ここまで書いててわからんか

「ぼやきくっくり」さんのエントリから知りました。
朝日新聞の露骨さとハイド議員について」
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid47.html
この中で、朝日は「ついにアメリカまで靖国参拝中止を言ってきた!」と嬉々として書いているということを知りました。それは以下の記事。
「首相の米議会演説向け「靖国不参拝表明を」 下院委員長」
http://www.asahi.com/politics/update/0513/006.html

6月末に予定される小泉首相の訪米をめぐり、米下院のハイド外交委員長(82)=共和党=が、日本が模索している米議会での首相演説を実現するには「靖国神社を参拝しないことを自ら進んで表明する必要がある」とする趣旨の書簡を同党のハスタート下院議長に出していたことが12日わかった。8月の終戦記念日前後の首相の靖国神社参拝を強く牽制(けん・せい)する内容だ。

と、こういう記事でございます。しかし、同じ記事で朝日はこのような分析をしておりまして。

米議会筋によると、書簡は4月下旬に出された。まず、イラクアフガニスタンで米国を支援した強固な同盟の代表として首相の議会演説は基本的に歓迎する意向を表明。そのうえで、首相が演説の数週間後に靖国神社を参拝することへの懸念を示した。真珠湾攻撃に踏み切った東条英機元首相ら同神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯に首相が敬意を示せば、フランクリン・ルーズベルト大統領が攻撃の直後に演説した場である米議会のメンツをつぶすことになるとしている。

ここまで書いていて、わかりませんですか、朝日の記者さん。要するに、「靖国問題」ってのは、一部の人にとっての「メンツ」のためだけにあるということなんですね。メンツも何も、アメリカとしてはサンフランシスコ講和条約の主導国ですから、靖国問題を蒸し返してしまうと、国際条約すら守らない国ってことになってしまいます。今のアメリカは、国際条約に簡単に調印しない国ではありますがw。
で、くっくりさん、さすがでもう少しお調べ下さっていました。ハイド氏とはいかなる人物か。
「米、対中硬化の兆し 経済拡張、軍事力増強 「米主導体制への挑戦」(産経新聞04/12/5)」
http://210.224.161.33/test/read.cgi/iraq/1099180395/36-37n

米中関係は二〇〇一年九月の同時テロ以降、中国が米国の対テロ戦争に協力を約したことを中心に摩擦や衝突の少ない状態が続いてきた。しかし米側での対中協調の姿勢が変わる兆しとしてはまずブッシュ政権にきわめて近い下院国際委員長のヘンリー・ハイド議員(共和党)による二日の香港での演説があげられる。
 同議員は中国の急激な経済拡張が軍事力増強、政治影響力拡大とあいまって東アジアから全世界にいたるまで米国の利益を損なう形で混乱を生み始めたとして、この中国の動きを「第二次大戦以後の米国主導の国際システムへの挑戦」と特徴づけた。

つまり、この人は「反日」というよりも、アメリカ至上主義者なんですね。実は、アメリカにはこの手の「アメリカ(あるいは白人)こそ世界一ィィィィィ」という思想の持ち主が結構おります。リベラル派には未だに人気の高い、ビル・クリントン元大統領も同じような思想を持つ人です。その点については、以前、週刊新潮の連載コラム、高山正之氏の「変見自在」を紹介したことがございますので、そちらを参照して下さい。
まあ、非マスコミの人間が、米議員の発言を取り上げて「アメリカも靖国参拝反対している」と論じるのは、仕方ないと思います。しかし、多くの取材情報をたくさん抱えている報道機関所属の人間が、この程度の記事しか書けないというのは、無能の証ですね。これが「ジャーナリスト宣言。」の正体なんですね。
ビル・クリントンの白人至上主義に関するエントリはこちら。
「■[社会] 東アジア会議 興味深いテキスト二つ」
http://d.hatena.ne.jp/sanhao_82/20051223/p1