ゴルファーの肩身が狭くなるだろうが!

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防衛省の前の事務次官が、御用商人と接待ゴルフしていた件。
「守屋・前防衛次官、山田洋行のゴルフ接待認める」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071022it04.htm?from=navr

石破防衛相は、「色々な形で(報告が)入ってきている。自衛隊員倫理規程に反したかどうか、ちゃんとした確認を行う」と述べた。2000年に施行された同規程では、費用負担の有無にかかわらず、利害関係者とゴルフをすることを禁じている。

もう、これでクロ確定ですわ。
まあね、イラクやインド洋で隊員が頑張ってるときに、トップはのうのうとゴルフ、という批判は間違っていると思いますよ。別に休日であれば、ゴルフするのは好きにしてもいい。
でもさ、御用商人とゴルフしてたってのは、規程違反だし、それに偽名を使っていたとか、もう後ろめたさ満点ですよね。
そんなにゴルフしたかったんなら、自腹で、しかも一人で行けよ!
だいたいね、事務次官って年収2,400万くらいあるんでしょ。ゴルフがそんなに好きなら、この年収を5年ももらう立場なんですから、会員権の一つでも買えばいい。そしたら、一人で行っても、他のメンバーとラウンドできるし、まともなコースなら、一人でもラウンドさせてくれますわ。それをわざわざ御用商人に接待させるだなんて、もう噴飯物ですわ。
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私は、別に公務員じゃなくても、接待ゴルフなんぞ断固反対の立場ですからね。コンペやって、賞品すべてお持ち帰り、なんていう接待もあるらしいですよ。これは、私の友人の体験談。昔は、わざと悪いスコアで回ったりするような、とてつもないアホな接待ゴルフもあったらしいですな。ゴルフ雑誌見てると、そういう場面が出てくる。それ、一体、何が楽しくてゴルフをやってんのかね。
私は、そもそもゴルフにハンディキャップがあることも不満なんですよ。だから、コンペに行っても、ハンデ込みのスコア、つまりネットには全く興味がない。そんなにハンデが大事なら、何でハンデは36までしかないかをよく考えて欲しいところですよ。まあ、最近のコンペじゃ40まで出したりするところもあるらしいけど、コースがメンバーに出すハンデは、36までですわ。まあ、これは別のところで書いたから繰り返さない。
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ともかく、下手くそがゴルフ場に来ちゃいけないのと同じで、自腹でゴルフできないような連中が、ゴルフに来ちゃダメなんですよ。ゴルフは、アマだろうがプロだろうが、実は試合の出場料としてラウンド代を払います。もちろん、招待選手とかになると、招待料なんかで結局、もらう方が多くなることもあるし、実質無料だったりするんだろうけど、本質的には自腹ですよ。賞金もらえないアマチュアも同じですよ。日本アマも日本オープンも、すべての試合で出場料を支払う。これが当然です。アマでも上手だから、という理由で、ラウンド代を払わなくてもいい、なんてことはありません(ただ、試合の場合、料金は概ね、メンバーフィーと同等になることが多いみたいですが)。
要するに、ゴルフってのは、自腹でやることに意味があるんですよ。だから、アマチュアの大会見たら、自営業とか医者とか社長ご本人とか、そういうパターンが多いですわ。会社員だと薄給な上に時間もない。それでも自腹でやるんです。だから、ゴルフにみんな一生懸命なんですよ。
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そういう、一生懸命なアマチュアプレーヤや、アマチュアでのプレーを経て、プロになった選手たちを冒涜するようなマネをするな、と言いたい。この前次官の場合、そんなことを微塵も考えてないと思う。しかも、次官と御用商人が悪いだけなのに、ゴルフまでが悪者にされるわけですよ。これはひどい。公務員の中にだって、ゴルフが好きな人がいるはずですよ。政治家にも、麻生太郎氏のようなゴルフ狂もいるわけ。しかし、こういう事件が起きると、ゴルフって黒いイメージが付きまとってしまうんです。
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自腹で、きちんとゴルフをし、そのゴルフを生涯通したイギリスの大政治家に、アーサー・バルフォアという人物がいます。彼は、英国首相にも任じた人ですが、首相時代、官邸に早朝から詰めて、公務を終えると、14時にはゴルフ場に出てしまったり、あるいは早朝からゴルフをして、10時前にご出仕ということもあったそうです。首相在任中も、所属クラブであった、R&Aの理事を務め、クラブの会議には必ず出席したそうですが、ゴルフを理由にしたスキャンダルはなかった人です。つまり、この人は、公私をきちんと区別し、ゴルフをしていたということでしょう。
この人、長年の政治活動に対する功労として、女王陛下から叙勲されるんだけど、このときの挨拶がまた振るっている。
「私は、これまでに3つのものしか所望したことはない。多くの書物と、ゴルフクラブと、ゴルフをプレーする時間だ。私にとって良い人生とは、多くを読み、少なく書き、多くゴルフを楽しむこと。これに尽きる」
公職にあるもので、ゴルフが好きな者、プレーする者は、よろしくアーサー・バルフォアを見習うべし。バルフォアの著作に触れるのが面倒ならば、夏坂健氏の著作「痛ッ、ゴルフ虫に噛まれたぞ!」に衆力されている「ゴルフは端麗に戯れてこそ」を読むべし。
この気概の1%でも感じ取れれば、接待ゴルフなんか行けないっての。まあ、マスコミの皆さん、あの前次官ってのは、ゴルフを愛してはいないんですよ。ゴルフを冒涜したバカ野郎なんて、そこも徹底的に糾弾してやって欲しいんですけど。
ま、そんなことは言ってくれないだろうから、私がここに書いてみたんですけどね。
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