私の回答 二千字には相当足りませんが

本日付・産経新聞朝刊の連載コラム「断」に、民俗学者大月隆寛氏の寄稿がありました。
「受験生諸君、問題です」

「入試によく出る」、とやらが、朝日新聞のキャッチコピーになっている。大学入試の現代国語や小論文などで新聞記事が素材に使われることは確かに多いが、しかし、自らそれを得意げに言いつのるこの態度、あさましいったらない。
思えば、天声人語を繰り返し読め、とのたまう現代国語の教師はいた。さすがに予備校のにはそんなのんきな御仁はいなかったが、高校あたりでは平然といた。あまつさえ、あれを要約しろ、とまで言っていた。あれ以上何をどう要約しろというのだろう。
大学入試によく出る=権威である、という構図。いまどき大学を無条件で権威の源と思っているあたりが信じられない。第一、権威があるから新聞記事を入試の素材にしているわけではない。恥ずかしながら元は国立大学元助教授、入試の出題委員もやったし、何よりほかでもない自分自身が朝日新聞に書いた悪文が入試に使われたこともあるあたしが言うのだから間違いない。そんな新聞が偉そうに権威主義批判、受験地獄糾弾をしたところで、ちゃんちゃらおかしい。
まあ、大学合格者ランキングで毎年商売する新聞社もあることだし、朝日に限らず、新聞というメディアの生産現場の構造的な問題、だとは思う。思うが、それにしても朝日の、この身仕舞の悪さ、勘違いの野放しぶりは目に立つ。鼻につく。ともあれ、受験シーズンでもあり、ここは受験生諸君にひとつ腕試しの問題を。
どうして、これまで日本の大学入試に「朝日新聞」からの引用がいちばん多かったのか、その考えられる理由について、二千字以内で述べよ。
答案、「断」欄宛に お寄せいただくも可、です。

受験生じゃありませんので、手短にご回答申し上げます。朝日新聞日教組や大学教授に特に顕著に多く見られる特定の思考の嗜好性には、あえて言及せずとして。
朝日新聞、特に天声人語や社説は、ロジック展開が難解であるため、正答率を大幅に下げることができるため、入試問題に適している」
ま、文章書きの方から見れば、受験問題に使われるのは、あまり嬉しいことではないような気がする。つまり、その文章は人によって「解釈が異なる」ってことでしょ。つまり、文意が伝わっていないことを意味しているんですから。それを「受験に出る新聞」と喜んでいる朝日新聞って、文章書いて飯食っている人間の集団としては、喜ぶポイントがズレてるような気がしますけどね。