポーツって何だろうと。まあ、野球はイの一番ですね。んで、サッカー、ラグビー、バレーボール、陸上(特に長距離走)、それからゴルフ。野球とサッカーはまあ別として、他のスポーツは全然人気の順番じゃありませんよね。じゃ、何が共通してるんだろうと。
これ、すべて「間」なんですよ。
野球は、1球ごとにインターバルが入ります。野球ってインプレーの時間、すなわち、投手がボールを投げるモーションを起こしてから、次にボールデッド、タイムとなるまでの時間をすべて集めても、3時間のゲーム中、30分程度じゃないかと思います。それだけ、プレーされていない時間が長い。
サッカーは、言い方は悪いけど、急転直下の展開になることは、1試合の中で決まったゴール数の3倍がいいところでしょう。その分は、「間」ですね。この辺は、ラグビーも同じ。ラグビーもボールが実際に動いている時間は、結構短い。
バレーボールも1点が決まると、インターバルがある。野球に似ていますね。それに、他のネットスポーツに比べると、少し「遅い」んですね。自分のコートで3回打っていいってのは、結構珍しい。テニスやバドミントン、卓球は、そんなことないでしょ。
陸上競技、特に日本ではマラソンと駅伝がやたら人気がありますが、これはサッカーに近い。展開が急激に動かない。つまり、「間」が多いということです。
 ****
これらは、それぞれのスポーツの本質ですから、良し悪しじゃありません。そういうインターバルや間があることが前提で、プレー時間が管理されたり、点数やセット数が決められている。
しかし、これらの「間」のあるスポーツは、テレビとしては放送しやすいんです。いや、放送するだけなら、どのスポーツでも似たようなものなんです、一般観客と同じ視点にカメラを置けばいいだけです。ところが、それじゃテレビ局的には「困る」んです。いや、昔のテレビ局は、そういう中継をやってました。でも、最近じゃそれをしない。
これが「ジャーナリズム」という名を騙った、「ドラマ化」なんですよ。
選手のプレー外の部分を取材して、それでドラマを作っていく。別に、そういう側面をすべて否定するつもりはないけど、それなら中継とは別の番組でやって欲しいわけです。中継は、今、そこで起きていることが知りたいから見てるんですよ、こっちはね。
私だって、選手が持っている裏側というか内側のストーリーに興味がないわけじゃない。だから、スポーツ雑誌はよく読みます。興味がある人なら、別枠で見たり、読んだりするものなんです。でも、中継中にそれをてんこ盛りにされると、どうも見ていて、気が萎える。今、それは言わなくちゃならんことなの?ってね。
 ****
「間」のあるスポーツは、こうしてその「間」にどんどん「ストーリー」を埋め込まれ、「ドラマ」に仕立てられ上げていく。ところが、そうすることによってどんどん「現場」が希薄になっていく。その「現場」の存在をアピールするために(本来、アピールなんかしなくていい。現場を見せることが中継なんだから)、いわゆる「うるさい」「多弁な」実況が存在してくるわけです。古館伊知郎ってのは、そういう意味ではドラマ仕立てのスポーツ中継(そもそも彼が出身のプロレスってのは、スポーツをドラマにした典型的なものですから)の申し子なんですね。だから、報道なんかできない。報道じゃなくて、ドラマにしないと、自分自身も話せない。
 ****
さて、地上波じゃなくて、CS放送のスポーツ中継を見てみると、そのあたり、すごく実況も解説も、しゃべらない時間が長い。なぜなら、基本が「中継」だからですね。そもそも、CS放送はスポンサーが視聴者自身です。チャンネルに対し、受信契約してるから。ですから、いい加減な中継はできないんです。
ゴルフに関して言えば、ゴルフにすごく詳しい実況アナもいますけど、言い方は失礼ですが、マイナー競技になると、アナ自体が詳しくないことがあります。下手したら、視聴者の方が詳しい可能性がある。そういうスポーツでは、実況アナは純粋に、疑問に思ったことを、解説(こういう解説は協会の技術部長のようなかなり偉い人がやることが多い)に質問し、解説も丁寧に答える形式になっている。つまり、実況アナが本当の意味で、視聴者の目線に立っているんですよ。こういう中継を見ると、そのスポーツ自体に興味が出てくるんです。
私も、こういう中継の影響で始めたのが、まず自転車です。それから、最近、見ていて面白いのは、卓球とバドミントン。両方とも、スピード感は各種ボールスポーツの中で、トップクラスでしょう。特に、バドミントンのダブルスは、本当に速いし、ラリーも長いし、見ていて引き込まれる。私は、高校時代、アーチェリーをしてましたが、部の伝統として、基礎体力向上のために、トレーニングにバドミントンをしてたので、全く縁がないわけじゃありません。また、カミサンが中学時代にバドミントンの選手だったので、二人で見ながら、私はカミサンに解説を求めたりしている。カミサンも「まさかテレビで一流のバドミントンの試合が見れる日が来るとは」とちょっと嬉しそうです。
 ****
それはまあ、ともかくとして、卓球やバドミントンなんかは、スピードが速くて、地上波の「バカ」揃いの実況アナには、全く付いていけない。しゃべってないと仕事した気になれない連中ですからね、そもそもそのスポーツの本質的なものを見ることができていない。オレが中継する試合は、代表チームが負けない、なんて訳の分からんことを自慢するアナウンサーは、さっさと退職して欲しいですな。で、バドミントンを取り上げも「オグシオ」とか訳の分からん取り上げ方してるでしょ。試合を見せろと。バドミントン、面白いんですよ。だって、世界のトップクラスの国が、すごく多様なんですよ。中国、インドネシア、イギリス、デンマーク、タイ、などなど。日本も、別に端にも棒にもかからんほどじゃない。まあ、メダルとなると難しそうですけど、世界で30位以下のサッカーに比べたら、よっぽど世界に近いんですけどね。
要するに、テレビで取り上げるスポーツだけが、人気があったり、世界レベルではないってことです。テレビ、特にバカの集団である、地上波テレビが取り上げるスポーツは、連中が取り上げやすいだけだってことなんです。だから、みんな、CS放送に入って、いろんなスポーツを、まともな実況と解説で見て下さいな。私は、別にスカパーやJスポ、ゴルフネットワークの回し者じゃありませんけどねw。
 ****