やる気ないだろ、絶対

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ここまで来ると、早く首相を辞めてくれと思いますな。
「映画「靖国」上映中止、「誠に遺憾」」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080402-00000155-mai-pol

福田康夫首相は2日夜、靖国神社を舞台としたドキュメンタリー映画靖国 YASUKUNI」の上映中止が相次いだことに「もし、嫌がらせなどが原因で上映が中止になるというのであれば、誠に遺憾なことだ」と記者団に述べた。
チベット暴動の鎮圧で強硬姿勢を貫く中国政府への批判が国際的に高まっていることには「人権にかかわるようなことがあるならば、懸念を表明せざるを得ない」と述べた。ただ、北京五輪開会式への対応は「中国が努力している最中に、参加するとかしないとか言うべきではない」と述べ、中国政府の対応を見守る姿勢を強調した。

太字のところ、ホントに言ったのか?と疑っています。この人には、どういう経路で情報が伝達されているのか、と思ってしまいます。すごいバイアスでもかかってんのかな。
もし、そうじゃなくて、我々が見るテレビを首相官邸でも同じように見れて、我々が読んでいる新聞を同じように読めているのなら、この首相の頭の中身を疑わざるを得ませんな。
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先日は、皇族の方々が五輪の開会式に出席されないことを表明されたところ。まあ、日本の政治体制は君主制のようで君主制じゃないからあれだけど、これイギリスの王家が欠席の表明をした直後に、首相がこのような発言をしたら、それこそ大問題ですな。イギリスの首相は、国王の信任の下、行政権を委託されているにすぎないわけですからね。
時期的に考えたら、福田首相のこの発言は、皇族の方々への批判になるんですよ。無論、福田サンはそんなに頭が良さそうではないので、何もそういうことは考えず、ただシナ共産党政府との関係(国家主席の来日やサミットも近いから)を拗れさせたくない、という一心だったと思うんですが。
でもね、福田サンっていうのは、こういうことにすごく鈍感な人なんだな、と思うんです。
シナ共産党政府が努力してるかどうかは、実はよくわからん。ネットで言われているように、シナ共産党政府の努力とは、民族浄化のことじゃないか、と私は疑ってはいます。でも、実情はわかりませんわな。だから、そこはまあ、いいとします。
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だけど、この発言を皇族ご欠席表明の直後にしたっていう、この間の悪さと発言の内容の拙さが福田サンの人柄を物語っているように思うんです。
間の悪さは、すでに後出しになったので仕方ないにしても、内容は考えるべきでしょ。ただ単に、「政府として対応を検討しているところです」とだけ言えばいい。シナ共産党政府の努力だとか、言うべきではない、とか、こういうところが蛇足なんですな。
例えば、ガソリン税暫定税率の問題。最初、この人、何て言ってたかというと、環境問題対策にのんびりしてる国だと思われる、とか言ってたでしょ。いや、将来的にはそういう観点で課税してるんだ、というロジックを考えていたんだと思いますよ。だけど、何の前触れもなく、いきなりこれ言ったら、そりゃ国民は怒るよね。道路特定財源が環境対策に使われてきたんか、とね。だけど、この人、こういう意味で他人の気持ちを考えていないんですよ。ロジック、もっと平たく言えば、辻褄が合ってりゃ納得するんだろって思ってる。でもね、人間、ロジックや論理で言われても、渋々行動するだけで、納得してるわけじゃない。
この発言にしても、チベットの人はどうなるのよ、とか、皇室や英王室や欧州各国の反応とえらく違うけどええんかいな、とか、こっちは思っちゃう。相手が、自分がこう言ったらどう反応するかな、ということをまるで考えてないわけです。だから、民主党に「逆ギレ」なんでしょ。でも、新聞見てて思うけど、日銀総裁にしてもガソリン税にしても、どこが譲歩やねん、という内容でしかない。でも、自分ではすごく譲歩したと思ってる。その辺のギャップがわかってないんでしょうね。
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よく、小泉サンは独断、独裁、という批判を浴びました。でもね、小泉サンはすごく情報、ある意味ではインテリジェンスを理解していた。つまり、相手がどこを突かれたら嫌なのか、あるいは喜ぶのか、そういうところを常に考えていたように思います。この場合の相手とは、国民でもあり、民主党でもあり、自民党内の抵抗勢力だったりするわけですが。
政治ってのは、理念だとか理想だとか、そういうのを語る場だと、マスコミは思ってるし、まあ、ほとんどの国会議員はそう思ってるかも知れませんが、そういう政治は「経綸」と言って、ホンの一握りの人が考えること。国会議員がやる政治は、「周旋」と言って、利害調整に細々動くものなんです。そういう意味では、小泉サンの側近と言うのは、徹底的に周旋屋だったんでしょうな。そういう連中が、情報を集め、判断し、小泉サンの権限のもと、実行していく。回りは、ボンクラな自称・経綸家だらけだから、上手い具合に丸め込まれてて、気が付いたら敵にされてた人(平沼サンとか山崎サンとかがそうでしょうな)までいたわけですよ。その政権で、官房長官、つまり周旋屋の親分をやっていた人が、今の首相である福田サンなんだけど、自分が使われてるときに、そこには気が付かなかったのかな、と思います。
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小泉サン、理念や理想ってのは、単純に「小さな政府を目指す」だけのことかも知れませんが、周旋屋としての技量、喧嘩師としての力量は見事だったとしか言いようがない。
それを見てるからだけど、安倍サン、さらには福田サン、それから民主党の小沢サンと、まあ小粒になってしまったな、と思いますね。少なくとも、外交を預かる首相なんだから、喧嘩は上手にやってもらわないと困るんでさ。喧嘩ってのは、どこで引くかも大事で、それは相手の心理を考えられる人の方がもちろん上手いわけ。その点、福田サンは適性ゼロ。見た目だけの「至誠天に通ず」では、困るんだよね。
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